奇跡の2000マイルのレビュー・感想・評価
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ラクダと愛犬と砂漠を横断すると決めた女性の実行力
誰にも理解されないことでも当人にとっては大きな意味がある、というのはよくあることだが、これほどパーソナルでありながらスケールの大きいケースも珍しかろう。というのも、ミア・ワシコウスカ演じる主人公は、なぜかひとりでオーストラリアの砂漠を歩いて横断することを決意し、そのために荷物を運ぶにはラクダがよかろうと考え、まず、ラクダの調教の修行をするところから始めるのだ。
堅実なのか無謀なのか、近道なのか遠回りなのか、外野からだとさっぱり判断がつかないのだが、この若い娘が不退転の決意と強い意志を持って、この冒険に挑もうとしていることは伝わってくる。
なんなら人間といるよりラクダと砂漠にいるほうが落ち着く、というメンタリティは理解できるような気もするが、本人にしたらわかったつもりになられてたまるかという気持ちもあるのではないか。そんな世の中の特殊ケースを、大自然の過酷さを踏まえつつも、非常に美しく切り取っている。
オーストラリアの砂漠をさまよう名作映画にニコラス・ローグ監督『美しき冒険旅行』があるが、本作は『美しき冒険旅行』へのオマージュシーンもあって、実話ベースとはいえ幻を見ているような不思議な感覚がある。ミア・ワシコウスカの浮世離れしたような持ち味と不器用そうな雰囲気も、この役にハマっていて素晴らしい。
ながら視聴で楽しめました
比較的、ストーリーのヤマ場だったり、主人公の成長とか、感情の起伏がおとなしめのずっと砂漠ばっかり出てくる映像で、ぼーっと何もしたくない時に最後まで一気に見ることができました。
それはまるで、ゆっくりと歩を進めるラクダのように、ストーリーは前へと進行しているのですが、一本の映画に上手に収まってなんかホッとできる内容でした。
でも見終わったあとに、色々と考えてしまうのもこの作品の良さで、最近の映画では、余白を残す事がないのだなと、改めて認識しました。
ハラハラドキドキとか、目を見張るような奇跡のアクションとか、感動のラストシーンとかはありませんが、じわっと染み込んでくる癒しと、かすかに臭ってくる死の予感が、この映画に独特の緊張感を与えています。
『ライフ・オブ・パイ』『キャストアウェイ』『ウェイバック 脱出6500km』なんかとテイストが近いと思いました。
『スターウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライバーが出演していますが、存在は感じませんでした。
ダメージ受けた。
ネタバレだけど、犬注意報です。
一番心が痛くなった。
感想
よかった。
いまいち旅の過酷さが伝わらない…と思った。
日本の縦断する人とかテレビで見たことあるけどすごくキツそうだった。
自転車旅もテレビや本で読んだものはどれもキツそうだった。距離はこの映画より全然短くても…。
そもそも旅は大変だけど、人に会わないコースで砂漠で変わり映えしない景色で、暑い中を歩き続けるのは想像できないくらいキツいと想像してみてた。もちろん想像できない。
砂漠といっても、荒野・干ばつ・砂丘など種類があった。そういう面で精神的に来そうだと思った。
過酷さは映像からそんなに伝わってこなくて、孤独とかの方が感じた。
エディ来てからめっちゃ楽しくなる。めっちゃおしゃべりでかわいい。別れるのが悲しかった。
エディが偏見を利用して脅かす真似で3ドルもらってたとこがよかった。
動物の死体を見つけて捌こうとした時、アボリジニの教えを尊重してやめたことが、ワンちゃんの悲劇に繋がった。
過酷な環境では食を優先しないといけなかった。人間は理性があるけど、ワンちゃんは自分の食欲に純粋だった。
精神的な面にフォーカスしてると思うけど、あまりわからなかった。何を考えながら歩いていたんだろう。彼女のことを思って私が考えてしまう。
本なら書いてあるのかな。
どの辺歩いてるのか土地勘なくて全然わからないけど、楽しめた。
あまりいい感想にみえないと思うけど、全然退屈しなかった。淡々としてる映画。けどずっと興味を持ってみてた。
誇張してなくて、さらっと終わってしまった。この映画らしい。
荒野を踏破した女性の物語、期待どおりで期待以上では無い映画
オーストラリアの荒野を女性一人で旅をした実話を基にした物語。
旅支度までは主人公が想いを声に出していたのだけど、旅が始まってしまうと急に寡黙になって旅の辛さだけが永遠流れてくる。
美しい自然と過酷な環境を捉えた映像は素晴らしいのだけど、台詞や想いが少なすぎて少しガッカリ。
イントゥーザワイルドの寡黙女子版
砂漠を旅してその先にあった心のオアシスを 見ることが出来た作品!
