「最も、スパイらしくないスパイ」SPY スパイ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
最も、スパイらしくないスパイ
ジュード・ロウにジェイソン・ステイサムが出ているスパイ映画なら誰でも本格的なアクション映画の期待に胸躍るが、なんと二人は刺身のつまだった。お刺身はメリッサ・マッカーシー、彼女とサンドラ・ブロックの「デンジャラス・バディ」がお下劣過ぎて酷かったので嫌な予感が襲ってきた。
ポール・フェイグ監督を知らない人が観たら詐欺だと騒ぐかも知れませんね。
どう間違ってもポール・フェイグ監督には007の依頼は来ないでしょう、だから自分で造ることにしたのでしょう。ただし正面きっての勝負は避けもっともスパイらしくないスパイを描くことにしたのでしょう。
ぽっちゃりのおばさんがジャッキーチェン顔負けのアクションプレイ、キッチンのフライパンさばきもお見事、女性ならではの格闘シーンとしてグッドアイデア、まさかヘリにまでぶら下がるとは、恐れ入りました。普段は内気で控えめだがやる時はやります、このギャップが堪りません、どこかキャメロン監督の「トゥルーライズ」のスパイに目覚めた奥さん(ジェイミー・リー・カーティス)の面白さにも通じますね。
アバンタイトルは本職のジュード・ロウに任せ、タイトルバックも007風の影絵、ロケもパリ、ローマ、ブタペストと本家顔負け、お馬鹿映画に予算をケチらないところが凄いですね。
ただ、デブいじりやセクハラもどきで笑いをとるのは頂けません、それにしても女性同士のマウンティングはセクハラより酷いですね。
ぽっちゃりキャラはマザコン男子には受けるのかも、性格の良さも相まって素敵に思えてきたから大成功でしょう。ラストの方で背高の相棒のナンシー(ミランダ・ハート)と並んで歩くところはスターウォーズ、R2D2と3POに見えました。エンドクレジットのおまけシーンも007風なのでしょうが最後のステイサムとの下ネタは要りませんね。こんなドジに徹したステイサムは初めて見ました。