「タチが悪い 凡作以下の映画。」ワンダーウーマン LEMONさんの映画レビュー(感想・評価)
タチが悪い 凡作以下の映画。
とても期待していただけに残念。
出来が悪い 凡作以下の映画。
そしてすごくタチの悪い映画だと思った。
「正しくある」ことの限界を感じた。
アメリカでも評価が高いと聞いた。そりゃそうだ
この映画を批判したら
女性差別主義者の烙印を押されるからだ
でも正直に言わせてくれ、
つまんない。なんか下手。
女性監督?いや、パシフィックリムの監督とかがやった方が良かったんじゃね?
声を大にして言いたい!
「正論」なんて誰でも言えるんだよ!
愛が大事、女性は自由だ、差別ダメ!平和大事!
そんなの誰でも知ってるんだよ!
知ってるけど実現しないのが人間なんのであって、
そして、苦しみ、悩み、それでも前に進むのが人間であって、、、
正論振りかざしても意味がない。
この映画はイデオロギー先行の映画だ。
イデオロギーが表現を縛り
フェミニストが女性を縛る。
▼アクションとかCGとか映像表現が並以下
表現の目的はしばしば表現それ自体となる。
作り手の愛・フェチそういったものが
見るものを本能的に惹きつける。
この映画にはそれを感じない。
全ての表現がイデオロギーのために存在している
・修行シーン
・スパイ要素
・必殺技
・悪役
・CG
すべてがどっかで見たことあるもの。
並以下のクオリティー。
作り手は
「秘密の修行」というシチュエーションで燃え上がった経験がないのか?
「戦時中のスパイ」という言葉に心踊らないのか?
ヒーロの「必殺技」を真似したことは?
自分の手からもビームが出るはずだと本気で信じた子供時代はあるのか?
作り手はヒーローの設定をただの飾りだと思っている。
そして義務のように処理していった。
▼キャラクターに説得力がない
美しくて、賢くて、強くて、純粋で、正しい。
理想の女性像を詰め込みまくったワンダーウーマンはロボットのようなテンプレキャラになった。
・彼女の欲望
・親に対する葛藤
・戦いに対する葛藤
・人間社会に対する葛藤
・人類を救うかどうかの葛藤
キャラクターを突き動かす葛藤どれもが大変陳腐で古い。
再解釈するでもない、掘り下げるでもない、そのまま使ってる。
ヒーロー映画として「大いなる力は大いなる責任を…」よりも前時代的。
何も考えず勧善懲悪。
平和大事!
戦争はダメ!
でも戦士の誇りがある!
人間、きらい!
いや愛を信じる!
女性のエンパワーの象徴キャラが
テンプレになるという逆説。
脇役に関してはもっとひどい。
ディズニー映画の歌う動物的なあつかい。
・ファニーな顔、酔っ払い、三枚目で、歌担当!?のスパッド… 汗
・相棒役の男は、男前で、でもマッチョすぎず、強すぎず、意見が食い違っても必ず女性が正しい的な感じの、独身の男…
・男たちのいいなりになってるバカで哀れな秘書(奴隷)
・ドイツ人= ショッカー
おいおい、こういう表現を女性でしていたことにフェミニストは怒ってるんでしょ?なにやってんだよ?
イデオロギーが先行しすぎたために
結果自らが批判し対峙していたステレオタイプな表現に陥ってしまっている。
知的なワンダーウーマンは英語以外の言葉も喋れる!!
でもドイツ軍は ドイツ語訛りの英語を喋ってろ!!
そんな傲慢な世界観。
▼イデオロギーそのものに関して
・女性の衣装はコルセット!
・「なんで女が議会にいるんだ!」
今時こんなのないだろ。
女性のエンパワーをテーマにしてるくせに
扱ってるテーマが古い。
現代の女性が抱える問題ってそんな単純じゃないし、
もっと複雑で悩ましいんだよ。
なんだよ コルセット って?
なめてんのか?
▼
単純に映画として出来が悪い。
キャラ、脚本、CG、アクション。並以下。
見終わったあと、監督が女性だと知る。
「あぁ、監督女性か、なるほどね…」って思われても仕方ない。
この映画…そしてこの映画を取り巻く言説が
本当に女性のジェンダー的な云々に貢献してるのか?
甚だ疑問だ。
そして何よりもタチが悪いのは
誰もこの映画を批判できないこと。
批判をすれば女性差別と罵られる。
同時に、「なんか話題だし、強い女性ってなんか今っぽい!
とりあえずサイコー!!」って好評する。
ポリコレの圧力と
ものを考えない群衆に溢れる今のこの時代を象徴する作品。
このご時世。
SNS以降の時代。
だれもが「正論」を振りかざせる時代。
google が「don't be evil」から「do the right things」に方針転換し、
そしてその結果、世界中がポリティカルコレクトに辟易し、トランプ政権が誕生し、ネットと現実の世界のギャップを通じて「正論」を言うだけじゃ意味がないこと、「正しい」の複雑さに人々が気付き始めたこの時代。
でも「自分の存在に悩むヒーロー」に飽きた時代。
ワンダーウーマンは
何を見せてくれるかとても期待した。
しかし見せられたのは
手元のスマホの中のタイムラインに流れてくる、
いつもどおりの「正論」たちであった。
戦争は許さない。
愛は大事。
平和大事。
女性差別は許さない。
黒人差別は許さない。(アジア人?なにそれ?)
ゲイ差別は許さない。
ドイツ人はぶっ殺せ!!
ちょうど見終わり、まあまあおもしろかったのだけどなんだかな~ともやもやした気持ちで、ここの感想を一通り見ながら、世間と自分の評価のギャップを感じていたのですが、この感想を読んで映画を見て感じた気持ちが文字化してるじゃないかとちょっと驚きました。全部が全部同じ感想というわけではないですが同じような感想を持った人もいるんだな~とちょっと救われました。
くろさん
コメントありがとうございます。
人それぞれの価値観があるのは
私もそう思います。
だから
私も、「この映画がいい!って言う奴は馬鹿だ」
などとは一言も言ってません。
この映画に関する感想と考えを言っただけで、
この映画の感想を述べた人に対してを直接否定も侮辱もしていません。
それは、人それぞれ意見があるだろうし、
他のひとがどんな意見だろうと
私にはそれを攻撃する権利はないからです。
それが
多様性を認めることだと思います。
しかし
さわちん という人は
わざわざ私のレビューにコメントし、
反論でもなく、ただの非難をしています。
どちらが
多様性を認めないひとか、明らかでしょう。
まさにこんな感じの
窮屈で狭い価値観をこの映画にも感じたのです。
あと
この映画が女性のエンパワメントに関する映画なのは、
映画それ自体からも、
製作者、出演者のコメントからも明らかです。
この作品そこまで女性差別に焦点絞った作品ではないと思うんですが、、笑
あと「女性監督かぁ、なるほどね、、」はそれこそ女性蔑視ととられかねない表現では?
他意はないとは思いますがあまりに攻撃的表現で批評されているのでこの作品を気に入った方は少し気分を害されたかもしれません。
一つの作品をどう感じるかは人それぞれですので他人の価値観を否定しかねない表現は批評欄では避けた方が無難かと思います。長文&説教くさいお話失礼いたしました。