この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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厳しい戦時中を生き抜いた一人の女性の半生
戦争に関する映画は若い学生時代に観た[蛍の墓]という映画でかなりつらいショックを受け、長い間観るのを避けていましたが、知人の勧めで久しぶりに戦争に関する映画を観ました。戦争映画は人が多く死んで、つらく悲しい映画が多いですが、この映画はそれらの通常の戦争映画とは一線を画す映画だと思います。1910年代から1920年代経て、日本の太平洋戦争はじめから終戦、敗北までの時代が、広島に住む一人の女性の半生とリンクして描かれています。主人公のすずさんという若い女性はとても穏やかでやさしい女性です。十代の若さで嫁ぐことになり、そこで健気に夫や家族につかえる様子が描かれています。戦時中の空襲や防空壕で過ごす様子など戦争時に生きた人々のいきる様子 は戦後に生きる時代の人々に強いメッセージを投げかけているように感じました。すずさんの人生を通じて我々はなにかを学ばなければならないと思います。
内容は凄く良かったです。
涙が止まらない。
ただ、声優がプロじゃないのが、残念でしたので、⭐️3ですね。
18歳の時の声と子供の時の声と変えることすらできない素人じゃ、感情表現の声の出し方も出来ない素人じゃ、作品の良さを消してしまう。
そこが本当に勿体なかった。
悲しくてやりきれない
大人になって「やりきれない」と思う事が多くなりました。若い時は困難は努力でどうにか出来るものだと思っていました。でも、世の中にはどうにも出来ないことがこんなにもたくさんある。悲しいけど受け入れるしかないんだと。
初めて観た時(コロナ前)は、戦時中なのにほのぼのとした世界観や昔の人らしくない温かな人々に惹かれ、そちらの方に注目が行きました。
二回目をコロナ真っ只中で観て、映画の後半の戦争の悲惨さがすごく現実味を感じました。明日どうなってるかも分からない、一瞬にして日常を奪うのがすぐ側にある恐怖を強く感じました。
仕方ない、誰に何を怒ればいいのか分からない、努力でどうこう出来る問題じゃない…。登場人物たちが、やりきれなさを抱えて生きていく様子に共感し、辛くなりました。辛くても生きていくしかない、それだけなんだと。
今回、自分の心に溜まっていたやりきれなさと映画が重なって少し救われた気がします。辛さに慣れて来てしまっていたので「辛いね、苦しいね、腹立つね」と言ってもらえた気がしました。
私もすずさんも何かを成し遂げるような人ではないけれど、日常の小さな幸せをみつけ、自分の役割をこなし、家族と支え合って、なんとかやって行きたいと思います。
戦争の悲惨さを違った角度から見せる珍しい映画
たまたま録画してて、戦争ものということも知らずに見ました。
中盤までは少女の平凡な日常をただただ見せられている・・という感じで
正直つまらないなぁ・・・て思っていた矢先・・。
■戦争を傍から見ている庶民の日常が視点。
戦争映画ってやっぱり中心人物の話になりがちですが
こちらは庶民の日常を視点にしています。
若い主人公が見知らぬ家に嫁いでハゲができるほどストレスを抱えながら
食糧難、物資不足の㊥、工夫しながら毎日の食事を考えたり
不器用ながらも裁縫がんばったり・・家事を一生懸命こなしています。
すずの日常を見ていると不思議と自分も、その時代に生きている感覚になります。
この日常を永遠と見せられるのかと最初は思っていましたが
これは観客をこの時代にいるように思わせる仕掛けだったのかもしれません。
■可愛らしい絵のタッチとは裏腹に・・・ギャップがあるから突き刺さるのか。
最初はこの可愛らしい絵のタッチにキスとか・・・ちょっと似合わんなぁ。
・・くらいに思いながら見てました。
すると中盤から戦争の悲惨さが随所に出てきて、
可愛い絵なのに残酷なんですよね。
それがなんだか妙に心に突き刺さるんですよ。
■妄想で書いた絵が現実だったのね。
誘拐にあったことを絵で描いてたけど、あれ現実だったのね。
そこで将来の旦那に会うってわけか。
スイカ食べてた座敷わらしの女の子も遊女の美人さんになってるわけね。
