この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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泣けて笑えてまた泣けた傑作
上映当初に少ない上映館から一人で観て、年明けすぐに戦中生まれの母と観賞する時には上映館に困らなくなっていたのが印象的…(苦笑)
映像のセンスがいいですね。ジブリで鍛えた片渕監督の作風にこうの史代さんの絵柄はピッタリだったと思います。本年末の完全版も期待してます。
見てよかった
戦争に関する映画ですが戦争そのものより当時の人々の生活が細かに描かれ素敵でした。
「この世界の片隅」ではこんなことが起こっているんだろうと思いました。
特に女性はきっとこんな思いで過ごしたのだろうと感じ、戦争により色々なものが奪われていく思いを感じました。
また、すず(のん)のほのぼのとした様子がとてもよかったです。
普通とは生きていくとは
観終わって、この世界からなかなか抜け出せなくて、それで感想をとりあえず書かなくてはと思って書いてます。
すずさんは普通なんでしょうか?
それにしてはあまりに幸せで、でも悲しくてやりきれなくて不幸で、でもやっぱり幸せで。
すずさんの生活を見ていたから、映画が終わってもすずさんがこの世界の片隅にいるような気がします。
やっぱり戦争ってむごいんだ、ということを描いているんだと思うんですが
広島の原爆資料館の展示も、一番むごいと感じたのは、原爆投下前のひとたちの普通の生活の写真で
ああそうだよな
生活があってそこにいきなり現れるのが空襲であったり原爆であったり
と改めて感じる映画でした。
すずさんは普通じゃなくて
というかみんな普通じゃなくて
みんなたくさん辛いことを乗り越えていってその先に普通があるんだと
これは戦争映画でもあり、私たちひとりひとりの映画はなのかなと思いました。
ずっと大事にしたい映画です。
原爆ドームを見上げつつ
ヤバイ。今日、原爆ドーム見上げつつ、悲しくてやりきれない聞きながら歩いてたら、泣いてしまった。
イデオロギー無きメッセージ。爆心地に残った唯一の建造物である原爆ドームの意味するところは、そゆこと。この映画と全く同じで。
だから、原爆被害の凄惨さを語るボランティア、あの赤い服着てる人達には、もうやめなよって言いたくなる8月某日、一年以上ぶりに二度目の鑑賞。
夫婦愛、家族愛の視点から
原作漫画:こうの文代氏
監督・脚本:片渕須直氏
気張らぬ風景の奥深さ、戦争の音と日常の鼓動の対比も
劇場の大画面と良音響で驚き映えますね。
混沌とした時代でも人は日常を積重ね生きて行く。
気構えさせない作風ながら広く深く細かな洞察からなる創り込みは片渕須直氏らしさ溢れるアニメーション映画と相成り、
情報量の多い作品、
観る方の視点により捉え方は変わって良いと思う。
いつの時代も、生きるとはこういうことだ。
反戦ものの体裁を取りながら、そういうカテゴリーを突き抜けて、「この世を生きるとはどういうことなのか」という普遍的なテーマに肉薄する類い稀な本物の名画と言って過言ではない。だからこそ、多くの人の共感を呼んだのだろう。未見の方は、一部の否定的なレビューに惑わされず、自らの眼で確かめてみることをお勧めする。
能天気に自分の運命は自分で切り開くものだ!とか、私は私の道を進む!とか、安易なポジティブ志向の人には全く響くものがないだろう。その反面、自分の置かれた場所で、自らの宿命に懸命に向き合っている人には、この上ない宝物になるだろうと思う。
新作も待ち遠しいです
公開から2年経っても、まだどこか日本のみならず世界の片隅にで映画館同士が上映を続けています。今年の8月6日には真木プロデューサー、片渕監督、主演のすずさんの声をされ俳優の、のんさんが広島の平和記念式典の後、同公園内で行われた旧中島本町の慰霊式にも参加されました。そして、すずさんの嫁ぎ先でもあり、西日本豪雨で甚大な被害のあった呉にも訪問し映画で得た興行収入から義援金を寄付されたとのこと。もともとクラウドファンディングで資金を集め、片渕監督がご自身の家族の生活費を削って手弁当でプロモーションするなどして作った映画が、多くの名だたる賞を取り資義援金まで納めることが出来るまでになるとは、誰が想像したでしょうか。満を持して12月に公開される新作もとても楽しみです。
良い映画…?
