追憶の森のレビュー・感想・評価
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希望をしてるな
コメディ??
解放へ
生と死
数年前に上映された「永遠の僕たち」に通じる感覚と日本的なアミニズム要素が入っているところから、(多分クリスチャンではない)ガスの死生観を垣間見れた気がします。
地味ですが、日本人には受ける作品ではないでしょうか。「永遠の僕たち」では加瀬亮が幽霊になって出ていたし、渡辺謙は不思議と精霊の様に見えたし。主人公を助けるのが、何故か日本の「お化け」なんですね。
ナオミ・ワッツが死んだ理由とマコノヒーが死ななかった理由。生と死は、いつも不条理。ガスにとっての「お化け」は、生を強く求めた時に現れてくれる存在に思いました。
空気感、リズムが良かったと思う。違和感を感じ部分もあるけど、全体を...
一種のファンタジーとして
は十分良かったです。この手の映画に理解できないとかあり得ないとか嘆いても仕方がありません。日本人女性の名前でキイロには「えっ?」となりましたが意外に重要でした。。。
死を覚悟して他の事はどうでも良いはずの主人公が、迷い人を気遣うという所がかえってリアルに思いました。基本的にとても優しい人なんですね。そういう人はやはり死なせてはいけない…そこに手が差しのべられ希望に繋がっていく、そう素直に受け止めました。
観ていたい!とは思えなかった
死の入り口、生の出口
2015年のカンヌ国際映画祭で上映されるやブーイングを浴び、ガス・ヴァン・サント監督のワースト作とまで。
確かに万人受けしそうな作品ではないが、そこまで酷い作品ではなかった。
最も、この監督の生死を扱った作品は取っ付き難いものが多いが。
死の為に死の場所を訪れた主人公がそこで見出だしたのは“生”。
死を通して生を浮かび上がらせる、話の展開的には悪くない。
海外で不評だったのは、東洋的な死生観。
でも輪廻転生などは日本人には分かるものなので、本作は日本人が見ると普通に見れるわけ。
欧米(だったかな?)の死者がヴァルハラで待っているというものが日本人にはピンとこないのと同じ。
それより、話の作りで難点が幾つか。
ほとんど森の中が舞台なのでヘンな日本描写はあまり見られなかったが、主人公が出会う日本人が都合よく英語を喋れるのは何もこの作品に限った事じゃないが何とかならないものか。
また、主人公は妻を亡くしている。それが自ら命を絶とうする理由。
妻は腫瘍が見つかり、手術は成功して、不仲だった妻と関係が良好になるが…、あのシーンは妻がどうなるかすぐ察しが付き、ちょっと安直であった。
それと、何でアメリカ人が自殺の為にわざわざ青木ヶ原樹海を訪れる不思議は分からんでもない。
マシュー・マコノヒーと渡辺謙の演技にケチを付ける人は誰も居ないだろう。
特に、焚き火を前にしての二人の抑えた会話のやり取りは本作のハイライト。
「フールズ・ゴールド」なんて駄作に出てた頃を思うと本作のようなマコノヒーの演技には誇らしいものを感じるし、渡辺謙の役柄は人それぞれの解釈。
日本人には“陰”のイメージがある青木ヶ原樹海が美しく撮られている。
東洋的な神秘さが生と死を包む。
静的マインドファック
不思議な映画。
ガスヴァンサントの映画は、エレファントで衝撃を受けたのだが、
すごく静かで一見穏やかに感じるんだけど、
内面は凄く動揺している。
逆に言えば、凄く動的な事を静的に描いている凄さがある。
この映画も凄く静か。
主人公の過去と現在が静かに進んでいきます。
ヘンゼルとグレーテルの話で道標にパン屑落とす話が出てきました。
主人公は死ぬために来たのだけど、
結局「生」にしがみつく訳ですが、
「死」の世界で「生」への道標を得たわけです。
その道標は妻との記憶であったということでした。
こういうストーリーを考えたとき、
最後にはっとさせよう、
という思いにかられ、
(見ようによってはマインドファックムービーです)
どんでん返し的な演出に走って内容が薄くなる映画が多いですが、
この映画ははそこまでの過程をしっかり描いていて
最後もごく自然に、静かに表現しているので、
よい映画になったのだと思います。
つらかった
タイトルなし(ネタバレ)
富士の樹海は、映画にとって美味しそうな素材ではあるが、料理するのが難しい。
ガスヴァンサント監督が作った富士の樹海料理は、食えなくはないけど別に美味くはない。退屈な味で、数日後にはどんな味だったかも忘れちゃいそう。
いや、つまんないとは言わない。
良い所もあった。
救急車の事故るシーンはドキッとしたし、
ラストはほっこりしたし。
ただ日本語がわかる勘の良い人なら早い段階でオチがわかってしまうかも。
英会話の森。
青木ヶ原の樹海に清々しい印象を抱く日本人は皆無だと思われるが、
外国人にとっても、何でわざわざ自殺しに日本へ行くんだ?という
お叱りの言葉がかなり多かったらしい…^^;まぁ、それはさておき…
どう見たって自殺なんて考えそうにないマコノヒー氏が死に場所を
求めて樹海へとやってくる。理由は妻の死になるのだが、なぜ?と
いうその真相はやっと後半の方で語られる(確かにあんまりな最期)
そして樹海の中で出逢う日本人タクミはなぜか英語がペラペラ^^;で
かなり珍しい妻と娘の名前を教えたりする。不自然、これは不自然!
と大いに訝りながら最後まで観た方が後でスッキリする作品である。
ホラーというよりミステリー性が高いが、怖いという印象でもなく、
(これは謙さんの影響強し)最後は本当に清々しい気持ちにまでなる。
樹海という超自然な地帯で繰り広げられた舞台劇のようなリアル感
も、突然登場する不可思議な日本人にかなり気分がそがれるけれど。
(あそこまで行き思い止まる人もいるのね。立て看板がリアルだった)
樹海の自殺を扱っていながら、どこか晴れやかな気分に。
カンヌでは不評だったという。富士の樹海=自殺の名所という図式になじまないからか?
アーサーに、生きろ!とか、死ぬな!とか、そんなチープな押し付けがましい説教なんて言わない。まるで、それはNGワードだから言っちゃいけない、みたいな。だけど、そのおかげでジョーンの真意を知った瞬間のアーサーの幸福感は極上だった。
キイロとフユって、ミドリとアキとか、アオイとハルとか、そういうののほうが有りそうなんだけどな。いや、ありそうじゃないから、学生が変だよって指摘したともいえるか。
ちなみに僕の場合。タクミの正体、焚火しながらのタクミの視線でピンときた。遅いかな?
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