この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
全1024件中、461~480件目を表示
多感な主人公の視点からみた日常
多感な主人公の視点で戦前から終戦までの日常を描いた作品。
当時の価値観や社会情勢について特に説明されることもなく、話は進んでいくが、天然キャラの主人公スズの視点で描くことで、自然とこの世界に入り込んでいくことが出来た。(義姉に実家へもどされたシーン、恥ずかしながら教えられるまで理由が分からなかった)
楽しい場面、目をそむけたくなる場面、様々なことが起こる。しかし、日常は淡々と過ぎていく。あの後あの子はどうなったのか、あの人はその後どういう人生を歩んでいったのか。気になる事は多いが、日常は終わる事なく前へ前へと進んでいく。
この作品が今の時代にできてよかったと思う。主人公たちの世代、最後に拾われた孤児の子たちの世代がまだ存命であり、そのあとを受け継いだ私たちの世代がいるこの時代に間に合ってよかったと心から思う。
ほのぼのと、哀しくも
まるで日本昔話を観ているような、ほのぼのとして印象派の絵画の様に淡く柔らかなタッチの映画…。
先の国家による無謀な戦争に巻き込まれ辛く哀しくも辛い日々を強いられ、その努力、幼い生命の死が無為に奪われた哀しい結末の日を迎え止めどなく怒りと哀しみ…。
当時の女性の生活が絵日記の様に話が進められる、ほのぼのとまた哀しい物語です。アニメでもあり優しい画でもあり、今の日本の状況もあり、子どもと一緒に観て欲しい名作品です。
日本人の心を揺さぶる名作
淡い色合いのアニメは感情移入にマイナスと思っていたが、これは
全く当てはまらない。原色の溢れる現代との差というだけで、その動きを見ているだけで、画面の向こう側を歩いている感覚になれる・・。
ゆっくりと細やかなキャラの動きと、暢気なエピソードに油断していると、膨大なセリフ(しかも一つ一つに意味がある)と速い展開に置いていかれそうになる。しかしこのテンポは絶妙だ。どのエピも短く終わり、次へ次へと行くが、その情報量こそが当時の生活を肌で感じるのに必要な量だったと思う。これは現代人があの時代へタイムスリップする為の燃料なのかも。そして登場人物の心が手に取るように伝わってくる頃には、米軍の本土攻撃が来る。すでに感情移入してしまっているので、彼らの恐怖がこちらにも直撃で、空襲警報や爆撃音、対空砲火に照明弾等のシーンで鳥肌が立つ。
その後の厳しい展開にも身につまされるが、テンポの速さは変わらず終戦からその後まで一気に進む。泣いている暇は無かった。
そしてエンドロールでその後の家族の暮らしがアルバムのように
映し出されると、戦後を歩き出した日本人の希望とか幸福のイメージが優しい歌「たんぽぽ」と一緒に画面から洪水のように溢れる。
見終わって家に帰ってから、津波のように押し寄せる感情。もう
言葉にならないのに、誰かに伝えたいジレンマ。とんでもない名作でした。自分はクラウドファンディングって何だ? てな部外者でしたが、今はその方々に感謝しかありません。 良い作品を有難う。
斬新な切り口だが職人業を感じる
いわゆる「戦争もの」のカテゴリには、一応、入ると思うが、とことん日常を描写することに腐心した傑作。その当時の文化をきちんと内包しており、かなりのリアリティを感じさせる。徐々に徐々に戦争の余波が日常にすうっと入り込んでいくさまには恐怖を覚える。それともあれこそが日常を生きる人々の戦争なのか。
しかしこれを単なる戦争ものとして評価するのはいささかもったいない。その当時の文化、人と人とのつながりや生活風景、家の在りかたなど様々なことを吸収できる映画でもあるからだ。フォレストガンプみたいな。