この映画は、過去の反戦映画と比べると、かなり"のんびり"している。のんびりしているのは主人公だけでは無い、周りにいる人間みんなだ…戦時中だというのに(笑)家族(すずや晴美)が空襲の犠牲になっても、いつまでも泣いたりしないし、そんな事があってもまた淡々と日常に戻って行く…そんな事がまるで無かったかの様に。
この人たちはたぶん、怒りや悲しみを静かに胸の内に秘めるのだ。
アニメ映画として、主人公すずのキャラクターも含め、とてもファタジックで面白い。ラストの孤児を広島から連れて帰って来るシーンなど正にそうだった。
しかし、ここで描かれている戦争は、"この世界の片隅"で起こった事なのだ。ファンタジーではいられない…ニオイがしないのだ、この映画には。
*2018年8月、シネリーブル神戸にて。のん舞台挨拶付き再上映会にて鑑賞。
幸せのありか
彩の国シネマスタジオの上映でようやく見ることができた。
評判がいい映画だったからか、この上映会で席がほぼ満席に埋まっていることも珍しかった。
原作、ドラマを途中まで見ているので、大体のあらすじを知っていたが、細かい部分ははしょっていても、後半に持ってきたりしていて、そうやって二時間にまとめたのかと構成の仕方に舌を巻いた。
すずさんのほんわかとした雰囲気に、戦時下の苦しい時期でも笑いの堪えない話になっていて、戦争の時期を描いた作品でも悲惨さばかりが目立つような作品ではなくて良かった。
周作とすずさんの嫌みのないラブシーンもどこか微笑ましかった。
一つ気になったのは、すずを訪ねて北条家にやって来た水原を周作は納屋に留まらせるが、そこにすずをやって鍵までかける。
原作をそこまで読んでいないから、分からないが、周作は嫁さんが一夜の過ちを犯さないのか不安ではなかったのだろうか?
それよりもすずのことを信じているからこそのことなのだろうか?
すずは水原の気持ちを受け入れず謝り、次の朝送っていく。
そして、結局習作と出掛けた時に列車の中で喧嘩してしまう。
周作は、すずの水原に対して気兼ねなく話す態度に苛立ちがあったようだ…。
鍵までかけたのに、結局気にしてるのって…💧
戦局が悪化していくなかで、すずが広島に帰ると言っていたときには、原爆に巻き込まれるのではとヒヤヒヤした。
すずが帰らず残って難を逃れたときはほっとしたが、結局すずの家族は巻き添えを食らっていたことは、悲しかった。
爆弾で、姪と右腕を失ったすずさんが、家に落とされた焼夷弾を一生懸命消そうとしてた姿と、玉音放送を聞いて、畑になだれ込んだすずさんの「自分は海の向こうから来た米や大豆で出来ているから暴力に屈しないといけないのか」と項垂れながらはいた台詞には、それまで明るかった話とは打って変わって、辛い思いが涙となって溢れた。
玉音放送を聞いたあとで対極旗が掲げてあったのがよくわからなかったが、原作ではアジア諸国への占領下への台詞が盛り込まれていたことがわかったが、アニメでは台詞が変わっていて余計に不自然に感じた。
ただ台詞は外国のことを一回の主婦だったすずさんが当時どこまで理解できていたのか謎ではあるので、映画の方が自然な流れではあるように感じる。
すずさんが生きた時代を一緒に生きた感覚。
永久保存版の傑作だと思う。
この広い世界と、これから先の時代へ、この映画を届けたい。
戦争映画なんてくくりではなく、これからの世界を考えるためにも、ぜひ、観て、語りあいたい。
のんびりしたテンポ。
童話チックな画風。
遠い過去に生きた”誰か”ではなく、ひょっとしたら、すぐそばで生きている、クラスメートにもいそうな”すずさん”が体験した出来事。そんなふうにかんじさせてくれるのんさんの声。
他の共演者の演技。
それでいて、監督がこだわりに抜いた時代考証と、原作に裏付けられる時代感。
時代に翻弄されつつも、その土地に根付きお互いを思いやり助け合いながら生きていく姿。
山間の一番外れにある家で暮らす人々。中央(政府)からみたら、”世界の片隅”だけれども、しっかりと人が生きていく姿を丁寧に綴る。
その愛おしい日常が、一瞬にして奪われる。
唖然とし、一瞬何が起こったのか戸惑う。
愛しきものの安否を求めさ迷う。
そして、事実を知った時…。
喪失感。
否認。
怒りとも微妙に違う慟哭。
それでも、日常は続き、生の営みは続いていく。
失った心を埋めながら。
様々な感情を抱えながら。
★ ★ ★ ★ ★
「戦争加害者としての責任」が描かれていない等の批判があると聞いたが、
あの頃の庶民はこんな感覚だったんじゃなかろうか。
思想統制・情報統制が行われていて、ほとんど家の周りの世界しか知らなかったあの頃。
実際に政府が何を考えて行い、世界がどうなっているのかも、わずかばかりに伝わってくる歪曲された情報をもとに判断するしかない。
情報をうのみにせずに、自分の頭で考えて行動することを訓練するはずの学校は、上からの指示に従うだけのロボットを作るだけ。
(反対に、自分の頭で考えた人の末路。)
