「007は私の番号…?」SPY スパイ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
007は私の番号…?
ジュード・ロウ、新たな007に就任か…?
ってぐらい、スーツ姿で任務を遂行。カッコよくキメる。
プレ・シークエンスなOPやあの主題歌と言いタイトルバックと言い、『007』を意識。…いや、パロディ?
開幕の雰囲気から分かる通り、コメディ。くしゃみして誤ってターゲットを射殺してしまうし。
彼はCIAエージェントのファイン。そんな彼が活躍するスパイ・アクション・コメディかと思いきや、序盤で早々に殉職。
変わって任務に当たるのは、彼の“内勤”パートナー。
CIA分析官のスーザン。見た目はぽっちゃり体型の普通のオバサンだが、パートナーとしてのサポート能力は秀でたもの。ファインの活躍も彼女のサポートあってこそ。
二人でスーツケース型小型核爆弾を有する男を追っていた。ファインが誤って殺してしまったので、その隠し場所を知っているだろう娘に接近。が、娘レイナはファインを返り討ち。しかもレイナは他のエージェントの名も顔も知っている。内通者が…?
核爆弾の闇取引を阻止せよ!
が、現職のエージェントたちは顔を知られ、動けない。
そこで名乗りを上げたのは、スーザン。私なら顔も素性も知られていない。
これには口悪く俺様気質のエージェント、フォードは憤慨。
唯一の最悪の最善案。上司のエレインは許可。
危機を回避する為に。何より、パートナーの無念の為に。
スーザンはいざ、初任務&初現場へ…!
普通のオバサン…失礼、内勤エージェントが現場に出るというのが、本作のミソ。
スパイのリアル実状は知らないけど、こういう“異例”はまず無いのかな…? それとも時と場合によってはあったりするのかな…?
初現場に高まる興奮が抑えられないスーザン。“スパイグッズ”、本当に支給されるんだ…! でも、思ってたのと違う…。
サポート役として優秀だが、現場のエージェントとしては…。尾行や監視だけと言われているのに、ちょいちょいヘマしたり、目立っちゃう…。
“我が破天荒道を往く”のフォードも何故か現場に来ていて、余計面倒に…。
そんな中、思わぬ状況からレイナに接近。素性を疑われるも、咄嗟の機転で彼女の信頼を得る。
私はあんたの父親に雇われた護衛係よ!
口から出任せは人一倍…? ところが、場を圧倒させる度胸もかなりのもの。
格闘にチェイスとアクションも奮闘。
そして、遂には取引現場に…!
意外と現場向き…?
実は、スーザンは元々現場スキルは充分。が、試験の時やり過ぎちゃって…。ファインに丸め込まれてしまったのか、内勤担当に。
ほとんど行き当たりばったりだが、スーザンも敏腕エージェントなのだ!
メリッサ・マッカーシーがさすがのコメディエンヌぶりを発揮。身体を張ったアクションまで披露。まるで女サモ・ハン!? 笑いもアクションも、彼女の活躍が痛快。
レイナ役のローズ・バーン。『ピーターラビット』などでキュートなイメージだが、傲慢ちきな悪女もなかなか。
スーザンが現場に出たので、彼女の内勤パートナーになる親友同僚ナンシー役のミランダ・ハートもユニークでナイスなサポートぶり。現場にも出向いちゃって、メリッサとの掛け合いは愉快。
上司アリソン・ジャネイはビシッと。
スパイ映画と言ったら男メインがほとんどだが、本作は主役も敵もパートナーも上司も女性が占める。
それに引き換え男たちは…。チョーウザいフォード。だけど、それを演じたジェイソン・ステイサムが大金星。
いつもなら男臭く、カッコいいステイサムのヘッポコぶりが笑える。しかも自分ではスーパーエリートと思っていて、実際はチョーおバカ。あの“武勇伝”は本当…? 通常のステイサム映画なら本当だろうけど、本作では盛ってるね。
メリッサとの“口撃”も息の合ったもの。相手はドウェインだけじゃない。
ステイサムからこんなコメディの才が…! このキャスティングだけでも★一つ献上。
スーザンに協力する(ナンパばかりする?)現地エージェントも好サポート。素顔はどっち…?
序盤で退場してしまったジュード・ロウだけど…?
オバサンスパイの大活躍!
アクションも笑いもふんだんに。
内通者は…?
まさかの人物が…!
敵側も裏切り、裏切られ…。
話もテンポ良く、軽快で飽きさせない。
メリッサとは名コンビ、キャストの魅力も引き出し、ポール・フェイグのコメディ手腕は快調。
アメリカや世界中ではヒット。
にも関わらず、日本では何故未公開…!?
日本とアメリカの笑いの違い。ジュード・ロウやステイサム主演かと思いきや日本では今一つ認知度低いメリッサ主演であれこれ言う輩いそうで、まあ日本でヒットしたか?…と言われれば何とも言い難いが、見て損はナシ!
次なる“ミッション:インポッシブル”も期待。もう8年も経つが、待ってます!