この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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戦争映画と思ってみると、面食らう。観終わった後、戦火よりもすずさん...
戦争映画と思ってみると、面食らう。観終わった後、戦火よりもすずさんという1人の女性の生活が頭の中に巡る。これは日常の映画だから。戦時中の日常の映画なのだ。戦争の最中でもご飯は食べるし恋をするし皆んなで笑う。その背景で確実に生活を侵食してくる戦争の姿が恐ろしく、とてもリアルだ。そんな中でも生活し続けるすずさんの姿に涙が出てくる。是非すずさんの日常を覗きに映画館へ足を運んで欲しい。
凄い凄い
戦争映画だと思った。ら、違ってた。
なんだ、今の私たちの話じゃないか。
おそらく片渕監督自身もこういう人なんじゃないかと勘ぐってしまった。
ものすごく内向的で不器用で、なんとなく愛されキャラでえへへと笑うとみんなが許してくれる。
ほんとはそんなの嫌に決まってんじゃんね。
ひどい目に遭ってもえへへと笑えるその仮面の向こうでどんだけ泣いたと思ってんだよ。
亡くなった清志郎の歌の歌詞に大人になれば誰でもふたつ以上の顔を持ってるというのがあった。
これはそういう話だ。
ヒーローになりたい、ヒロインになりたい。でもなれないってみんなのための映画だ。
ものすごくエゴイスティックにそれでも自分がここにいる理由を渇望した結果また、えへへと笑わずにはいられなかった人がどんどん転んでいって、まあいっかって笑い声が通用しなくなるってそれでも笑って済まさなきゃいけないって話だと思った。
とにかくすごい。
強く生きなきゃと思わせる作品
余韻がすごい。
映画を見てる間はぼんやりとしか感じていなかったものが、鑑賞後じわりじわりと押し寄せて、帰宅後の布団の中で気づけば泣いていました。
話の展開が不意打ちすぎるのです。
戦時下人の死は珍しいものではないとは思うのだけど、あまりにも唐突に人がなくなってしまったり、来てほしくないタイミングで唐突に幸せがやってきてしまったり。
「ここは泣き所!」みたいに見せ場をわかりやすく演出として提示された映画ではなかったので、映画の印象を端的に言い表せないのはそのせいかなと思います。
ただそのドラマチックでないリアルな話の展開が、主人公すずさん達が必死にひたむきに生きていく様を、うまく見せていたんだと思う。
今の時代、本作に比べれば平和極まりなくて、物も豊かでなんでもあるけれど、平和だからこそ必要以上に将来を不安視して、必要以上に多い選択肢に迷ってしまったりしたりして、僕自身もそうであるんですが。
昔も今も、どんな境遇であってもどんな環境にいても、¥やっぱり生きることって大変なんだと思う。不意打ちのように運命は変わるし、その運命を自分から変えることは中々に難しい。
そんな中でも、ひたむきにひたむきに前を向いて生きていくすずさん達の姿は生きるエネルギーというか、僕自身が強く生きなきゃと思わせられる力強さみたいなものがありました。
感想もまとまりがないものになってしまったけど、すごくいい映画でした。2回目観に行こうかな。
原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時か...
原作は未読だったのですが、以前クラウドファンディングをしていた時から気になっていたので見に行きました。
ジブリ以外でこんなに素晴らしいアニメ映画を見たのは初めてではなかろうか、というのが第一印象です。
まず思ったのは、戦争の時代をこう描くことが出来るんだなぁということでした。戦争のことを描いた作品は、戦地での戦闘や悲恋などドラマチックなものが多いですが、この作品は本当に世界の片隅の日常がメインです。
主人公はすずという女の子ですが、彼女はとにかく普通で現状に甘んじることも怒ることもなく淡々と生きています。それはボーッとした性格故なのかもしれませんが、自分がもしあの時代に生きていたら、と考えるとなかなか出来ることではないと思います。
生き長らえた人は生きていくしかないんだなぁという…しかしその生きていくしかない、という気持ちが何より大切な時代だったのでは、と。
ただ最後にはずっと抵抗しなかったすずちゃんの感情も爆発気味になりますが…。
そのメリハリが本当によく描かれています。
広島と呉の街並みもよく再現されているのだろうなぁという感じで(実際見たことはないんですが…)、作画も丁寧でアニメとしての完成度も高い作品です。アニメだからこそこれだけあっさりと描けているのだと思います。
未鑑賞の方にはぜひお勧めしたいです。
すみませんが、この評価です。
お涙ちょーだいの戦争映画であまり無く、全体的にホッコリして終わる映画でした。
戦艦がメインに滞在している場所、呉を題材にしてくれた事に戦艦好きとしては感謝。
すずさん役ののんさんも素敵でした。
東日本大震災を経験しているので、映画に出てくる連日の空襲警報シーンが、余震の様にトラウマに感じました。
米軍の空爆、空襲シーンも、アニメ史上最大のリアルでは無いでしょうか。
戦争に直接参加していない地元の人々(特に奥様方)の生活が、超マジメでも無く、またリアルです。
良い事上記に並べましたが、私的にはこの評価です。(高評価している人ごめんなさい。)
昨今のアニメブーム、ましてや戦争アニメが無かったせいもあり、(言い方悪いですが)平和ボケで絶賛している方が多いと感じます。(悪口ではありません。皆様が今置かれてる状況にて観方、感想が変わる言う意味。)
戦争ドキュメンタリーを多く観て、色々な人の死にざまを観、生き残った人々の言葉を聞き過ぎてるせいか、もっと訴えかける「何か」が欲しかった。
玉音放送シーンにあったすずさんの本音の涙ながらの言葉の様な「何か」が、もう少し入っていれば、、、
(その後すぐ、闇市にてアメリカのおいしい残飯を食べて、何もなかったかの様なすずさん達の姿はリアルでしたが)
逆にあまり訴えかけないから、このタイトルなんでしょうか?、、、、。
いい映画ではありますが、私としては一度観るだけでいいかな?と言う理由でこの評価です。
すばらしい
自分はアニメ作品は全く観ないのですが、この作品の背景が気になって観てきました。
すばらしい映画です❗
太平洋戦争の大変な時代なのに、そして悲しい事がたくさんあったのに、ほがらかな気分にさせてくれました。
オススメです❗
まったり感が良い‼︎ 苦しく厳しい時代なのに すずの ほんわかに癒...
