「恐ろしく虚しい」ドローン・オブ・ウォー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしく虚しい
オペレーション・ルームからゲームのようにアルカイダのテロリストを見つけ、空対地ミサイル“ヘルファイア”を撃ち込むというミッション。毎日、そうしたテロリストのアジトに撃ち込むため、非戦闘員、民間人も巻き添えにすることがあり、世間からも非難の声が上がっている。
ロボットが人間を殺すとか、無人戦闘機が人を殺すとか、戦争の在り方が変化しつつある現在。良心が痛まないとかいう評判もあるが主人公トミー(ホーク)は徐々に心を病んでいくのだ。衛星画面では戦闘員と民間人の違いがわかるほど正確であり、10秒ほどのタイムラグがあるため巻き込んでしまうことも多いのだ。恐ろしい。
ミサイルを撃つこと自体、大量殺戮に繋がるので、スイッチを押す者は心が痛むことがあって当然だし、上官の命令と割り切れば罪の意識もなくなるのであろう。現代の戦争だけではなく、自らが安全な位置にいるミサイルを撃つのはみなそうだ。物語は淡々と描かれるだけにどんどん嫌悪感を募らせる作りになっているが、大きな展開もないため、虚しくなるだけの作品。
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