この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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ずっと心に残る
見終わって様々な感情がずっと心に残っています。あまちゃんでファンになった能年さんに再び活躍の場が与えられたことを嬉しく思いました。戦時中の何気ない日常とリアリティ溢れる空襲シーンの対比。貧しいながらも助け合って懸命に生きていく人たち。戦争のない豊かな時代に生まれたことへの感謝。実写よりもCGよりも心に訴える温かみのある背景画。あの時代にタイムスリップしたような感覚。すずたちの暮らしをずっと見続けたい気持ち。苦しい時代にあっても笑いやユーモアの気持ちを忘れない逞しさと大らかさ。途中号泣しそうになりましたが堪えて、最後はとても暖かい気持ちになれました。アニメか実写かに関わらず、ずっと心に残る映画となりました。2時間はあっという間でした。是非映画館で見て欲しい映画です。
戦争と暮らしを身近に
ウワサ通りの良作。 戦争映画はたいがいイデオロギーを主張するものですが、 この作品には、そういった押しつけがなく、 演出・作りも丁寧でリアルな描写でわかりやすく、 高品質。 のんさんの声が、主人公にぴったりはまって 没入します。 終演後、みなさん感涙顔。 のんちゃん再浮上のきっかけになればよいな。
初めてのレビューです。黙っていられない!
地方都市に住む自営業67歳・自称かなりの映画ファン 観た当日/ 観終わったときは興奮状態。拍手をしそうになった。恥ずかしいので躊躇。映画.comでみなさんのレビューを読む。涙が止まらず。 次の朝/ 早めに目が覚め、”この世界の片隅に”いろいろなシーンが思い出され枕が涙で・・・ その夜/ "この世界・・"をみんなに薦めている夢を見る。 その後/ パンフを買いに行ったが売り切れ。今日入るかも・・・ってことで再館したが空振り。 見終わった直後よりその後の方が感情が高まりどうにも我慢出来ない。 映画についてはみなさん絶賛されているので省きます。 メジャーな配給会社も、大手スポンサーも扱っていないため極端に上映館が少ない。 当地は、地方都市ですがシネコンが2館。マニアックな作品は近隣の県まで行くこともしばしば・・。たまたま近くで観られたのは奇跡!感謝です。観たくても無理な方多いのでは! こんな状況で良いんですか?映画関係者!
いい映画に出会えました
毎週一本は映画を観に行っています。その中でも久しぶりにいい映画に出会えたなという感じがしました。 戦争っていうすごく重いテーマなのに、主人公の子供のような性格と優しいタッチの画でほのぼのとした気持ちにさせられました。 初めは可愛らしくてヘマばかりしていた主人公が成長して大人になっていくのがなんとも切なくて。 でもほのぼのとした場面だけではなくて、空襲時の防空壕の中のシーンでは戦争というものをとてもリアルに感じました。 僕は中学生です。戦争とは全くの無縁な生活をしています。でも生まれたのが数十年早かっただけの僕と同じくらいの歳の女の子が戦争の中にいます。 今では当たり前のことが当時はそうじゃなくて、逆もまた然り。戦争ってこういうことなのかととても深く感じられました。 また、劇場内には高齢の方も多くいて、その方達のすすり泣く声が聞こえてくる度に「ああ、この人達もこんな経験したんだろうな」と思って余計感動が押し寄せてきました。 素敵な時間をありがとうございました。
すずの声と絵がはまりすぎ
最初の一言で、のんの声がすずの声だと思えた。 すぐに映画の中に引き込まれ、優しい絵にも心が暖かくなり、幸せな気分になれた。 戦争の場面になリ、すずの大事な人々が倒れていく所は胸が苦しくなったが、戦争が終わり、橋の上の場面で、救われた。 この映画を見て改めて思ったことは、 自分にとっての良い映画とは、 次の内容を満たす映画だということ。 それは、 外から見ているのでなく、 映画の中に入っていける映画。 頭で考える、理屈ではなく、 心が震える、感情が動き出す映画。 この映画は自分にとって、 今年、一番の映画です❗️
淡く 儚く たくましく。
戦争がすぐそばにあった土地と、時代に生きたすず。「黒い雨」「はだしのゲン」「火垂るの墓」・・・、戦争や原爆、市井の子供や若者を扱ったものは数あれど、この漫画のもつエネルギーは、それらにも負けない力強さがある。そのくせ、水彩画をベースにした物語のトーンは淡く、思い通りにいかないはがゆさは儚く、主人公然としたキャラではないくせにたくましい。当時の日本人の価値観や生活様式の描写も丁寧だった。「不発弾の時」のパチパチや、「右手の状態」を知ったすずの脳裏で反響した声や、病伏の妹の腕のアザだけで見せる原爆の末恐ろしさなど、表現が上手い。(ただ最後まで、のんの声には馴染めなかったが) この映画に魅せられた人には、是非とも、続編ともいえる『夕凪の街 桜の国』を一読されることをおススメしたい。登場人物は全く別だが、戦後の広島に生きた一般の人々の静かな憂いに、胸を焦がされることでしょう。