まったり感が良い‼︎
苦しく厳しい時代なのに
すずの
ほんわかに癒されちゃう
不思議な感じ...
能年玲奈改め「のん」の
たどたどしい声が
ボーってしてるすずに
ぴったりだったと思います。
貧しく辛い生活も
和んで見えました。
背負いきれないやるせなさ
第二次大戦の戦中から戦後の国内の庶民の生活を描いた映画だ。広島市の江波地区と呉市を行き来しながら物語が進む。
同じ設定で真っ先に思い出されるのは新藤兼人監督の「一枚のハガキ」(2011年)だ。ヒロインを演じた大竹しのぶが「つかあさい」という広島弁を使っていたので、やはり広島県が舞台だったと思う。山奥の村には戦争の直接的な被害はやってこないが、村の男たちが一人、また一人と兵隊にとられ、そのたびに村人たちが「勝ってくるぞと勇ましく」ではじまる「露営の歌」を歌って送り出す。働き手を失った村は徐々に疲弊して、他との行き来も殆んどなく、ほぼ自給自足、最後はただ生きているだけの生活になる。
山田洋次監督の「小さいおうち」(2014年)も、やはり戦前から戦後までの庶民の生活を描いた作品だが、こちらは戦時下の不倫や、庶民がいつしか国家の大義名分に精神までも侵されていく様子を描いたドラマだ。戦時下でも普通の暮らしが続いていたことをこの映画で初めて知った。主演した黒木華がベルリン映画祭で銀熊賞を受賞したのは周知のところである。
降旗康男監督の「少年H」(2013年)も同じく戦前から戦後の国内の家族を描いた作品で、主演の水谷豊が、国家の大義名分に踊らされないリベラルな精神の持ち主を好演していた。
今年になって日本で公開されたアメリカ映画「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」もやはり太平洋戦争の末期におけるアメリカの小さな町の庶民の生活を描いた作品だ。
パッと思い出すだけでも4つの作品がすぐに浮かぶくらいだから、第二次大戦時の庶民の暮らしを中心に描いた映画はまだたくさんあるかもしれない。
これらの戦争映画を観て了解するのは、庶民にとって戦争は天災地変と同じようなものだということだ。敵も味方も理念も大義名分もイデオロギーもない。
だんだん生活が苦しくなり、周りの男たちが戦争に駆り出され、学校は教練所となり、庶民はいろいろな役割を与えられる。そしてある日たくさんの飛行機が飛んできて、爆弾を落とし、家が燃えて家族が死ぬ。友だちが死ぬ。誰も助けてくれない。やるせなさで胸がいっぱいになるが、黙って涙を流すのだ。
或いは、遠くの国で新型爆弾がうまく爆発して甚大な被害を生じせしめたことを知る。やったと思う。しかしあまりにもたくさんの人が死んだことを知って、やるせない気持ちになる。
この映画の主題歌としてコトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」は詩人サトウハチローの歌詞に自殺した加藤和彦が曲を書いた名曲だ。コトリンゴのとても落ち着いたミックスボイスが「悲しくて悲しくてとてもやりきれない このやるせないモヤモヤをだれかに告げようか」という歌詞を際立たせる。この歌の「やるせない」という歌詞がこの映画のキーワードだと思う。
庶民にとって戦争はあまりにも理不尽だ。かといって誰を責めたらいいのか。自分自身だって、ついこの間まで大本営発表に日の丸を振っていたではないか。誰も責められないのかもしれないが、不幸の重荷は確実に自分を待っている。主人公すずが敗戦を告げる天皇のラジオ放送のあとで慟哭する姿は、「一枚のハガキ」の大竹しのぶが慟哭したのと同じで、行き場のない悲しみと苦しみを抱えすぎて、叫ばずにはいられなかったのだ。夫から「すずはこまいのう」とつくづく言われるほど小さなすずの肩に、言葉にできないやるせなさが重くのしかかる。やるせない、兎に角やるせない。
呉の空襲、焼夷弾や時限爆弾、8月6日午前8時15分のリトルボーイの爆発、天皇のラジオ放送と、我々が知っている通りに物語は進む。映画の中ですずが描いた広島県産業奨励館の絵が何度も出てくる。それが原爆ドームになってしまうのは、知っていても胸が痛くなる。
たくさんのものを失くしてしまったすずだが、いまは思い出の橋の上にいる。映画の冒頭で子供のころのすずが、ある男性と出逢った橋だ。その男性と一緒にいる。いまはすずの夫だ。賢くて心の広い夫だ。背負いきれないほどのやるせなさを抱えたすずを、夫の愛が優しく包む。映画の最初から、すずはずっと夫の愛に包まれていたのだ。
絶賛されるほど?