フラグ回収もしっかりしてるのも見どころ。
■傘のくだりは隠語。
なんとな~くそうじゃないかな?・・って思ってたけどやっぱりね。
新婚初夜の営みの「合言葉」だったようです。
昔の人のほうが慎ましいというか・・なんというかw
■泣いたところ3つ。
・広島に帰ると言いながら空襲の㊥、夫に守られるシーン
・義理の姉と和解してここに居させて欲しいと言うシーン
・広島に原爆が落ちて母親が亡くなり、
すずに助けを求める見知らぬ女の子のシーン
特に最後の母親を亡くした見知らぬ女の子のシーンですが、
沢山の人が死んでいるから、それがもう当たり前のようになっているので、
すずも悲観な顔をするわけでもなく普通な顔して
女の子を一緒に連れて帰るところ。
泣かせようとする演出には見えませんでしたが、私は号泣しました。
【火垂るの墓】や【はだしのゲン】などの、戦争や原爆の悲惨を
正面から描いた作品と違い戦争に巻き込まれていった呉の市民の生活から
戦争を描いている作品で見せ方が新しい・・というか、
こういう映画珍しいなぁ・・って思います。
戦時中の中にも笑顔はあるし、悲しみもあるけれど
さほど重くない内容に仕上げています。
もし自分たちの日常に戦争が現れたら、こうなるのかもしれないと
リアルに考えさせられる映画でした。
今の平和があることに感謝しようと心から思いました。
画の雰囲気と内容がいい意味で合ってなかった
最初の印象はそんなにダークなものではなく、戦争はダメだよみたいな映画かと思ったが、主人公の北条すずが戦時中から戦後を生き抜く姿が力強く、且つそのままに描かれていたように思えた。心の動きがかなり如実に表現されており、なごやかな絵の中(恐らくすずの「普通さ」からみた世界を表しているのだと思う)で語られる話は希望もあったしなかったとも言える。空襲の描写が多いのが戦争映画の特徴だと思っていたが、これはそんなに多くなく、描かれる場所も家庭が中心であるため、個人の戦争がよく描かれていた。
心が温まる。良作。
何度か観る機会を逃しだけど、知人の勧めでやっと観た。絵のタッチが暖かい。のんさんの声がすずさんにとても合っている。
戦時中の厳しい状況や事故など、ちょっと辛くてなるような描写も、作品内で全て回収しているので、後味がとても良い。
登場人物も普通に良い人達で、嫌悪感がほぼ無かった。
映画はハッピーエンドが1番良い。
宮崎映画は好かんので
原作:こうの史代さん。ほのぼののタッチが好き、押し付けがましくなくて説教じみてないのが好き。漫画アクションは5年置きに大ヒット作品出すって聞いた。「同棲時代」「ルパン三世」「子連れ狼」「じゃりン子チエ」「クレヨンしんちゃん」・・・
悲しいけど生きていかなくてはならないたくましいすず。今の、これからの子供に伝わるかなぁ。
2020.8.15 戦後75年
広島の呉を舞台に、第二次世界大戦の時代を生きた北条 すずという女性が主役のお話。
漫画を先に読んでいたため、比較的感情的になりすぎず落ち着いて鑑賞できた。
今までの戦争をテーマにした映画のような戦闘シーンはないものの、呉の空襲なんかはとてもリアルにわかりやすく描かれていた。
平和ボケがどうとか、レビューを読んでいると書かれている人がいますが、人間は浅はかな生き物なので、きっと大切なものに気づくのにも、大きな何かが起こらないと分からない生き物なのではと常日頃から思う。
だからこそ大変な時代に普通の生活を送り続けるすずさんを観て、こういう事が大切なんだなといちいち感心していました。
すずさんのように、いろんなものを犠牲にしたり、失ったりした人が山ほど日本にはいたのだなと思うと、今の自分が生きている世の中はなんとありがたい世の中なんやと思う。
あの悲しい戦争が終わって75年。まだ75年。
私達は二度と同じ過ちを犯さぬよう、戦争について知ることのできる映画を選んだ。
どうかどうか、この先も戦争しなければいけない国にならぬよう、日本政府をはじめ私達一人一人が本当に平和を願って、いらぬ争い、疑い、先入観を持たずに世界の国々と外交し、皆が笑っていられる世界になっていてほしい。
戦争の時代、つつましくけなげに生きる庶民の日常をつづる 淡く切なくやさしい作品
