追憶の森のレビュー・感想・評価
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熱海の先で一瞬に「グッバイ・マイ・ラブ」
科学者であるならば、数学的にこの状況に陥る可能性は奇跡に近いと理解出来る。はずだ。また、青木ヶ原に全く無縁の外国人が自殺する場所に選ぶ可能性もほぼ奇跡。そして、同じ自殺願望者に青木ヶ原にて出会える可能性はほぼありえない。その出会った願望者が英語が流暢なのは日本の場合ほぼ無い。つまり、自ずと結論が見えてくる。その事を、科学者の主人公も分かるはずだ。従って、臭すぎて出鱈目な結論が見えてくる。まぁ、今日は「花の日」ゆえに許すが、科学者ならもう少しきちんと生活を送ってもらいたいものだ。
2016年の映画と言う事は富士山の世界遺産登録の3年後。一応、企画は2013年の当時から上がっていたのだろうが、青木ヶ原が自殺する名所と一方的に解釈されぬような変更を加える時間が必要だったのだと思う。日本の映画界のなす術が無い実態が哀れになる。
結果論だが、わがまま言って、無理矢理退院してから遭遇した不幸でしょ。つまり、運命なんだから仕方ないと思うけどね。男の方に否はないのだから、自殺する願望に至る景色が見えてこない。それならば、大月から富士急乗ってバスに乗り換えてやっとこさ着く青木ヶ原よりも、熱海の先で一瞬に「グッバイ・マイ・ラブ」ですよ。大目に見て、今日は花の日。
タイトルなし
とてつもない感動は無いが、渡辺謙から託されたきいろ、ふゆが亡き妻の好きな色、季節だったというところに小さな感動があった。浮気が原因で仲が悪くなり、互いに感謝し合わない夫婦が妻の病気を境に再び距離が縮まるが、交通事故で妻を亡くしたことで自暴自棄となり富士の青木ヶ原樹海で死のうとするマシュー・マコノヒー。何となく渡辺謙はファンタジー、幻ではと気付いたが、心地よかった。
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自宅にて鑑賞。原題"The Sea of Trees"。描かれるつっけんどんでシニカルな生死感とは裏腹にゆったりと流れる救済の物語が不思議にマッチしていた。舞台の青木ヶ原樹海を始め、我国の描かれ方も現実とかけ離れておらず、和を意識したと思われるBGMも悪くなかった。水墨画の様な味わいがある彩度を抑えた画面(特に夜)は、進行と共に徐々に鮮やか味を増し、ラスト近くでは木々の緑の補色に当たる赤い上着とのコントラストで、視覚的にも余韻を残す。繪面同様、幻想的なプロットも好みの分かれる処であろう。70/100点。
・少ない出番乍ら、キーとなる“ジョーン・ブレナン”のN.ワッツ、歳を重ねた等身大な役柄で魅力的に映えた。“アーサー・ブレナン”のM.マコノヒー、この人は自暴自棄な役柄がよく似合い、泣き乍ら愁いを帯びて哂う表情がとても佳い。
・渡辺謙演じる“なかむらたくみ”一人娘の“ふゆ”は良しとして、妻の“きいろ”と云うネーミングは如何なものか──そして日本人には違和感を憶えるこの名が、その儘ネタバレへと繋がる。この為、後半にA.ヨシハラ演じる“メンタル・サポート”が「それ(その名)は……」と解説しかけるのを遮るシーンがある。
・魂の再生とも呼ぶきプロットは、その癒しの過程がただ森を彷徨うだけで変わり映えしない単調な画面や起伏の乏しい展開、神秘的なだけでなくスピリチュアルにも解釈出来るオチ等は、日本国外での評価は必ずしも芳しくなく、第68回カンヌ国際映画祭での初上映後、ブーイングを持って迎えられた。
・森でのロケーションは、青木ヶ原以外でマサチューセッツ州アシュランドでも敢行された。M.マコノヒー演じる“アーサー・ブレナン”が森で最初に発見する死体──仰向けで捻じれた両手を上空に突き出した形状は『羅生門('50)』からの引用である。
・グリム童話内の『ヘンゼルトグレーテル』、霊があの世へ旅立つ際に咲く蘭、クーロンの法則等、伏線が散りばめられている。亦、何度か登場する『巴里のアメリカ人('51)』の劇中曲「天国への階段」の歌詞(訳詞)は、渡辺謙が自ら担当したらしい。
