「新しいが…」GAMBA ガンバと仲間たち U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
新しいが…
TVシリーズだった旧「ガンバの大冒険」
俺の人格形成に多大なる影響を与えたような気がしてる。
ビデオテープでリリースされた全話を購入し、再編集された劇場版も持ってる。
違うのは承知で観に行ったけど、ちょと感動した。
でも、野沢版ガンバの勇気や折れない心、天真爛漫さ、猪突猛進ぶり、超前向きなところ…その他諸々、やっぱり現ガンバは敵わない。
野沢版が持ってた太陽のような力がなかった。
ちょっと無鉄砲な、ちゃんと理性に則ったキャラで、残念だった。
上映時間の短さ故、絆の希薄さや冒険譚の省略がなんとも歯痒い…。
…絵自体もCGでありながら奥行感が少なくノッペリした印象。
ノロイがネズミに差し出す果物に至っては、立体感が皆無だった。崩れないし、動かない…。
悪の描き方や、表情、リアクションなどアメリカっぽく、鼻につく。
ただ背景はすこぶる良かった。
OPの街の空撮など身震いする程だった。
何より気になるのは、神田沙也加のブレスが気になって仕方なかった。
透き通るような声を持ってるんだから今後研究していただきたい。
そんな中、野村萬斎演じるノロイの達者な事…終始オペラというか、台詞に調べがあるような感じではあったが、ハマりまくってた。あれで素の部分を表現できるカットがあれば、かなりノロイの怖さが強まる。
倍賞千恵子さんといい、萬斎さんといい野沢さんといい、ベテランの地力を再確認した。
野沢さんのガンバをもう一度観たい。
もう後がない、でも踏ん張れ!
「シッポを立てろぉぉっ!」
この台詞が耳の奥から響いてくる。
…そういえば、この台詞なかったな。
俺の中のガンバはバカでおっちょこちょいなんだ。
考えるより先に、動いちゃうヤツなんだ。
そいで一杯失敗すんだけどめげないんだ。
でも、
正しい事を正しいと叫ぶ勇気を持ち、信念を曲げない意思の強さを持ってる。
弾丸のように走り、敵に突っ込んでくんだ。
小さな小さなネズミが、何倍もあるノロイを前に臆する事なく睨みつけ、挑みかかる。
でも、ダメだ…やっぱり敵わないよ…
そんな弱気に襲われそうな時
「シッポを立てろぉぉっ!」
ガンバは叫ぶ。
自分を鼓舞し、仲間を鼓舞する。
そんな野沢版ガンバが大好きだった。
今も、思い出しながら書いてると目頭が熱くなって涙が滲む。