戦争
描かれているのは戦時中の日本の広島の呉。その日常と生活。日本人ならこんな時代があった事を忘れてはいけない。 それでも日本人は逞しく生きてきたのだから。 今は平和なのだろうか。爆弾が落ちてこないだけじゃないだろうか。とも考えさせられました。
ラストのラストで
色んな感情が込み上げてきました。 当時は戦争を共有、今は平和を共有して生きてる訳ですけど人の繋がりって今も昔もそんなには変わってないんじゃないかとなんとなく思いました。 人間てしたたかで逞しいって思います。 今だって辛い目にあってる人や、沢山人も死んでるし 戦時中だって、恋もあり楽しい事だって沢山あったでしょう。 でも、やっぱ飯が食えなくなるのは駄目だな。 そういう時代を創っちゃいけないなと 絵柄は可愛らしいですが、描写も細かくて歴史の資料としてみるのもいいんじゃないでしょうか 良いもの観ました。
すっかりおっさんですが、そのおっさんのお婆さんお爺さんの時代の物語...
すっかりおっさんですが、そのおっさんのお婆さんお爺さんの時代の物語です。淡い映像がずっと頭の中に残ります。なんなのかこの余韻は!一人での鑑賞でしたが、恋人と観る映画です。優しい人しか出て来ません。
戦争という名の狂気と日常
舞台は、広島市と呉市。両市の描写については、多少の残念な描写があったが、戦前の両市を知っている方ならば、満足できる描写だと思う。淡々とした日常に戦時中という非日常が影を落とし、生活が苦しくなっていく描写は素晴らしい。特に呉が軍港であったため、他の都市よりも金さえあれば、闇市で当時の贅沢品が買える描写は、特筆に値する。 まあ、戦争中という悲惨な情景(空襲や原爆投下等)よりも、すずの日常が主の描写なので、空襲や原爆投下の描写が薄めに描かれているのは仕方ない。むしろ、食料や、衣料品が乏しくなっていく描写をもっと多く描くことができればよかったのではないかと思う。 最後のシーンで、原爆孤児を呉に連れて帰る夫婦が描かれているが、中途半端な感じなため、私的には蛇足感を感じた。原爆孤児を呉に連れ帰る描写より、すずの実家を襲った原爆被害の描写を丹念に描いてほしかった。 最後に、この映画は、戦争を経験したお年寄りより、若い世代の方達に観てほしい。多分、戦争の追体験ができるのではないかと思う。 余談だが、今年の映画は、先の戦争を題材にした映画が多く感じられる。
いろんな感情の渦
丁寧に描かれた絵の隅々にあの日の記憶がよみがえるような作品。 あの頃に居なかった自分だが、そう思わせてくれる作品。 一回目、戦争時の情報も目まぐるしく頭にあり、ストーリー展開も早く時折り涙も出、見終わり感想を書くのが難しい。二回目でやっと頭の情報整理が出来た。映画前に広島、呉に行って見た景色を映像で見れたことも感動。確かにそこに住んでる方々が見られたらと思うのも涙する。 一回目は、エンドロールにクラウドファンディングに参加した人の名まえを見て泣いた感じ。沢山の人がこの映画を見たかった、その人数に圧倒される 二回目では、冷静になってED時は例のあの画像をしっかりと瞳に焼き付けるように見た。 すずと周作の関係の描き方が良い。ほんわかするし、笑えるし。 泣かせる映画では無い。涙は自然に出るもの。 各自の経験値、作品への思い入れで涙が出るのだろう。
傑作
そう言って憚ることはないと思う。 今作は原作がとても良いので、そうすると映像化作品に対しての評価は往々にして低くなりがちだが、まったくもって素晴らしいものになったと感じた。これだけ原作を損なわず、なおかつ映像化することで人物描写や戦時の疑似体験を可能にして作品のテーマを昇華していると言える。 こうの史代、片渕須直、そして何と言っても能年玲奈。これらコラボによって今作がちょっと奇跡的な仕上がりになったが、その最大の理由は能年ちゃんがすずを演じたことに他ならない。自分がそう感じられることに感謝したくもある。 メタ的にも彼女以外はプロの声優たちであり、それが呉でのすずの立場に相似する。しかしそこで寄り添えるかどうかに関わらず、声優然としていない能年ちゃんの演技がなければアニメ版のすずはあれほどに魅力的では無かっただろう。可笑しくて悲しくて、凡庸でありながらときにたくましく、また弱さを見せるが内面には激しさがある。 それにしても今作は実際のところとんでもなく情報量が多い。 原作の上中下3巻をほぼ網羅した内容で、そのテンポ感が娯楽性に寄与している。それでもしっかり染み入ってくるのは細かな配慮があるからだろう。それは片渕須直の力量であるのだが、あの原爆投下の描写はこうの史代の原作マンガが極めて優れていたので映像化するとあの素晴らしさは失われる。あえてリアルに描いたのは今作で一貫している戦闘シーンの精緻さと整合しているので何の問題もないが。 まあとにかく泣けました。頭が痛くなるくらいに泣けました。多くは語られなかったが最後に見えてくるリンの物語や、あの孤児の成長など、これでもかとたたみかける126分。再度観るときは音響の良いところを選びたい。
太平洋戦時下の広島呉市が舞台。 戦争のアニメというと「火垂るの墓」...
