「ほのぼの」この世界の片隅に かなさんの映画レビュー(感想・評価)
ほのぼの
戦時中の映画ですが、ほのぼのした雰囲気でみれました。
昔は物がなくても、心は豊かに暮らしていたのが感じられて、現代の暮らしとは正反対なんだけど、身近に感じられる不思議な映画でした。
戦争モノだけど、戦争の悲惨さだけが強く印象に残る作品ではなかったです。
この時代に生きた庶民の人々の生活を、巻き込まれていく庶民にとっての戦争とはどういうものかを繊細なタッチで描写された、良い作品だと思います。
物語も良かったですが、この作品を作るにあたり、資金不足で制作困難になりそうだったところを、募集してたくさんの資金が集まったこと、資金提供してくれた沢山の人の名前がエンドロールにあったことも、この作品にたくさんの人の思いが詰まっているのを感じて感動しました。
そして、実際に戦時中の呉の街並みを知る人に話を聞いて、その記憶から風景はもちろんのこと、その頃の日常の品や事柄の細かなことまで、丁寧に書かれていたというエピソードにも、本当に素晴らしいと感じました。
まだ、上映されている映画館は少ないですが、周りの人達にもオススメしたい映画です。
2017年1月追記
この作品が海外からは評価が低いと聞きました。
この作品が、戦時中の全てを書ききれているとは、確かに言えないでしょう。あくまで、庶民の視点の一人の女性から捉えた戦争の姿ですし。
でも、この作品のような戦争の捉え方も、一つの真実だと思います。
この作品をきっかけに、戦争を知らない世代も、戦争を知る世代も「この時代」や「戦争ってどういうもの」かなど、見聞を深めて誰もが不幸にならない世界を創造して行ければ、と思います。
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