「少しでも多くの人に観てもらいたい」この世界の片隅に ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
少しでも多くの人に観てもらいたい
あんまりアニメは観ないんですよ、でも今年は「君の名は。」もこちらの作品も良かった。
もちろん並べて比べる内容じゃないんですけど、どちらにも製作者側のしっかりとした気持ちが込められていたと感じました。
戦争をテーマにした作品は色々と観ました。こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」も良かったけど。
もちろん日本、アメリカ、ドイツ、フランス等。昔の物から最近のものまで、、。
もちろん戦争を表立って描いてはいませんが、その戦時下での町の様子を描いたものまで。
しかし今作は日本の広島を舞台に描かれており、もちろん戦争体験者ではありませんが、色々な媒体を見て感じた物以上にリアリティがあり、他の方も言われていますが考証がされていると感じました。
またあまり描かれない夫婦の愛についても描かれています。
日本は今現在、戦争とはほぼ無縁で沖縄の基地をどうするだ、自衛隊を軍隊にするな等の論争が行われていますがこの作品に描かれている当時の日常を見てどう感じるのだろうか?
現在の戦争は当時のそれとは比べられないスピードで決着が付くだろうが、もし頭のおかしい隣国が攻めてきて、愛する人を大切な人たちを傷つけても本当に「戦争はやっちゃダメだ」と言っていられるのか?
そんな話の通じる相手なら世界中は平和でしょうよ。
かといってこちらから始める必要はないけどね。
この作品はほのぼのとした絵ではありますが、非常に力強くそして生き生きとしたキャラクター、またそのキャラクターに命を吹き込んでいる声優陣にも敬意を表します。
特に主人公のすずを演じたのんさん、申し訳ないんですが「あまちゃん」は見たことも無くて、事務所を辞めたとかどうでもいいやーと思ってたんですが、非常に天然キャラのすずを違和感無く演じられていて驚きました。
色々なアニメーションに○KBとかのバカなアイドルを起用したりする事がありますが、本当にただの客寄せパンダを使うくらいならこの様な素晴らしい声優を使ったらどうなんだろう?
ファンでもなんでもないですが、この先もきっと活躍を続けていってくれると思いますし、応援したいと思える素晴らしい演技でした。
ただ時間を潰したりするものや、楽しめるが内容が無い物等、映画には色々な物がありますが観なければいけないものもあると思います。
「それは個人の見解じゃん」って人もいるでしょうけど、この日本でそしてあの状況から今の、決して当時の人たちに胸を張れる「今」ではないですけど、この日本の為に頑張ってきた人たちを心に焼き付けるのも必要だと思うんです。
そして前を向いて歩いていく、そんな作品でした。