この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
全903件中、501~520件目を表示
命を紡いでいく映画。それでも生きていく…
広島・呉を舞台にしたすずという少女の成長と記録。
ほんわかしたぬるーい感じの中始まる。ただ、ほんわかしていてもこの後の歴史上の展開は知ってるので何気ないシーンでも少しウルッとくる…
次に歯を食いしばるほどの涙が襲ってくる…
極めつけはそれとは異なる涙が襲ってくる…
3段階で私の感情を襲ってきました。恐るべし作品です。
「戦争中は物が何にもなかった」
よく聞く話で他の様々な映画やドラマでも描かれてる。それが日常で日々の生活を笑ったり楽しく暮らしている。
この時代何万の人が体験しているだろう普通の…ごく普通の、この世界の片隅のお話。ただ歯を食いしばって生きてきた人たちの人生の断片にすぎないのかもしれないお話。すずがこの世界の片隅に居場所を見つけたお話。
鑑賞後も涙が止まらずトイレの個室でも泣きました
しっかりしっとり
原作漫画を読んで再び観たくなりました
年の最後にこの年一番の映画に出会えて幸せです。
観終わってしみじみ思い返すうちに、よく理解できない場面があることに気づきました。
すぐさま原作漫画を読んで感動。そしてもう一度映画を観なくてはいけないと確信しました。のんびりしているように見えて実は仕掛けが随所に散りばめられているのです。
何度もご覧になる方がたくさんいることに納得しきりです。
普通の人々の暮らしを描いているからこそ、すずさんが歌うように夕餉の支度をするからこそ、迫り来る戦争の異常さが際立ちます。
今まで観てきた悲しいだけの戦争映画とはまるで違うのです。
戦争当時市井の人々には「平和への希求」という概念が存在しなかった。ただ日々の暮らしをなんとか繋いで、踏ん張るしかなかった。
この映画のおかげで、そのことに初めて気づくことができました。
こんな風に、いつの間にか私たちの暮らしにも戦争が忍び寄ってくるのかしら。
いや、我々は違う。平和の尊さを知っているから。
泣けて、しかも背筋が伸びる
磨き抜かれた名作
主人公すずの生きた時代に時を同じくして再建された川越スカラ座にて初鑑賞。
原作漫画は6年前に既読。
原作はメジャー作品ではないものの、その完成度の高さから根強いファンが多く存在し、今作の封切り前に実施されたクラウドファンディングで集められた声の多さからも、その期待の高さは伺える。
取材に取材を重ね、丁寧に描きながらも、漫画媒体として実験的な描写も織り交ぜた原作に感化され、今作のアニメ映画化に当たっても、アニメーションとして実験的な描き方をしているのが、新鮮味を加え、功を奏している。
又、原作でも描き切れなかった細かな設定や描写が加えられ、さらにブラッシュアップされた作品となった。
アニメの利点がCGが普及する以前は空想を描くのに適した媒体であったのが、CGにより何でも実写化可能になった今、『バケモノの子』の渋谷のスクランブル交差点や、『君の名は』の風景のように、スーパーリアリズムをアニメで実現させ、敢えてアニメで描くことで描写を際立たせたり、細かく描いたことへの驚きという付加価値が生まれ、結果的に作品への評価に繋がる。今作も当時の街を再現したり、食べ物を強調したり、アニメの利点を最大限活かしている。
そのため、架空のキャラクターがまるで当時実際に生きていたかのように錯覚し、自然と感情移入してしまう。
戦争を題材にした作品の多くは、前線に立たされた兵士の視点で描かれたものが多く、戦争の狂気性ばかり目立つが、今作は日常を暮らす人々が、その生活の延長でどのように戦争に巻き込まれたかを描いているので、観客に身近なものとして感じさせながらも、戦争の狂気性だけではない複雑な要素を織り交ぜ
、観客自身に考えさせる作りになっている。
終戦宣言(日本の敗北)をラジオで聴いた当時の人々がどのような思いでいたか。負けたことの怒りや哀しみではなく、犠牲になった家族や生き残ってしまった自分への怒りや哀しみがあったのだろうと、少しでも戦争経験者の気持ちを感じ取れた気がした。
老若男女の多くの人々に観てもらいたいと思う名作だ。
前向きに生きること
観ればこの映画の素晴らしさはわかる!! 是非いろんな人に観てほしい...