軍事工場がどのような意味を持つのかも深く考えず、就職先ができた、格好いい戦艦が自分たちの力で作れたと喜ぶ。
思想統制・情報統制の影響で、悪い奴らをやっっつける尊いものを作っている感覚すらあるのだろう。
その一方で。
心では嫌々出征兵士を送りだす場面や、学校に行っても意味ないと、本当に生きていくために必要なものを見極める力が描かれる。
機銃掃射、焼夷弾、原爆投下等は迫力満点。観ているだけなのに、鑑賞者である自分が犠牲者になるのではないかという臨場感満載。
反面、亡くなられた方の様子、原爆被災者の様子は、さらっと書きすぎていて、その痛みは想像するしかない。
否、すずさんを襲った不慮の事故のあと、すずさんや義姉の苦しみ様はきちんと描かれているのだが、わかりやすく喚き散らして心情を吐露するとかの方法はとらず、時にイメージ的に表現され(直後の描写)、時に心を押し隠して態度・行動にでるという日本時的には”あるある”で表現される。
見方によっては、のほほんと、幸せに暮らしているように一見映る。
実際は、祖母に嫁入り道具としてもらった着物をモンペに直すとか(私だったら絶対嫌!!!)、家族が死ぬ、友達が死ぬ、お腹いっぱい食べられないとか、一緒に暮らしていれば喧嘩もするだろうけれど、それがかなわない夫婦とか、本来しなくていい苦労が次々に襲ってきており、その度すずさんとその家族は苦しみながらもユーモアで乗り切ろうとしているだけなんだけど。
ラストも、一見ハッピーエンドで終わるが、原爆症がどういうものかという多少の知識を持っている我々からしたらその後がとっても気になる。決してハッピーエンドではない。
それでも、
広島や長崎は復興したし、(だから福島をはじめとする被災地も復興するし)、
一緒に暮らす人を思いやりながら生きていけばなんとかなると、 この映画を見て思う。同時に、
戦争等の人災によるいらぬ苦労や悲しみは、二度と起こしてはいけないと誓いたくなる。
そして、
インターネットをはじめ、一方的に提供される情報だけを信じる怖さにも自戒せねばと思う。
童話チックな映画でありながら、こんな生活に追いやった状況に怒りを感じ、それでも、すずさん達の生きざまに希望を見る。
印象なんて、一言三言で済まされるものではなく、いろいろな思いが沸き上がってくる。
この漫画と映画に出会わせてくれてありがとう。
今を生きるこの世界の片隅から、生きとし生けるものすべてに、心からの感謝を伝えたくなる。
現代と戦中をつなぐ作品
戦時中の家族や暮らしを描くドラマや映画の多くは、登場人物に感情移入できないことが多かった。彼らの行動や描かれた心情が、自分のものとはかけ離れているように感じられたからだと思う。しかしこの作品は、現代人から見て「無理のない」心の動きと行動で戦時下の暮らしを描いている。
戦場から見た戦争の悲惨さ、地上戦、原子爆弾、空襲の恐ろしさを伝える映画作品は数多くあるが、民間人の若い女性の目から見た戦争像を描くのは斬新に感じられた。
「火垂るの墓」が子どもの目から見た戦争を描いているとすれば、本作品は民間人の暮らしに戦争がどう入り込んできたか、その過程をうまく描き出している。
戦闘シーンや残酷な映像を排除し、あくまでも人々の心情に焦点を絞り続けた一貫性もこの作品のメッセージ性を強めていると思う。
日本のアニメーションは素晴らしい
この作品の主な舞台である 広島県呉市
わたしの地元がここであるため鑑賞
一瞬で “描かれた街はあそこか”とわかる
“原爆”や“ヒロシマ”の話だと
ほとんどが広島県広島市に焦点が当てられる
しかし この映画では呉市が描かれている
そのため じぶんにとっては地元理解にもなった
能年玲奈(のん)の素朴な声が
感情移入を簡単にさせてしまう
爆弾による被害の描かれ方が今までにない
広い意味で だれでも観ることができる作品
本当に日本を飛び出して世界でも
永遠に観られ続けていてほしい
平和への祈り
観終わり、友とこの話題が出るたびに泣けてきた
今でも…思い出すと何故か右目から涙が出る…
この涙は、戦争に対する悔し涙なのか…
いや、周作とすずのピュアな夫婦愛に共鳴するのか…
12週連続してトップテン入りしているだけある中身の濃い名作です。
市井の人々は戦争に巻き込まれ振り回され…
哀しみだけが残る…
でも、ひたすら前を向いて生きなきゃいけない。
こんな理不尽な事は、二度とあってはならない…。
すずの心が壊れたシーンが辛かった…
どれだけ心を亡くした生活を送ってきたかが
延々と描かれています…
でも、すずの嫁いだ家族や夫との温かい思いやりに心が洗われます…
広島の呉市には昨年、夫と「大和ミュージアム」に行った経緯があり、
広島港から船で渡ったのですが…
自衛隊の船が何隻も間近に見え、
美しい海との対比を強く感じました…
この名作から
平和な世の中の今、日々に感謝し強く生きなさい
との温かいメッセージが聴こえます…
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