エクス・マキナ : 特集
映画ファンの公開熱望がついにかなった、A・ビカンダー=A.I.役のSFスリラー!
「マッドマックス」「スター・ウォーズ」を退けたアカデミー賞作が、今、解禁!
2016年のアカデミー賞で、数々の大作を退けて視覚効果賞を受賞した話題作「エクス・マキナ」が、いよいよ6月11日に日本公開。「28日後...」「わたしを離さないで」の脚本家アレックス・ガーランドの監督デビュー作で、「リリーのすべて」のアリシア・ビカンダーが謎めいたアンドロイド役を演じるSFスリラーは、なぜここまで映画ファンを引きつけるのか?
「どうして公開しないんだ?」「早く見たい!」「やっと、ついに、日本公開!」
こんなにも《映画ファンが公開を待ち望んでいた作品》は久々!
全米公開から日本での公開までに、ある程度のタイムラグが生じてしまうのが洋画の常。映画ファンはその度に「早く日本でも公開されないかな」と待ち焦がれることになるのだが、これほど待ち望まれた作品が現れるのは本当に久々ではないだろうか。
その作品とは、「エクス・マキナ」。全米では15年4月に4館から公開がスタートし、2000館規模にまで拡大公開。4週連続で週末興行ランキング入りするスマッシュヒットを記録しただけではなく、全米有力批評サイト「Rotten Tomatoes」では92%(2016年5月現在)という高スコアを叩き出した。日本でも一部のWebメディアや衛星放送で取りあげられ、耳の早い映画ファンの注目を集めていた本作だが、その存在は、アカデミー賞受賞によって一気に知られることになる。大本命と目されていた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」や、最新技術が注ぎ込まれた「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を向こうに回し、大番狂わせでアカデミー賞視覚効果賞受賞を果たしたのだ。さらには、アンドロイド役を演じた新鋭女優アリシア・ビカンダーが、「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を獲得。本作は一躍「要注目のアカデミー賞作品」として、映画ファンに期待される1本となった。
「どんな映画なんだろう……?」「日本公開はいつ?」と、Twitterを中心に騒がれつつも、なかなか決まらない日本公開に、ファンの期待は否が応でも高まっていく。3月の「日本公開決定」のニュースには、「おお、ついに日本公開!」「エクス・マキナがやっと日本公開ですか! 待ちくたびれた」「やっと『エクス・マキナ』が日本公開されるのか」「ついに……エクス・マキナの予告が来た……」と大きな喝采が送られた。
「いちばん楽しみにしてる映画」「『エクス・マキナ』、気になるねえ」「ああ……早く見たい」「エクス・マキナすごい楽しみ!」との声がネットにあふれる本作。日本公開が待ち切れない者のなかには、海外版ソフトを取り寄せて鑑賞した猛者までいたという待望の話題作が、ついに解禁される。
なぜ映画ファンたちは、ここまで本作の公開を熱望していたのか?
「エクス・マキナ」の魅力を映画.comが徹底解剖!
なぜ本作が、ここまで期待をあおり続けているのか? キャスト、監督、ストーリー、特殊効果──映画ファンを刺激する「ツボ」を紹介しよう。
今最も注目すべき若手女優のひとりが、「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を獲得したアリシア・ビカンダー。シリーズ最新作「ジェイソン・ボーン」のヒロインに抜てきされただけでなく、リブート版「トゥームレイダー」の主演も決定。清純でも妖艶でもあり、抜群の演技力を誇る彼女が、美しくミステリアスなアンドロイドを演じ切っているのだ。
「まさか僕らがもらえるなんて!」と、関わったスタッフ自身が驚いたアカデミー賞視覚効果賞の受賞。アンドロイドのデザインや、近未来的なガジェットの数々、ガラスの反射や映り込みの表現など、「怒りのデス・ロード」「フォースの覚醒」「レヴェナント 蘇えりし者」「オデッセイ」等、並みいる大作を抑えて獲得したセンスあふれる偉業を確認したい。
限られた人物しか登場しない密室空間でのサスペンスという、緊張感にあふれたストーリーも見逃せない。メガホンもとったアレックス・ガーランドによる脚本は、斬新な設定と現代社会への警鐘、そして哲学的なテーマまでを持ち合わせ、アカデミー賞を筆頭に、英国アカデミー賞、ヨーロッパ映画賞、放送映画批評家協会賞で脚本賞ノミネートを受けているのだ。
ビカンダー以外の出演陣にも、気鋭の実力派俳優がそろっている。グリーソンとアイザックは、すでに敵対する役柄として「フォースの覚醒」で共演済みだが、「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(グリーソン)、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(アイザック)で高く評価されてきた実力者。グリーソンは「ブルックリン」、アイザックは「X-MEN:アポカリプス」と、今後も出演作が続く注目株だ。
目の肥えた映画好きなら、本作がアレックス・ガーランドの監督デビュー作である点にも心が騒ぐはず。「ザ・ビーチ」(原作)、「28日後...」(脚本)、「サンシャイン2057」(脚本)、「28週後...」(製作総指揮)と、ダニー・ボイル監督との強力なコラボレーションで才能を発揮。「わたしを離さないで」の脚本でも知られる名クリエイターが、映像世界でもそのセンスを爆発させているのだ。
仕事人間のあなたへのご褒美は「憧れのカリスマ社長と2人で別荘で過ごすこと」
だが、そこは壮大なA.I.の実験場だった──密室SFスリラーの《新たな傑作》誕生!
全米で高く評価され、そして日本の映画ファンをここまで待ち望ませた作品は、いったいどんな物語なのか。それは、検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社「ブルーブック」でプログラマーとして働くケイレブ(グリーソン)が、社内公募に当選し、同僚たちから祝福を受けるシーンから幕を開ける。
ケイレブに与えられた特権は、カリスマ社長・ネイサン(アイザック)が所有する山間の別荘に1週間滞在できるというもの。圧倒的な技術力とアイディアで巨万の富を築きながらも、めったに人前には姿を現さない謎めいた人物と過ごせるとあって、ケイレブは期待に胸を躍らせるが、ヘリで数時間飛ばないとたどり着けない別荘で彼を待ち受けていたのは、人工知能を搭載した女性型アンドロイド“エヴァ”(ビカンダー)に感情が芽生えているかを判断するという不可思議な実験だった。ケイレブはエヴァの美しい姿と知性にすぐに引きつけられるが、彼女はケイレブに「ネイサンの言うこと一切信じないで」と告げる。果たして、エヴァの真意とは……?
閉ざされた別荘という限定された空間と、ケイレブ、ネイサン、エヴァ(と、ネイサンの身の回りの世話を行うキョウコ)の限られた人物しか登場しないミニマムな舞台設定で、3人の思惑が交錯する7日間が、張り詰めた緊張感とともに描かれる。セットや美術にあふれる洗練されたセンスと、人間と人工知能の主従関係、人間は何をもって人間たり得るのか?という深遠なテーマ性。新たなる密室SFスリラーの傑作が誕生したと言えるだろう。