追憶の森のレビュー・感想・評価
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静謐な情感の物語
マコ兄ィ×ガス・ヴァン・サントというだけで買い、で、その期待通りだった一本。
喪失と再生、そしてファンタジーの物語。
解り易い答えを主人公にベラベラ喋らせるような映画が好みの方にはきっと口に合わないであろう。
「行間を読む」力が大きく問われるのは、監督らしさか。
いや、読んでいるつもりで自分の頭の中に再構築する余地があるから監督の作品が自分は好きなのか。
「今」と「想い出」を行き来する作劇。
その対比と主人公の内面の変化、そしてマコ兄ィの抜群の演技でそれが輝いている。
わけがわからない役でに脇に徹した渡辺健氏も良かった。
妻に対するもはや届かない告解のシーンと言ったら…
そして最後の一匙の「夢物語」がとても余韻を残す。
日本人以上に、物凄い日本的情緒に満ち溢れるこの不思議。
とりあえず自分も樹海へ行ってみたくなった作品。
いや、一晩過ごしてるんだけどね、安全なところだけれども…
樹海は、たそがれの領域
ガス・ヴァン・サント監督最新作は、『永遠の僕たち』にも登場した「日本的なるもの」はこの作品ではかなり前面に押し出されていました。
富士の樹海に死に場所を求めて米国からやってきたアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)。
米国で彼は、妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)とふたり暮らしていたが、夫婦間に溝が大きくなっていた・・・
樹海の奥へ進むうちアーサーは、ボロボロに衰弱したタクミ(渡辺謙)と名乗る男性と出遭う。
誤って樹海に迷い込んだタクミは2日間も彷徨っているという。
タクミのために、いっしょになって樹海の出口を探すアーサーは・・・というハナシ。
まぁ、勘が良ければピンとくるはず。
チラシをもらったときから、「ははん、渡辺謙は幽霊なのね」と気づきました。
幽霊に導かれて、人生をやり直そうとする男のハナシ・・・と思いました。
当たらずとも遠からじ。
タクミが何のために現われて、誰の霊なのかがミソ(ここは書かない)。
マシュー・マコノヒーと渡辺謙の二人芝居は少々クサくて、ともすれば辟易するのだけれど、米国での夫婦の描写はリアリティがあっていい。
特に、ナオミ・ワッツが上手く、彼女がいないと多分この映画うまくいっていないんじゃないかしらん。
ちょっとした台詞や道具立ても効いた脚本だけれど、少々長いなぁ。
ロッド・サーリングがホストを務めたかのテレビシリーズの一編だとしてもおかしくないハナシなので、もう少しコンパクトにまとめてほしかったところ。
<追記>
原題は「THE SEA OF TREES」ですが、主人公がウェブで探す際に用いる「A PERFECT PLACE」のほうがしっくりきますね。
日本の神秘をうまく利用
青木ヶ原樹海を舞台にした洋画ということでどのような展開になるのかドキドキしながら見進めていきましたが、主演のマシュー・マコノヒーの喪失感に寄り添う渡辺謙の存在意義、隠された秘密。さすがガス・バン・サント監督。とにかく雰囲気がすごく良い作品です。
外国人から見た日本の精神世界的なイメージを作品の持つ神秘性として位置づけたことが、なるほど日本をそして青木ヶ原を舞台にした理由なのだなと、後半、作品の意図するものに気づいてからは鳥肌たちまくり、涙溢れてなりません。素晴らしい構成の作品でした。
愛する人に素直に向き合い、そして心から大事にする気持ちを改めて胸に刻みました。
富士の樹海まで来て、追い詰められていく過程がよかった。 追い詰めら...
富士の樹海まで来て、追い詰められていく過程がよかった。
追い詰められながら、お互いのことを少しずつ知っていくところも気持ちよく見れました。
ラストが、夫婦間の愛情をああいう形で知らない人間には共感できず甘すぎるように感じました。
もっと無情さを感じさせてくれた方が納得できたと個人的には思いました。
「樹海捜索隊」にとっては迷惑な話
渡辺謙が英語で演技するのか。日本人の役なのか。見てみたかった。やはり、○○○であった。作品自体が何を訴えたかったのか、いまひとつであった。樹海へ入っていくうちに立て看板が何本もあったはずなのに。これでは、樹海捜索隊にとっては迷惑な話である。グーグルで「死ぬのに理想な場所」で検索したら「青木が原樹海」がヒットしたのは、全く良いことではないし、それを公表してはならないだろう。本当ならば「削除」すべき。死に場所を決めるのにネットを使うとは滑稽な奴。自殺する人間の心理も、もっと掘り下げて描くべき。Takumiの妻の名前が、「キイロ=黄色」という名前も変だし。日本のことを少しだけ興味がある監督なのだろう。
人は亡くなったら、白い花になるというのも良く判らない。これは、ファンタジー作品か?既にミイラ化していた人間がテントを張る必要があったのだろうか。リストラされた男と愛妻を不慮の事故で亡くした男の物語であるのならば、もう少し緻密に練った作品を作るべきである
日本人なら理解出来る良作
まずこの作品がハリウッド作品であることが驚きである。
噂であるがカンヌでは低評価だったらしい。
そりゃそうだろう。
悪い作品だからそう言うのではない。
日本人なら自然に理解出来てなかなか爽やかなエンディングで終始重たい雰囲気が一気に晴れるような作品である。
では、なぜかそれは死生観の違いである。
映画ジャンルで言うともっとわかりやすいがネタばれになるのでやめておく。
とにかく、同じ作品を見ても映画ジャンルが変わってしまうほど違いがあるので作品の意図が伝わるわけがない。
もっとも日本では高評価が期待出来る素敵な作品である。
ラスト、、。
邦画タイトルが渋過ぎ。なので観客の年齢層が高過ぎ。続けてアイアムヒーロー観たので余計にそう思いました。
内容も渋いですが、ラストの仕掛けで日本人なのに気付かず普通に感動してしまいました。ある意味ラッキーでしたね。
ガスバンサントとマコノヒーと渡辺謙でこうなるとは、、、
ほぼ思っていた通りの話で驚いた。
ストーリーには全く新鮮味はない。
青木ヶ原に悪いイメージがついてしまうのでは、、、。
日本人が棒読みになるのも。
ガスバンサントじゃなくて日本人が取った方が日本人にはいいのだろう、きっと。
冷蔵庫マンの言いたかったことは何だったのかなぁ、、、
少し消化不良…
渡辺 謙が扮する役割がよくわからなかったなぁ。彼は結果的に何のために主役マコノヒーの前に現れたのか?ゼログラヴィティ並みの2人切りのシーンが続くが、ラストとの繋がりが未だスッキリしない。妻が救急車の事故で亡くなるのは唐突で意味不明。腫瘍で亡くなった方がわかりやすかったのでは?本音、もう少し衝撃的な展開を期待していたのでガッカリ感は否めず。
色んな誤解を生みそうで怖い。
青木ヶ原樹海があんな形でハリウッド映画で出てしまうと、自殺するために来る外国人や、興味本意なだけのつもりが帰れなくなる人が増えそうで…実際の現場のレスキュー達の手間を増やさないで欲しい。
映画自体は、あちこち怖い所もあったけど、穏やかなラストに落ち着き、最終的にはファンタジーなのか?って不思議な映画でした。
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