その一方で、かなり鑑賞する側に頼った作りになっているように感じられる。モノローグはモノローグパートのみで行い、作中で誰がどう思っているかは必ず人と人とのやりとりで描写する。すると、昨今の説明過剰な邦画とは異なり、観ながら登場人物の心情、言動を読み取らなければならない。解説、というかオチ、が一瞬だけ挟まれているだけ、というのも多々あり、ほわっとした作画から娯楽映画として勘違いされないか心配だ。単なる娯楽映画としも面白いのだが、ちと長く、飽きてしまう。
そういう職人業は別にして、全体はテンポよく進み、中学卒業程度の日本史の知識さえあれば楽しめる。上で書いたように小さな事件程度はさっと流してしまうので、ちょっとせわしないかもしれないが、重要な事件はかなり丁寧に描いているので、楽しめる。
しかし、小さな子供にはお勧めできない。PG12がついていないのが不思議なくらいだ。全体的にはほわっとしてはいるが、最後の最後にトラウマ必至の映像があるし。
家族愛
すずは声ののんに丸かぶり。
まるで能年玲奈をみているようだ。
戦争前後の時代背景。
ぼんやりおっとりしたすずにある日縁談が持ち上がる。
広島から呉の周作の元に嫁いだすずの日常は一生懸命ながらも時間を見つけては得意な絵を描いていた。
周作の姉が娘を連れ出戻り、すずをイビるがすずのおっとりした天然キャラで笑いに変わる。
戦争が激しくなり物資も乏しい中、食事を工夫し家族を支えるすずの直向きな姿が良い。
飛行機、母艦…呉の高台からの眺めをすずがスケッチしていると憲兵に見つかり機密漏洩だとか難癖つけられ家族揃って説教された。
帰って来た周作にこの一件を話すと家族中バカ笑いするが1人だけ笑えないすずがいた。
すずの性格を家族みんなが受け入れているシーンでもある。
姪が死んですずは右手を失ったが生き延びたシーンからは流石に辛くせつない。
北條家に居づらくなっているすずは実家に戻ろうとするのだが…周作への気持ちは断ち切れない。
周作もまた家族の一員であるすずを失いたくなかった。
あたたかい北條家の愛に包まれすずは家族の絆を深めた。
戦後の広島…焼野原に孤児が…
周作とすずは孤児を家族に迎い入れた。
鑑賞後も涙が溢れて止まらない。
悲しい訳じゃない。
心にじんわり響く感動の涙…
よくわからないのだが自然と涙が溢れる。
家族ってこう言うことなんだなぁ。
コトリンゴさんの曲が沁み渡る。
良い映画でした。
婆ちゃんがすずの嫁入り前に言っていた「傘を持って来た…」とは?
泣けると思ってたが泣けなかった
いい意味で。
かわいそうな部分とか
経験したことのない恐ろしさ
トラウマになってしまうほどのことがありましたが、
すずの、明るいところとか
家族の思いやり、
あたたかさ
のほうが大きくて
気持ちがほっこりさせられて
見終わりました。
最後の一人取り残されてしまった子供さんを
優しく家族にしていたところとか
その後をエンディングにしていたところとか
なんだか、嬉しく思いました。
何度もみたいですね。
戦争映画でしたが、明るくなれる映画でした。
日々無駄にせず、頑張らなきゃなと
色々と思わせてもらえました。
ありがとうございました。
感想が下手ですいません。
DVDになったら日本語字幕になってますよーに!!
字幕になるアプリのやり方がわからなかったので…
ほんとうに観てよかった
ほのぼのしてるパートがあるぶん、後半の展開が心に残りました。
戦争系の映画はわりと観ていましたが、それでもどこか自分と切り離して観ていたなあって改めて感じさせられました。
これはすごく身近に感じられて、忘れちゃいけないなって思わされる。学校で習ったりドキュメンタリー番組見るよりも分かりやすくて、すごい作品でした。
長々と書いちゃいましたがそれ以前に、主人公のすずさんをはじめとするキャラクターがみんな可愛かった!!!!