良かった
65点
人の縁が希望を運んでくる
日本人は全員みるべき
悲しくてやりきれない
新宿テアトル満席で立ち見も出ていました。
戦争というものを庶民の生活の視点から描くアニメーション。食料不足の中なんとか工夫して前向き生きようとする姿は、オデッセイのマーク・ワトニーに通じるものがある。しかしながら、すずさん達を助けに来てくれる人はいない。戦争がどんどん追いつめてくる。大切な日々の暮らしを奪っていく。サウルの息子を観賞した時と同様に、戦争というものが余りも超現実的すぎて、自分の知り得る感情では表現しきれなかった。だから逆に涙も出なかった。全体にほんわかとしていながら強い衝撃と余韻を残す作品でした。残念ながら絵のタッチというか造形があまり好きではありませんでしたが、のんさんの声が運命的に素晴らしかったと思います。コトリンゴさんの音楽も良かったです。日本人なら誰しもが観て良かったと思える映画だと思います。
見終わった後の苦しさ
自分たちも、このままぼーとしていたら…
広島に住む一人の女性の姿を通して、戦前から戦後の日本を描いた漫画原作のアニメ映画を、
渋谷ユーロスペースにて(ようやく!ようやく!!)鑑賞。
昨日の夜から、近辺のどこの劇場のweb予約を探しても「満席」となっていて、本作品の注目度の高さを伺えました。
一方、自分は原作漫画も知らず、2016年の東京国際映画祭での上映時も「こんなちんまい映画をよく上映するなあ」と思ったくらい、本作品にはノーマークでした。
が。。。
2017年初映画にして、早くも年間1位が決定してしまいました!!
「戦争」というものを、一人称目線で描くことをで、確かにそこに生きていた人々に想いを馳せることのできる作品となっていました。
その頃の環境がどんな状況下でも、そこに生きていた人々は無条件に受け入れることしかできず、心のワダカマリをひた隠して、ユーモアを忘れることなくやり過ごしていきます。
そんな人々の悲喜こもごもを通して、「生きること」というテーマを、力強く誠実に描いていきます。
それに加え、全てを鵜呑みにできない語り口の曖昧さや、謎のままの部分、余白部分を観客一人ひとりの想像・主観に委ねていて、
何度も観て真意を探りたい欲求に駆り立てる創りになっているのも嬉しい限りです。
時間の飛び越え方、極端な省略や後追い説明の数々は、大林監督作品「あの空の花」のクラクラとした映画体験を彷彿とさせ、大好物がたっぷり!
無駄なところが1シーン1カットもない、濃密で極上な126分でした。
一点、真面目な話をすると、
鑑賞中、「あの頃の人々」が戦争の全体像を知らぬまま翻弄される姿を観て、「もしかしたら、今の、そして、数年後の自分たちのことを描いているんじゃないか…」と思わずにはいられませんでした。
昨今のキナ臭い情勢を見ていると、自分たちの知らないところで、刻一刻と「その時」が迫っていてもおかしくありません。
自分たちも、このままぼーっとしていたら、いつの間にか青空に戦闘機が飛んでいる、なんて状況になっているかもしれません。
そうならないためにも、このような映画を観て「戦争は二度としない!」という、国民の総意が必要なのだと思います。
選挙の度に、「どうせ何も変わらない」とやり過ごさずに、国民一人ひとりが確かな心で、どうすべきかを判断する必要があるのだと思います。
「戦争」なんかになったら、「経済」とか「子育て」とか「福祉」とか言ってる場合じゃないですからね。
とりあえず、全国民一度は観るようにしましょう!!
全903件中、501~520件目を表示