決して嫌いではないし、悪い映画じゃないと思うのですが、絶賛されるほど?というのが正直な感想でした。
映像で感情を表現する方法としては好きなシーンもあったし(ウサギのシーンとか)、人物造形も独特で、芸術家ってこんな人達なのかな?と思って興味深かったですが…
一人の女性の生き方としてはごく伝統的なあり方だし、それを描きたいだけなら戦争を舞台にする必要ないし、反戦の主張がはっきり打ち出されている印象もなく…戦後これだけたってから映画にした意図もよくわからず…
細かいところまで気を使って、丁寧に作られた映画なんだなというのは、とても伝わりました。はい。
良かった
色々な言葉が思いついては消え結局「良い映画だった」としかこの映画を表現できません。
悲しい舞台だけど決して悲しいだけの映画ではなかった。寧ろ笑ってる時間の方が長かったです。
でも家で観たら号泣するだろうなあ(笑)
何かが溢れ出して来る
観ている途中で、自分の中で何かが溢れ出して耐えきれないくらいに良かった。
また私は土地柄、本土での戦争の読み物やアニメ等をほとんど観たことがなくて、そういう意味でも今日この映画を観ることができて本当に良かった。
地元では上映している映画館が一つしかなく、周りでも評判を聞かなかったけれど、満席に近いくらい人が入っていて嬉しかった。客層が幅広かったのも印象的。地元では珍しくパンフレットも売り切れていた。もっともっとたくさんの人に観て欲しい映画。
応援しています。
開いた口が塞がらない。
見た後にしばらく言葉が発せないっていうのは初体験で、号泣するわけでも、激しく心揺さぶられるわけでもなく、じんわりとぶわ〜とこころに広くしみていく感じ。戦争映画というよりは戦争のあった時代に人が生きた、その日常を描いていて、笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだり、傷つけあって支え合って、強く生きていく。
主人公のすずは面識のないひとのところへ嫁いだり、えんぴつが買えなかったり当時の日本の背景がよくわり、嫁いだ先でなんとか楽しく生きていくすずの姿もまた強い人間らしさがでていた。
面白いとかつまらないとかそういう言葉じゃ感想は語れないし、評価もつけていいものなのかわからない。ただこころに深く響く作品だった。
日常と非日常
観てよかった。
海軍の街、広島の呉が舞台。
そこにも広島の悲劇はあった。
家々からごはんの準備をする煙が立ち上る日常生活の中に入り込んできた戦争という非日常は、いつの間にか日常となる。どんなに悲しくても辛くても苦しくても悔しくても絶望しても、命ある限り行きていくための生活は続いていく。狂えたら、頭がおかしくなってしまえたらどんなに楽だったろう。広島、日本に限らずあの世界に生きた人たちは。
すずの「ずっとぼんやりしたまま死んで生きたかった」という言葉が本当に胸に突き刺さって悲しい。
何とか生きていくこと、それが市民の戦争だった。
たくさんの人に観てほしい作品です。
この後のすずの人生に、少しでも多くの小さな日常の幸せがあったならばいいなと心から思います。
不思議と
戦争は知りません、決してハッピーエンドとも言えない、けれど不思議と胸に込み上げるものがあり、自然と頬をつたうものがあった。何故だろう?お話事態は淡々と紡がれていくだけのに...
聲の形やこういう作品は大切にしていきたい。
つつましさとわびしさ。
戦争は、弱者に襲いかかる現実!
そんな状況にも日々の小さな幸せを紡ぎつつ、そして慎ましく逞しく生きていく主人公。のびんびりしている主人公だからこそ 戦争での悲惨な出来事とのギャップになんともわびしさを感じる!
でも!スクリーンに繰り広げられる映像はとてもきれいで優しい!さらに 声優初挑戦の'のん'のほんわかした雰囲気がなんとも癒しをもらえます!
是非ご家族で見てもらいたい秀作だと思います。
見てよかった
どのシーンも大切で、人の優しさと温かさと強さと面白さを持っていて、ずっと映画の世界に引き込まれていました。
最後になるにつれて、勝手に涙が出てしまいました。
戦争映画だからハッピーエンドってことはないだろうけど、ここに出ている人は誰も死なないでっていう気持ちになりました。
辛くても前を向いて生きる姿が、とても柔らかく美しく描かれていて本当に感動しました。
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