大人の事情で隠れた名作にしないで欲しい
ほのぼのとした雰囲気で、ごく普通な日常として物語が進んで行きます。(もちろん現代とは生活が大きく異なりますが、当時の平時としてはごく普通なんだと思います。)その当たり前の日常として戦争が描かれている事に恐ろしさを感じました。
我々若者は、戦争とはとても怖いものであり、とても特別な我々の生活とはかけ離れた遠い存在であるかの様に教えられています。しかしながら、戦争の悲惨さを伝えることを意識しすぎ、「戦争」に焦点が当たりすぎているのではないでしょうか。悲惨さを訴えるために一辺倒な内容になっているのではないでしょうか。戦争とは特別な事で、我々の日常には起こり得ない事であると、まるで空想の世界での出来事であると、どこかでそう感じていました。
しかし、戦争を体験した人々にとっては当たり前の日常の中で起きた出来事の一つであったこと。その人々は我々となんら変わらない人々であったということ。坦々と進む物語の中でそんな事をふと感じたとき、我々の当たり前の現実にも起こりうる事であると実感し、同時に寒気がしました。
_φ(・_・秀作 見逃してたよ。
先日キネマ旬報の2016年 年間ベストテンで一位にこの作品が出ていましたので視聴してみました。
戦時中の北条すずという絵をかくことが好きな女性の半生を描いた作品です。すずの半生は結婚も衣食住も満たされたものでなく、幸福とは程遠いものでありましたが、そんな中で彼女は力強く淡々と生きていきます。近しい人がなくなったり、自分の右手が空襲の爆風でなくなってしまいますが彼女は悲しみを乗り越えて力強く生きて行きます。現実の場面でも塾に行って勉強できたらとか、家が金持ちだったらとか現実ではないタラレバノ場面を想像し、そうでない自分はついていないとか、不幸とか思ってしまう事が多々あると思いますが、これはナンセンスな話で、与えられた状況でベストを尽くすのが人の素敵な生き方なんだと感じました。一生懸命生きるん事。
私も世界の片隅でチョットは抗って生きてみようと思います。
半々やね
2時間ちょいの作品。はじめは、のんさんの世界観に「なんだなんだ?」と衝撃をうけた。そのうち睡魔に襲われて1時間経過。後半はテンポが上がりおもしろかった。その為か後味は悪くない。前半もったいない……
私はのほほんより、強く生きる姿や、勢いを映画から学び、鼻息荒く映画館をあとにしたい。だから星2つ半(^^)
一番観なければならないのは。。。
大きな宣伝もなくとも、客席はほぼ満席であった。何故?と思いながら観始めると、戦後一桁世代として、遠くない過去の生活を垣間見ることになり、テンポの良い展開に思わず顔が緩む。あの、すずが叫ぶ、最期は玉砕じゃなかったかに!これが国の首脳部と庶民の大きな違いなのだろう。何も知らされず、殺し殺され、侵略を聖戦と決めつけた決着をはかりる。恥ずかしくもあり、情けなくなる我が戦後一桁世代である。あの一番観て欲しいあべ君とは同級生であった。。。。さて彼は同観るのかな?
不思議
戦時中を舞台にした映画は、戦争の渦中にいる人物が描かれることが多いが、この作品は違う。
すごく普通の人物に焦点が当てられている。だからこそ、どの映画よりもリアルを感じるし、恐ろしさがある。おそらくこの映画を見て感動するシーンは人それぞれ違うんじゃないだろうかと思う。
胸に沁み入る映画
祖父母達の生きぬいた戦争を、まるで自分の体験のように感じられ、アニメとはいえ現実感がありました。
細やかな生活描写の中に、一人一人の心の揺れをさりげなく上手に表現していたと思います。
それだけに、胸に沁み入りました。
声優とキャラクターがよくマッチして、音楽も良かったです。
原作も読んだことがなく、大した前知識もないままに見ました。 悪い映...
原作も読んだことがなく、大した前知識もないままに見ました。
悪い映画でないことは、世間様の評価ほどにはなりませんでした。心がすさんでますかねぇ・・・?
他の方のレビューを見ると、人生でベスト映画とまで称賛される方がいらっしゃるのですが、私にとっては普通にいい映画でした。ちょっと間延びしてる感も感じたくらいですが、苦痛になるほどではなかったです。
全1024件中、461~480件目を表示