「味わい深い。」追憶の森 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
味わい深い。
僕にとっては問題監督であるガス・ヴァン・サント。初期の頃のややとんがった感じの作品は受け入れられたが、カンヌをとった「エレファント」あたりからあやしくなってきて、エンタメ傾向だと思われた「プロミスト・ランド」はパスしてしまった。
だが、気になる監督ではある。
今回は、日本が舞台で渡辺謙も出ているということで、要チェック作品になった。
悲しい物語ではあったが、いい映画だった。
青木ヶ原には、たまに行ってみたい誘惑にかられる。無論死ぬ気などないのだが、どんな場所なのか見てみたい。
本作に描かれたように、要所要所に死を思いとどまらせるような看板が、実際にあるのだろうか。
アーサー(マシュー・マコノヒー)に寄り添うように映画は進んでいく。樹海に入り、タクミ(渡辺謙)と出会い、タクミに自分の思いをぶつけるところでは、アーサーとシンクロする自分がいた。
ガス・ヴァン・サントは脚本に従って演出した感がある。その脚本はクリス・スパーリング。「リミット」「ATM」の人ときくと、本作の味わいはサントの功績なのかとも思う。
いずれにしても、いい具合の作品になった。
コメントする