「この世界の片隅から未来へ。」この世界の片隅に はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
この世界の片隅から未来へ。
~さよなら興行~「テアトル梅田を彩った映画たち」にてリバイバル上映。片渕監督のトークイベント付き。
言わずと知れた近年のミニシアター界最大のヒット作です。公開時以来久々の鑑賞。戦時下の広島で日々工夫しながら暮らす普通の家族。しかし戦況が悪化していくにつれその普通が奪われてゆく。広島市から呉に嫁いだすずさんがあの日見たもの。
のんびりマイペースなすずさんにのんの声がピッタリです。戦争中でも人は食べて、寝て、恋もします。誰かとお喋りして、笑い合ったりします。
シンプルで優しい絵とは対照的にそこには間違いなく戦争があります。戦争によって失ったものは何も腕だけではありません。あの日の広島と長崎を忘れず伝え続けることは未来への強いメッセージとなります。子供達にも、海外の人にも、そして今戦争を行っている国の人にも観て感じてほしいです。
~ここから脱線します~
この上映をもってテアトル梅田が32年の歴史に幕を下ろしました。上映後のトークイベントで片渕監督が「残念ながら映画館はなくなってしまうけど、こうして新しい出会いがある。映画は続いていく」っておっしゃっててとても素敵な言葉だと思いました。あの地下の小さな2つのシアターが大好きでした。
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Mさんのコメント
2023年4月4日
私はマンガの「夕凪の街桜の国」が好きで、特に「夕凪の街」は生涯ベスト10に入るような作品です。その流れで、この「この世界の片隅に」を読んだ時には、なんか物足りないような、なのに腕を失くしてしまう現実(たぶん本当の戦争では似たような事がありふれた状況だったのでしょうが)にビックリした記憶があります。