戦争の時代、兵士ではない一人の ちょっとドジな?若いお嫁さんの、ふつうの日常を 淡々と綴った映画。恐ろしい戦争がしのびよる中でも、けなげにたくましく、笑顔を失わずに生きようとする庶民の姿が丁寧に描かれます。忙しく働く中で、ささやかなお絵描きが趣味の彼女の目を通して、アニメや漫画でしか表現できない方法で、しかし実写作品と対等の強い力をもって胸に迫りくる場面も何度かあります。つないでいた手が、一瞬にして…。世界は変わってしまい…。
「悲しくてやりきれない」のほんわかとした歌声につつまれた時、涙があふれました。
このような作品が、クラウドファンディングという形で、多くの人に応援されて作られ、そして国内にとどまらず海外でも高い評価を受けたということは、なかなか世の中はすてたもんじゃないな という気分にもなれました。
「令和元年」の祝日に 映画館で見ました。
世間やTwitterが「令和ってネーミング カッコイイ」と浮き立つ声が多い中、私はなんとなく、
令って命令の令だし、万葉集の歌からというのは隠れ蓑で、
今後 色々な命令を国民に出していく前に「令」の文字に慣れさせていいイメージもたせようとしてるんじゃ? 安倍総理は憲法9条を変えようとしている人だから…。
なんて、ちょっと怖さを感じていました。
そんなモヤモヤをちょっとかかえて、祝う気分など無かったので、(でも休日はそれなりに楽しみたいので)
日本の昭和、平成、令和…と歴史をふりかえり想いをはせるのにぴったりかな?と
この映画を見に行きました。もう数年前の映画ですが、調べると、なんと数年間の間 毎日この映画をかけている映画館があると知ったのです。
茨城県の土浦市にある、セントラルシネマという、さびれた小さな映画館でした。まるで日本のリアル・ニューシネマパラダイスのような、古い映画館で、「え ここで合ってる?入口ここ?」と戸惑うほどでしたが、中に入ると、にこやかで親切なスタッフが迎えてくれて、ロビーにはたーーくさんの 作者イラストサイン色紙や、この映画について掲載された新聞記事などが飾られ、この映画への愛があふれる、まさにファンの聖地になっていました。
TV放送を見て感動した人は、大画面で見に、ぜひ行ってみるといいですよ。
生活は続く
NHKの放送にて視聴。
どんな状況でも庶民は工夫しながら生きていくしかない。だって未来のことはわからないんだから、今のことしか考えられない。この映画は75年前の戦争中の生活を丁寧に描いているが、今も同じだと思った。コロナウイルスという名の戦争。迷走する国家。翻弄される庶民。自衛しながら、家族や近所の人達と協力しながらやっていくしかない。本当にそれしかないのだ。
普通の人の視点から見た戦争
すっかり話題作になったので、今更多くを語ること無いですが、本当に良い作品でした。
作品のトーンや絵柄、声優さんの声、ストーリー、すべて文句なし。
こうの史代さんの原作は本も持ってるのでストーリーは知ってた、そういう意味だとストーリーに関しては楽しみはなかったです。実際に原作通りでしたし。
けど、あのフワフワした絵柄でキャラクターが動いて、しゃべって、ってのを映画館で観ると、また違った味わいがある。
この作品は大東亜戦争時の日本が舞台ですが、普通の人の視点から見た戦争ってこんな感じなんだろうな、ってのが原作読んだときの最初の印象でした。天皇陛下の玉音放送聴いてた時のシーンなんか忘れられません。たぶん、こうだったんだろうなー、って。
どんな環境でも生きていくことは出来るし、生きていく必要がある。楽しんだり、悲しんだりしながら。そんな当たり前だけど大切なことを思い出させてくれる。
それがこの作品の一番の良さだと自分は思います。
初めて与えられた人格
女性主人公の戦争映画なので気が滅入るのを想像していた。
貧しく、つましく、境遇に虐げられ、大切なひとが亡くなって、かわいそうで・・・それらを想像していた。
が、悲哀はあるけれど、ユーモアがある。日本の戦争映画で、脱力と滑稽さと自嘲のパーソナリティをもった女性を、はじめて見た。
負け戦なわけだから、どのみち不幸せになるのが、戦火の日本女性であり、その十把一絡げのヒロイン像が染みついているゆえに、個性的な自我をもったすずが、とても画期的に見えたわけである。
