劇場公開日 2016年11月12日

  • 予告編を見る

「現代と戦中をつなぐ作品」この世界の片隅に a0064さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0現代と戦中をつなぐ作品

2018年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

戦時中の家族や暮らしを描くドラマや映画の多くは、登場人物に感情移入できないことが多かった。彼らの行動や描かれた心情が、自分のものとはかけ離れているように感じられたからだと思う。しかしこの作品は、現代人から見て「無理のない」心の動きと行動で戦時下の暮らしを描いている。
戦場から見た戦争の悲惨さ、地上戦、原子爆弾、空襲の恐ろしさを伝える映画作品は数多くあるが、民間人の若い女性の目から見た戦争像を描くのは斬新に感じられた。
「火垂るの墓」が子どもの目から見た戦争を描いているとすれば、本作品は民間人の暮らしに戦争がどう入り込んできたか、その過程をうまく描き出している。
戦闘シーンや残酷な映像を排除し、あくまでも人々の心情に焦点を絞り続けた一貫性もこの作品のメッセージ性を強めていると思う。

a0064