「怖くないけど怖い、じんわりホラー」残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
怖くないけど怖い、じんわりホラー
ホラーは苦手だ。特にこっちを驚かせにくるホラーは怖くて観られない。
そういう意味で本作は事前の個人調べによりギリギリ観られるかもしれないと思いつつ、やはり躊躇し続けた。
しかし、竹内結子さんが亡くなったので、これは観るしかないかと決心した。
結果的にとても面白かったし、驚かせにくるショックシーンや直接命を刈り取りにくるようなシーンはほとんどなくて安心した。だけど怖かったね。
マンションの一室で起きた怪奇現象の謎を解明すべく主人公の私とマンションの住人である女子大生が調べていくと、他の部屋でも起きていた不可解な死や怪奇現象、そしてそれは過去に遡っていく。
繋がりと広がりを見せながら徐々に明らかになっていく謎。穢れの根っ子に迫るミステリー。
じわじわ怖いのに目が離せない面白さがある。
穢れの蓄積と拡散、それに穢れに対する耐性について考えたね。同じ部屋の住人でも全く問題なく、いわゆる祟られることなく過ごした人もいるわけだから、穢れに強い人と弱い人がいるんだろうなと思うわけ。
となると、最終盤のワンシーンの、そこまで強く触れあった訳でもないのに祟られたあの人は、相当に穢れ耐性がなかったんだろうな。強い祟り弱い祟りとあったと思うけど、恐らく一番強いのもらったしね。
あと、ホラー作家に手紙を送るほど、明らかにおかしな事が起きているのに一年も住み続けられる女子大生の胆力に一番ビックリした。自分なら翌日からもう住めない。ミステリー研究会は心霊現象もいけちゃう感じなのか。強いな。
ホラーマニアの人たちも、なんか凄いなあと思ってしまう。望んで首を突っ込んでるわけだからね。自分には理解不能。
ただ、そういう類いの人たちは穢れ耐性がメチャクチャ高いんだろうなと思うのです。
強い祟りをもらったあの人と違って、どこにいっても大概問題ないんだろうね。自分の耐性を突破してくるような更に強い穢れに触れなければ、だけどね。