太平洋戦時下の広島呉市が舞台。 戦争のアニメというと「火垂るの墓」を思い浮かべるが、あれ程の救いの無い悲惨さはないです。 当時皆んなそうであった若くして呉市に嫁いだ主人公「すず」。絵を描くことが好きで少し天然のほんわかした彼女の目線で、戦時下という非常事態でありながら、女性目線による日常が笑いを交えてやっぱりほんわかと描かれます。 このすずの声を「あまちゃん」の能年玲奈から改名した「のん」が演じてますが、このキャスティングが見事にバッチリでした。 物語の後半、すずの身に衝撃的な事がおきます。観ていた自分も思わず「エッ」と声が出てしまいました。 とにもかくにも沢山の皆さんに観てもらいたいたい良作に出会えました。 ただこの映画、CMやTVの映画紹介でほとんど取り上げられません。これは製作にTV局や大きな広告代理店などが関わってないからかもしれません。またはのんの元事務所の圧力〜というウワサもありますが… また協賛企業が少ない為か「クラウドファンディング」により制作費を募って完成した映画です。 ただこんな不利な状況にもかかわらずSNS等クチコミ的に評判は広がってるみたいです。 自分の地元静岡では東宝会館でしか上映してません。コトリンゴの唄も迫力の音響も素晴らしいです。上映終了しちゃう前にぜひ劇場で観て欲しいです。
凄すぎ
とうとう観てしまった感じ?身体に刻みつけられた感じ?知ってるつもりだったけどあらためて思い知らされた感じ。最後まで楽しく笑えるのに楽しかったと言えない感じ。何言ってんだか自分でもわからないです。 観るしかないですよ。
劇場で観るべき生まれながらに古典の傑作
生まれながらにして古典の風格を持つ日本映画の傑作。評論家の清水節氏の表現がそのまま当てはまる。見初めて直ぐに作品の薫香に引き込まれ、見終わった後には溢れ出す感情に言葉を失う。生きていることの幸せを思い涙する。そんな映画であって、言葉に置き換えて説明することすら困難だ。 物語は、戦前・戦中の広島/呉。広島出身の漫画家・こうの史代さんの傑作漫画を原作に、「マイマイ新子と千年の魔法」などの片渕須直監督が史上最高額のクラウドファンディングの支援を得て映画化した。 主人公の少女・すずは、気持ちの優しい、絵を描くことが好きな、ちょっと空想癖のある女の子である。18歳で請われて呉にお嫁に行く。戦時下、生活が厳しくなる中、すずは前向きに暮らしながら、夫周作との愛を育んでいく。そんなすずの下にも、戦争の暴力は容赦なく迫る…。 物語の前半はすずの生活が丹念に描かれ、ユーモアも溢れてる。戦時下であっても、日々の生活は続くのであり、大切なのだという忘れられがちな面を思い起こさせ、会場は笑い声が起こるほどだ。それだけに戦闘が苛烈になった時は締め付けられる気持ちになるが、全部見終わった後には泣きながら多幸感に満ち溢れてしばらく動けなくなるという、そんな映画だ。 なぜこの映画に涙し、感動するのか。なぜ古典と呼ぶのか。作品は安易な言葉への置き換えを困難にするが、それではレビューにならない。あえていうなら、作品は人間の真実に触れており、そこが観ているものの魂の一番柔らかいものに触れるので、私たちは涙するのだろう。シェイクスピアにしろ、源氏物語にしろ、ホメーロスにしろ、どれも人間の真実に迫るから古典なのだ。 いやいや。やっぱり説明になってない。あえて言語化すれば、次の通りだ。 1. 原作の世界観と人物像が素晴らしい。まずは原作の力を挙げておくべきだ。登場人物はどれも普通にいたような人たち。嫉妬もすればけんかもする。でもユーモアを持ってそれぞれのリアルが描かれ、最終的にはどの人たちも愛おしくなる。例えば最初はすずに冷たくみえた人物も、その人なりの人生があることが丁寧に描かれている。だから観終わった後に、観ている方には愛が溢れるのだ。 2. アニメーションが素晴らしい。原作でも丁寧に描かれた広島や呉の風景が、片渕監督の徹底したリサーチによって克明に描かれ、鳥や昆虫まで描かれてる。