・鑑賞日:2017年2月16日(木)
生と死
数年前に上映された「永遠の僕たち」に通じる感覚と日本的なアミニズム要素が入っているところから、(多分クリスチャンではない)ガスの死生観を垣間見れた気がします。
地味ですが、日本人には受ける作品ではないでしょうか。「永遠の僕たち」では加瀬亮が幽霊になって出ていたし、渡辺謙は不思議と精霊の様に見えたし。主人公を助けるのが、何故か日本の「お化け」なんですね。
ナオミ・ワッツが死んだ理由とマコノヒーが死ななかった理由。生と死は、いつも不条理。ガスにとっての「お化け」は、生を強く求めた時に現れてくれる存在に思いました。
一種のファンタジーとして
は十分良かったです。この手の映画に理解できないとかあり得ないとか嘆いても仕方がありません。日本人女性の名前でキイロには「えっ?」となりましたが意外に重要でした。。。
死を覚悟して他の事はどうでも良いはずの主人公が、迷い人を気遣うという所がかえってリアルに思いました。基本的にとても優しい人なんですね。そういう人はやはり死なせてはいけない…そこに手が差しのべられ希望に繋がっていく、そう素直に受け止めました。
静的マインドファック
不思議な映画。
ガスヴァンサントの映画は、エレファントで衝撃を受けたのだが、
すごく静かで一見穏やかに感じるんだけど、
内面は凄く動揺している。
逆に言えば、凄く動的な事を静的に描いている凄さがある。
この映画も凄く静か。
主人公の過去と現在が静かに進んでいきます。
ヘンゼルとグレーテルの話で道標にパン屑落とす話が出てきました。
主人公は死ぬために来たのだけど、
結局「生」にしがみつく訳ですが、
「死」の世界で「生」への道標を得たわけです。
その道標は妻との記憶であったということでした。
こういうストーリーを考えたとき、
最後にはっとさせよう、
という思いにかられ、
(見ようによってはマインドファックムービーです)
どんでん返し的な演出に走って内容が薄くなる映画が多いですが、
この映画ははそこまでの過程をしっかり描いていて
最後もごく自然に、静かに表現しているので、
よい映画になったのだと思います。
富士の樹海は、映画にとって美味しそうな素材ではあるが、料理するのが...
富士の樹海は、映画にとって美味しそうな素材ではあるが、料理するのが難しい。
ガスヴァンサント監督が作った富士の樹海料理は、食えなくはないけど別に美味くはない。退屈な味で、数日後にはどんな味だったかも忘れちゃいそう。
いや、つまんないとは言わない。
良い所もあった。
救急車の事故るシーンはドキッとしたし、
ラストはほっこりしたし。
ただ日本語がわかる勘の良い人なら早い段階でオチがわかってしまうかも。
樹海の自殺を扱っていながら、どこか晴れやかな気分に。
カンヌでは不評だったという。富士の樹海=自殺の名所という図式になじまないからか?
アーサーに、生きろ!とか、死ぬな!とか、そんなチープな押し付けがましい説教なんて言わない。まるで、それはNGワードだから言っちゃいけない、みたいな。だけど、そのおかげでジョーンの真意を知った瞬間のアーサーの幸福感は極上だった。
キイロとフユって、ミドリとアキとか、アオイとハルとか、そういうののほうが有りそうなんだけどな。いや、ありそうじゃないから、学生が変だよって指摘したともいえるか。
ちなみに僕の場合。タクミの正体、焚火しながらのタクミの視線でピンときた。遅いかな?
まあまあだった
自殺志願者が結局サバイバルをするのが実際いざとなったらそうなのかもしれないけど、だったら行かなきゃいいのにと思ってしまう。レスキュー隊が頼もしくかっこよかった。
樹海をあんなふうに歩いて冒険してみたい。
本当に死にたかったら『君がくれたグッドライフ』みたいにベルギーに行くのがいいのではないだろうか。ただ普通に死にたいだけではやってもらえないのだろうか。
スピリチュアル!!
スピリチュアルな映画
過去に此処で命を落とした霊だったのでは?
