この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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アニメだからできた表現について
これが実写だったらどうなっただろうかと考えながら作品を見ました。アニメがスタジオジブリに似ていると思っていたらやはり休眠状態のスタッフが描いていたとは。
そしてそれ以上に監督の演出が素晴らしくまさしく日本アニメの神髄を思い知らされた気がする。
うわべだけの美しいだけのアニメなどアニメではない。
そしてストーリーについて、スタッフ皆が日本の為に作った気がしてならない。ただこれが単なる仕事であったなら、このクオリティーにはならなかった。魂の込められたアニメとなっていて、感動が起こる。そんな映画でした。
映画の中で今は亡き母親に会えたのは、母の生活を実感できたのは、思い出せたのは大変考え深い。最後のノミまみれの女の子、あれが私の母であった。そう投影できてよかったです。
近年稀に観た傑作。のんの訴え方が秀悦!
前評判が高かったのでSNS等で伝わったのかなあと思いながら観賞に行った。ところが観に来ていた方々が高齢層が多く、これは結構口コミで広まったところもあるのかと再認識。
観終わった感想。
近年稀に観た傑作でした。
主役の北條すず( 結婚後は浦野すず )の声を務めたのんこと能年玲奈さんの、特に後半の語り・訴え方が凄い。今まで美輪明宏さんが担当したもののけ姫での役が一番凄いと思っていたが、それを凌ぐ。台詞の内容も素晴らしく感受性溢れたものだが、これだけ演じて訴えられるとカルチャーショックを受けた。素晴らしい。
絵も感受性に訴えかける内容でジブリほどの細やかさはないものの、それをかばうユニークな絵が素晴らしい。
是非、観賞に行って欲しい映画だと思います。お勧め致します。
人として大切なモノを改めて。。。
アニメだからこそ表現できた大切さ
あったかもしれない過去、創ってはいけない未来
多層的な作品だ。一見、"多感な女性の視点で見た戦争"といった風だが、それだけではない仕掛けがある。叙事的な場面を繋げながら、時折「これは、すずの夢?」と思わせられる不安定な場面がある。それは、母親を亡くした少女が登場するラストまで、意識的に繰り返される。あたかも選択されなかった別の過去を意識させるように。いや、選択できたかもしれない過去と言ったほうが制作者の意にそうか。ともあれ、私たち戦争にリアリティを持てない世代にとっては、こういった表現が、"選択してはいけない未来"を強く意識させてくれる。力強い創造力を嬉しく思う。
感動した。
日常
戦時下の日常風景
第二次世界大戦下の広島・呉を舞台に、戦争によって人生を翻弄された、ある女性の視点で描かれたアニメ映画。
戦争を題材に扱ってはいますが、敵と対峙して戦うようなシーンは一切なし。そう、ここで描かれるのは戦時下の日常風景なのです。
暖かな光に包まれた前半部とは打って変わって、国内への攻撃が激化していく中盤以降は、何気ない日常から、空襲や原爆で大切なひとが突然失われる空虚感に侵されていく。そして、ヒロシマに原爆が投下。昭和天皇の玉音放送を聞き、独り慟哭するすずの姿に激しく心を揺さぶられました・・・
感じ方は人それぞれあるだろうけど、先ずは四の五の言わずに、観て感じて欲しいなと思う。そんな作品でした。
最初は…。
父、母を思う
映画館で観るべき映画
良かったです
ジワジワ話題になっているので見ることにしました。
親が戦争の記憶がある世代なので、戦時中の田舎の日常生活について母に聞いた話を思い出しながら見ました。
母の家は玉音放送のときラジオの電波が悪くてよく聞こえず、聞き終わっても「これからも頑張れと言うことかな?」と大人も敗戦とはしばらく分からず。母の田舎では敗戦が近いことも知られていなかったようでした。
母とは10年早ければ一緒に見に行けたので、見たあとでもう一度戦中戦後の話を聞きたかった。そういえば戦争の映画で親と一緒に見たいと思ったのは初めて。一緒に見られないのが本当に残念です。
イマイチと思ったのは、すずの描く絵が現代的なこと。特に小さい頃描いた絵は年の割に構図といい天才すぎだし絵柄も今の世代が描いた感じ。でもアニメ世界の中の人が描く自分たちの絵なんだから人間ぽい絵にしても変ですかねえ、難しいですね。
心がつかまれる場面はたくさんありますが、すずが昔の男友達と再会したところでちょっと大人向けなシーンがありますよね、テレビ放送のときはカットかな。とても心が揺さぶられましたが、それだけに子供には見せづらいな。
映画館で見れてよかった
非日常の中だからこそ守る日常
戦争を描く作品は数あれど,これほど反戦を高らかに掲げていない作品に出会ったことはありません。命が危険にさらされている戦時中の生活を描いているのに,主人公のすずさんがなんとほのぼのと楽しげに生活していることか。劇場内には,しばしば笑い声が響くほどです。また,周囲の人々からも,戦時で打ちひしがれた悲壮感より,むしろ力強く生き抜く命のたくましさのようなものを感じます。明らかに今までの戦争関連作品とは一線を画します。
戦争経験のない自分は,これまでの映像作品や歴史の学習等から,「戦争は常に死と隣り合わせの地獄の日々」という固定観念をもっていました。もちろんそういう面もあったでしょうが,本作を鑑賞してそれだけではなかったのだと思いました。当時の人々は戦争にただ飲み込まれていたわけではない,あきらめて流されていたわけでもない,非日常の中だからこそ日常を守ろうとしていたのではないか,そうすることで戦争にあらがっていたのではないか,そんなふうに思いました。
見終わると,普段は気にもとめない日常が,なんだかとても大切なものに思えてきました。日常が日常であり続けることが,平和なんだと思えてきました。この作品をちょうど大晦日に鑑賞したのですが,平和にこの一年を終え,また新たな年を迎えられることを素直に喜び,感謝したくなりました。ぜひ多くの人に見てほしい作品です。
淡々と生きる人々に感銘、大和に胸熱
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