戦争映画のみならず、日本映画に描かれた女性──その広い視野でさえ、すずは、おそろしく独特なキャラクターだった。
加えて、かれらの銃後も画一的な描き方とは180度異なっていた。
封建主義が介入せず、すこしも男尊女卑におとしめない──優しさとリアリティがあった。リアリティを体現するために、かならずしも過酷や悲惨へ振る必要はないと、このドラマは言っている──はずである。
かんがみれば周作も水原も、日本映画に有り得なかった、粋とシャイと美意識をもった男であると思う。すくなくともわたしたちは戦時中の家庭に、封建的=亭主関白な様態しか見たことがなかったからだ。
見たことがないのは、キャラクタライズがなされたことがないから。現実は多様であるはずなのに、ドラマには典型が用いられるから──である。
すなわち、おおげさかもしれないが、この原作/映画は、第二次世界大戦中の日本人のキャラクターにはじめて人格を与えたドラマだった。そこに価値があると思う。
ただ、個人的に、戦災児だった野坂昭如に比べると、周到に監修されているとはいえ、戦争ものでフィクションというのは、ちょっと引っかかる。1917でラストにfor lance corporal alfred h. mendes/1st battalion kings royal rifle corps/who told us the storiesと出なかったら、ちょっと憂慮したかもしれない。
連ドラを観た後と前では評価が大きく変わる
2017年4月13日仙台の映画館で鑑賞
原作未読
当時はのんこと能年玲奈が声優として主演するアニメ映画が公開されると知り内容はよく知らないでファンとして観に行ったものだ
絵が癒し系で好き
能年玲奈がキャラに合っていた
笑いあり涙ありの良作
ただ右手を失い右手があった頃の楽しい思い出を振り返るシーンがあるがあの表現方法は嫌い
2018年TBSで連ドラとして実写化されている
時間がたっぷりあるせいかとても丁寧に作られている
役者もみんな良かったが特に松本穂香伊藤沙莉尾野真千子の3人が素晴らしかった
ちなみにアニメ化前の2011年にも日本テレビで単発ドラマとして実写化されているとは知らなかった
北川景子主演
まだ観ていないが近いうちDVDかなにかの機会で観てみようと思う
この作品を観た直後は星5つか星4.5だったがTBSドラマや『さらにいくつもの』を観た後だと評価を下げざろう得ない
素材としては最高なのに編集に問題があり勿体ない
監督が悪いのかプロデューサーが悪いのか制作会社社長が悪いのか知らないが
原作のほぼ全てを注ぎ込みたいなら120分くらいの映画には向いていない
どうせ二作品作るなら初めから120分120分(90分90分でもいいが)の前編後編で制作すれば良かった
最近の実写映画ではありがちだがアニメ映画は少ないから躊躇したか
それがダメなら『スパルタカス』とか『ベンハー』とか『アラビアのロレンス』とか『十戒』みたいに3時間越え4時間近くの大巨編スペクタルで公開すれば良かったんじゃないか
公開当時老婦人が映画館のスタッフに「おすすめの映画はありますか」と聞いていた
するとスタッフはこの作品を薦めた
しかし老婦人は「アニメは嫌いですの」と答えた
いくらジャパニメーションは日本が世界に誇る文化だとアニメオタクが熱弁を振るってもアニメというだけで拒否反応を示す大人は世の中にたくさんいるのが実状だ
連ドラは観てくれただろうか
あと「すずさんみたいになったらいつでも千円で映画を観れるよ」とアドバイスしてくれた人が身近にいるが僕はやめておきます
苦しくもささやかな喜びと
呉も広島も訪れた。大和ミュージアムでは軍港呉の空襲の資料展示もあった。そして、広島の原爆。穏やかな瀬戸内の景色と、厳しくなる生活でも我慢する国民。勝つまでの我慢が、途絶えた時の堰を切った悲しみや虚脱感。戦争はいつも民衆の生活を苦しめる。
家族や体の一部を失っても健気に生きる主人公に涙する。
母の事を思い出した。のんきでほぼ働いたことのない人。母がそうやって...
母の事を思い出した。のんきでほぼ働いたことのない人。母がそうやって生きてこられたのは、良い時代だったのかな。
のんさんは素晴らしい。
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