命を助けた事で主人公の妻の霊共々昇天出来たと私は考えています
名前の不自然さもあえて観客(とくに日本人)の違和感を誘うものにしたかと…
「春」とか「みどり」ではよくありすぎて「え?」って疑問出ませんからね
主人公の妻の亡くなり方も衝撃的
人は頂点から奈落に落とされるといとも簡単に弱くなる
計算された面白い作品だと思います
ただ他レビューにもありましたが主人公の身体…強すぎ
あんたが霊(ってよりゾンビ)かいってほど(笑)
ミステリアス、スピリチュアル系好きな方にはお薦め
生きていく方便(とてもネタバレしてます)
これだけは言いたい。ヘンゼルとハンサムを読み間違える日本人はいません!
ナカムラタクミが人間だと思っていた頃は、窓際族で英語ぺらぺらって説得力ないわー、こんだけ堪能なら転職できるっしょ?と思っていましたが、ジョーンの魂の化身と解釈しましたので、ならば英語ぺらぺらでオッケーですね。
アーサーもナカムラタクミも、相当死にかけてるのに強かったですね。腹に木が刺さってすぐに歩けるもんですかいな?あんな崖から落ちたら死にません?
あとは、フユは名前でおかしくないっすよ。
他の3つよりは名前への使用率は低いけど、
と、引っかかる点もありましたが、相対的には良かったです。全部見てるわけではないですが、近年のマコノヒーと、ガスヴァンサントは、わたし的にはハズレなしなので。
(渡辺謙の良さは昔っからあんまりわからない…すいません。下手とは思ってません)
ナオミワッツも良かったです。
ジョーンが病気になる前のアーサーは、酷い男です。浮気の過去をネチネチやられるのは当然ですよ?そんなもん一生言われるさ、そのくせ、切れてグラスを投げつけるなんて!!こんのDVヤローめっっ!!と思いましたよ本当に。
年収2万ドルが悪いか?そうは思わないけれど、そのせいで妻にしわ寄せが行くならば生活水準を下げるなりすることあるだろ。あと個人的に大学非常勤講師って人達に嫌なイメージがあるので…ごめんねアーサー、嫌いでした。
でもジョーンが死んで(あの死に方は予想だにしてなかったわ…)、ふらふらと日本に来て富士の樹海で服毒自殺をしようとして、ナカムラタクミに関わって、思いがけず心情を吐露するアーサーを見ていると、なんだか背中さすりたくなりました。
ナカムラタクミが魂はいつもあなたのそばにいる的なことゆっていて、あ、八百万の神の寄り添い方だなぁと思いました。神道だなぁと。で、そのナカムラタクミがジョーンの魂だったと。
わたし自身は魂をそこまで信じてはいません。見たことも感じたこともないからです。幽霊的なことも感じたことがないですし、その手の語り口はあまり好きではないですが、この映画は嫌ではなかったです。
なんでかなーと考えたのですか、多分、その魂は生きている誰かのための存在だからかなぁと。魂自身のために出てきてる感じがしないので、生きてる人が見た希望として受け止められるからかもなーと。
宗教も神様もアーサーが言った通り、人が苦しみの中で作ったものだと思います。生きてゆくための方便として。物語も同じかと。だからわたしは見たり読んだりを続けてると思っています。生きていく方便が欲しいから。
妻の好きな色も季節も知らないと言ったアーサーに、ナカムラタクミは妻はキイロで娘はフユというんだと言います(順番逆ですが)。それはジョーンの好きな色と季節の事だと気づくシーンがラストに来ます。
葬式の回想あたりでそのことに気づき、そのオチ誰から聞くのかなーとおもってました。
あ、ヘンゼルとグレーテルもナカムラタクミが言い出したことで、多分好きな本を、教えてくれたってことか…。今気づいた。
でもジョーンならヘンゼルとハンサムをもっと言い間違えないのでは?えーじゃあナカムラタクミ=ジョーンではない??
