劇場公開日 2016年4月29日

「こんなところに、青春スポーツ映画の傑作が…」ちはやふる 下の句 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0こんなところに、青春スポーツ映画の傑作が…

2022年6月4日
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俺は、この映画をあえて、スポーツ映画と呼びたい。それほど、スポーツの真髄が詰め込まれていた。
挑戦、挫けそうな心の克服、価値観が違うチームメイトとの合理的解決、心の拠り所との別れ、そこからの真の自立、そしてまた挑戦。やはり、スポーツ映画だ!
上の句・下の句を同じ映画館で一気に観られたのもよかった。111分と103分だが、長いとは全く感じなかった。1か月あけて別々に観たら、星0.5は減っているように思う。こういう映画ってスピード感、一気にという勢いも大切だと思うんだよね。興行上しょうがないのかもしれないが、自分は今後も前後編映画は極力、一気観(いっきみ)をめざそう。
結びは、「初見の人に若干冷たくないか」と俺が思うくらい、前作のあらすじなしでの本編。

まあ、ヒットシリーズの3作目はこんなものか。あのスターウォーズだって、ルークは誰で、ハン・ソロとの出会いはこういうエピソードだよ、って説明はないもんね。
そういう風に、初見の人に少し冷たい感じだけど、前2作観た人にはすんなりつながるストーリー。恋愛好きな人は、新、太一、千早の恋の行方が気になるところだが、自分は前にも書いたように "青春スポーツ映画" として観ているので、恋の決着はどちらでも納得できるわけで、それよりも強い新が団体戦に参戦してくれたことが嬉しい。スピード感も前2作と同じく。高校時代にバドミントンでなく、かるた部でもよかったよなあと本気で思う。

きっかけは「広瀬さん(すず)でも観るか」という感じで行ったが、まったくの拾いもの。主役が一人輝く、ではなく、出演者全体が輝く中に主役の広瀬さんもちゃんとはまっているという感じ。それほど周りがよかった。男子も女子も。
繰り返しになるけれど、挑戦、成長、友情、そして片想い。青春映画の重要アイテム、全部入ってます。ひとつのことを中心に他の人とつながっていく気持ちよさ。

かるた人口が増えること間違いなし。

「上の句」「下の句」で出来がよかった配役陣
真島太一:野村周平
綿谷新:真剣佑
若宮詩暢:松岡茉優
大江奏:上白石萌音 (舞妓はレディ)
机くんこと駒野勉:森永悠希
西田優征:矢本悠馬 (ごめんね青春!)
ドSの須藤暁人:清水尋也(ソロモンの偽証)さすが

「結び」での際立ちは、賀来賢人演じる周防。クイーン松岡茉優も、マンガ的キャラの見事な実写化を3作通して見事に演じきったが、周防さんもすごい。予備校の夏期講習後の独白は浸み入る。太一が動く動機付けとしては、これくらいはないとね。
全編通して、マンガの実写版には避けられない「駆け足感・詰め込み感」は否めないけれど、でも3部作という長さでエンディングするのは、映画としてはベストな方法と自分は思う。
よい映画でした。
「結び」では、みんな、2年経って、顔がシャープになったこと!
そのうち、3部作、一気上映という映画館が出てくるだろうから、そしたら一気見するぞ〜!楽しみ。

追伸 遅ればせながら、原作マンガを読んだ。
素晴らしい! やはり思ったとおり、最高クラスのスポーツ青春マンガだった。手に汗握る!セリフに感動する。泣ける。あ〜、いいものを観た!!!

追伸2 読んでいます。
映画に格納されなかった部分、どこも素晴らしい。
「この子たち、誰も残念だったね、といったねぎらいを言わない。本当に勝ちたいんだ」
「応援じゃない。キャプテンじゃない。盗めるものがあれば盗んでいくんだ。私もだ」

CB
みかずきさんのコメント
2022年7月2日

コメントありがとうございます、

競技カルタは、一対一の格闘技だと思います。
格闘技は勝負事なので青春ドラマとの相性は抜群です。
多士済々の格闘家キャラも作れるので、
単調にならず、面白い作品ができます。

3部作で終わるのは、勿体ない気もしますが、
惜しまれるうちが華ですから、
3部作で惜しまれつつ終わったのはベストエンドだと思います。

-以上-

みかずき