観ている方はその時代にタイムスリップしたようになる。更に、人物の動きはゆっくり滑らかに、実際の人物のような動きをする。これは通常のアニメなら中割りを抜くところを加えているからで、アニメーターの負担は大きいが、観ている方は実在の人物のように受け止める。この高度なアニメーションを是非堪能してほしい。 3. サウンド、音楽が素晴らしい。音響はこだわり抜いていて、微細な風の音から爆撃機の爆音までリアルに再現されている。監督の追求したリアリティは、視覚と聴覚の双方を極めてる。また音楽のコトリンゴは、囁くような歌声がすずさんの優しい存在感とマッチして、絶妙な効果を生んでいる。ある意味で「もう一人のすずさん」だと、監督は述べている。 4. 生活の丁寧な描写と、戦闘シーンが同じレベルで再現されている。これも監督の言葉だ。丁寧に描かれてるから、引き込まれるし、それだけにリアルな戦闘シーンのアドレナリンと恐怖が引き立つ。なお監督は、宮崎駿監督とも協力した大のミリオタで、戦闘シーンが凝りまくってるのは言うまでもなく、そのシーンも魅力だ。 5. のんが素晴らしい。女優のんにとって、声優での表現は難関であったようだが、すずさんという人物像に迫るアプローチを極め、すずさんを「演じる」のではなく、すずさんを「生きる」というレベルまで達している。その結果、その声は作ったアニメ声でなく、確かに「のん」の声なのだが、同時にこれが「すずさん」の声だと皆が思うのである。少女から人妻となり、戦争を経て大人の女性になるところまできっちり「すずさん」になってるのだ。監督がリアリティを求め続けた中で、これだけの再現をしたのんの演技は、映画に不可欠なものだったと断言できる。 6. 一方他の声優陣も素晴らしい。夫周作を演じた細谷佳正は、抑えた優男ぶりと夫婦の掛け合いに萌える。一方小野Dは、すず幼馴染の哲を骨っぽく演じた。義姉径子を演じた尾身美詞も、複雑な役を魅力的にした。子役の稲葉夏希も、今回も可愛らしさで物語に重要な役割を果たす。全て書ききれないが、いずれもベテランの声優や舞台俳優などで、技量はもちろんハマリ役を演じた。 書き連ねたが、言葉では映画の魅力は書ききれない。是非劇場で体験してほしい。
暗黒時代を工夫して生きる!!
萌えではない親しみやすい絵柄、生活描写に徹した物語、更に明るく気丈に振る舞う主人公を演じる「のん」の持ち味が絶妙にマッチして、良い味わいの映画になっています。現在も政治が酷く、すずが生きた時代と国民に犠牲を強いる政府は何ら変わらないと思います。
なんだろう、感想が難しい名作。
「感動した」とだけではあまりにも薄い感じがする。間違いなく心を動かされる映画だった。自分は所々で薄っすら涙したのだが(あくびした時ぐらいな感じ)笑いもあった。すずさんみたいな人と一緒に居られたら良いだろうなぁというホッコリする気持ちもある反面、悲しくなるエピソードもある。笑顔も悲しみもまだら模様といったところ。超名作トラウマアニメ映画「蛍の墓」ほど辛く悲しくなることもないが、ちょっと言葉に難しい鑑賞後感がある。 本にしろ映像にしろ音楽にしろ、喜び悲しみ辛さ憧れ寂しさ楽しさ怒り諦めなど様々な感情を同時に引き起こさせる作品は間違いなく名作だと思っているのだが、この映画はまさしくその通りだった。 なぜなんだろうか、映画館から家に帰るまでの道すがらの往来の人々を見て、そんなに悲しくもないはずなのに涙が出そうになることが何回もあった。 刺激の多い日常を送っている人や、日々のテンションがモロに仕事に影響する人にはあまりおススメしないかな。結構後を引きますので。 毎日同じことの繰り返しで生活に刺激が少ないなぁと思ってる人、おススメです。 エモーショナルとしか言いようがない。感想が難しい。
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