深く考えてはダメですね。
生きようと思える
妻ともう一度やり直そうとしていたところでの別れ。
あんな別れ方ならば自殺もしたくなる。
わざわざ青木ヶ原樹海まできてまで自殺しようとする、それだけの決意をさせる絶望を味わったのだろう。
しかしタクミ、、樹海に宿る魂によって生きようともがく。
アーサーの気持ちは浄化された。
アーサーは妻を愛していた。
自殺の名所と聞くと不気味だが、森全体と富士山が映るシーンはこんな緑が美しい場所が日本にあるのか!と思わされる。
結末も前向きな終わりできれいな作品だと思う。
タクミとアーサーが歌っているシーン
妻が浮気を責め、アーサーがワイングラスを投げるシーン
火を焚きタクミとアーサーが語り合うシーン
がすき。
樹海は、たそがれの領域
ガス・ヴァン・サント監督最新作は、『永遠の僕たち』にも登場した「日本的なるもの」はこの作品ではかなり前面に押し出されていました。
富士の樹海に死に場所を求めて米国からやってきたアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)。
米国で彼は、妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)とふたり暮らしていたが、夫婦間に溝が大きくなっていた・・・
樹海の奥へ進むうちアーサーは、ボロボロに衰弱したタクミ(渡辺謙)と名乗る男性と出遭う。
誤って樹海に迷い込んだタクミは2日間も彷徨っているという。
タクミのために、いっしょになって樹海の出口を探すアーサーは・・・というハナシ。
まぁ、勘が良ければピンとくるはず。
チラシをもらったときから、「ははん、渡辺謙は幽霊なのね」と気づきました。
幽霊に導かれて、人生をやり直そうとする男のハナシ・・・と思いました。
当たらずとも遠からじ。
タクミが何のために現われて、誰の霊なのかがミソ(ここは書かない)。
マシュー・マコノヒーと渡辺謙の二人芝居は少々クサくて、ともすれば辟易するのだけれど、米国での夫婦の描写はリアリティがあっていい。
特に、ナオミ・ワッツが上手く、彼女がいないと多分この映画うまくいっていないんじゃないかしらん。
ちょっとした台詞や道具立ても効いた脚本だけれど、少々長いなぁ。
ロッド・サーリングがホストを務めたかのテレビシリーズの一編だとしてもおかしくないハナシなので、もう少しコンパクトにまとめてほしかったところ。
<追記>
原題は「THE SEA OF TREES」ですが、主人公がウェブで探す際に用いる「A PERFECT PLACE」のほうがしっくりきますね。
富士の樹海まで来て、追い詰められていく過程がよかった。 追い詰めら...
富士の樹海まで来て、追い詰められていく過程がよかった。
追い詰められながら、お互いのことを少しずつ知っていくところも気持ちよく見れました。
ラストが、夫婦間の愛情をああいう形で知らない人間には共感できず甘すぎるように感じました。
もっと無情さを感じさせてくれた方が納得できたと個人的には思いました。
「樹海捜索隊」にとっては迷惑な話
渡辺謙が英語で演技するのか。日本人の役なのか。見てみたかった。やはり、○○○であった。作品自体が何を訴えたかったのか、いまひとつであった。樹海へ入っていくうちに立て看板が何本もあったはずなのに。これでは、樹海捜索隊にとっては迷惑な話である。グーグルで「死ぬのに理想な場所」で検索したら「青木が原樹海」がヒットしたのは、全く良いことではないし、それを公表してはならないだろう。本当ならば「削除」すべき。死に場所を決めるのにネットを使うとは滑稽な奴。自殺する人間の心理も、もっと掘り下げて描くべき。Takumiの妻の名前が、「キイロ=黄色」という名前も変だし。日本のことを少しだけ興味がある監督なのだろう。
人は亡くなったら、白い花になるというのも良く判らない。これは、ファンタジー作品か?既にミイラ化していた人間がテントを張る必要があったのだろうか。リストラされた男と愛妻を不慮の事故で亡くした男の物語であるのならば、もう少し緻密に練った作品を作るべきである
ラスト、、。
邦画タイトルが渋過ぎ。なので観客の年齢層が高過ぎ。続けてアイアムヒーロー観たので余計にそう思いました。
内容も渋いですが、ラストの仕掛けで日本人なのに気付かず普通に感動してしまいました。ある意味ラッキーでしたね。
渡辺謙じゃなくても良かったんじゃないかな
んー、、
なんで1人だけ日本人使ったんだろ
ロケ地が日本だから?
合わない!
あと奥さんの死に方が辛すぎるよ
病気とかじゃなくて事故って
そりゃないよ
大切な存在は失ってから気づく
それはしみじみ感じた
ずっと一緒にいたのに
何1つその人のことを知らずにいた
好きな色、季節。。
いつからかお互い感謝しなくても
生活できるようなゲーム
これはミステリーじゃない
そう思ってみると呆気なく
カラクリが分かっちゃった
夫婦って難しい
ありがと
ごめんね
を大切にしよ
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