オーストラリアを70日間かけてラクダと愛犬のディキティと旅をしたロビンの姿は、アクシデントが起きたり、思いどうりにならなかったロビンの人生そのものでした。
愛犬と別れたつらい過去を乗り越えて、
上手くいかないことがあっても、過酷なサバイバルに挑戦していくラクダレディ、ロビンの姿がありました。
砂漠の灼熱、蜃気楼が見えるなかにアボリジニーの人たち、カメラマンのリックとの交流がありました。
旅の途中での愛犬、ディキティとの悲しい別れは自分の顔を舌で舐めてくれていた触れ合いを思い出しながら見ていました。
ラストは水を得た魚のように活き活きとした
ロビンの表情を見ることが出来ました。
旅を通して、自分も自然の一部だと思えるようなストーリーでした。
【”居場所の無い孤独な私の一人旅。”オーストラリア西部の砂漠を縦断した女性の実話を描いた作品。孤独感を抱えていた一人の若き女性が、様々な人たちの温かき対応に支えられ、成長する姿が印象的である。】
■自分の居場所が見つけられず、ひとりオーストラリア中央部の町、アリス・スプリングスにやってきた24歳のロビン(ミア・ワシコウスカ)。
西部に広がる砂漠を縦断してインド洋を目指す旅を決意した彼女は、4頭のラクダに荷物を載せ、愛犬1匹を連れて壮大な旅路へと繰り出していく。
◆感想
・レビュータイトルには”孤独と記したが、彼女は”ナショナル・ジェオグラフィック”に支援を求め、カメラマン、リック・スモーラン(アダム・ドライヴァー)が時々、彼女の旅の姿を撮りに来る。
ー 最初は、ロビンはリックが邪魔そうであるが、少しづつ打ち解けていく。-
・ロビンはアボリジニのエディと出会い、言葉は通じないながらも、心が通じていく。
ー そして、アボリジニの風習を大切にする、ロビンの姿。-
・愛犬を無くしたり、道迷いしながら一歩づつロビンはインド洋を目指すのである。
ー 肌は日焼けでボロボロ。サンダル・・。痛々しいが、荒野の一軒家の夫婦に助けられながらも彼女は歩みを止めない。-
<今作は、時折フラッシュバックの様に映されるロビンの幼き時の哀しき思い出を挿入しながら、孤独感を抱えていた一人の若き女性が、様々な人たちの温かき対応に支えられ、旅を続ける姿が印象的である。
何よりも、ロビンが漸く砂丘を越えて辿り着いた青いインド洋の風景と、待っていたリックと抱き合う姿が素晴しき作品である。>
ど根性らくだ
どんなに他人から無謀と言われようが、単独オーストラリア砂漠踏破がしたいロビン。ただの無茶なおねえちゃんかと思いきや、情報収集や事前準備はしっかりしている。が、それにしても頑固だ。人のアドバイスに従うこともあるが、自分でできると判断したら、絶対曲げない。これくらい強くないと、こんな辛いことやろうと考えないでしょうね。それに、彼女のバックボーンもだんだん見えてくると、少しだけ共感できる。止めてくれるな、行かねばならぬ、行かねばならぬのだー。
道中、下着姿や裸で歩くロビン。人間は人目がないと、真っ裸でいても平気なんだね。ラクダも犬も、なーんも気にしないしー。埃だらけで、乾燥してカピカピの顔をさらす、ミア・ワシコウスカの女優魂に脱帽。
アダム・ドライバーがカメラマン役で登場。都会人で良識的、でも野心家でもあり、ロビンと対極にいる存在である。ロビンに振り回されながらも、彼女を心配し、サポートする、気のいいお兄ちゃんである。
アボリジニの考え方や、聖地の捉え方を少し知ることができた。もっと掘り下げてもいいくらい。言葉が通じなくても、しゃべり続けるアボリジニのおじさんがかわいい。伝えたい、わかりたいと思えば、気持ちは通じるんだなぁ。
オーストラリアに家畜のラクダと野生のラクダがいるとは、初めて知った。ラクダの鳴き声…あまり長時間聞きたくない…。壊れたラッパみたい。でも、こどものラクダはかわいい。この映画を観て、ラクダはやはり横顔に限る、と痛感した。正面顔は、どこかこわい。
ロビンの飼い犬ディギディがけなげ。こんな暑いところをひたすら歩いてさー。あげく、毒物を拾い食い(?)してしまうとは。さ、寂しい。ロビンがコンパスを探して歩きまわり、もと来た方向がわからなくなった時も、素晴らしい活躍をしたのに。犬は頼りになる。そして、愛おしい。ロビンがディギディを恋しがって泣いた時は、私も泣けたよ。えーん。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
革のサンダルと素足・命の水 〜 キャメル・レディ
4頭のラクダと愛犬ディギティと共に、単独でオーストラリアの砂漠を横断しインド洋に向かう旅をした女性ロビン・デヴィッドソンをミア・ワシコウスカが熱演。
ラクダの生態( 鳴き声・顔付き )が印象深く、ドキュメンタリーかと感じる程に、主演のミア・ワシコウスカとラクダ達 🐪( ドゥーキー・バブ・ゼリー・ゴライアス )、愛犬ディギティと触れ合う姿がリアル。
ラストシーンが感動的で、エンドロールで映されるロビン・デヴィッドソンの写真もまた美しい。
ーナショナルジオグラフィック協会
ー7:30a.m.
ーディギティに会いたい
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕)
淡々と…
何があったら、過酷な旅に出られるのか?
説明もあったけれど、凡人の私にはわからなかった。
砂漠をエンドレスで歩くってどういう事なのかなぁ?実話なのですね。凄すぎです。
美くしい風景に魅せられました。
英国が宗主国のオーストラリアは、今でも白人至上主義を取っている。
エクセレントですね。彼女、道に迷う場面で、犬の帰巣本能を利用するが、それが特に感動した。
こう言うのをパイオニアワークって言う。
ロケット使って、宇宙に行くよりも大変。ロケット使うから、犬でも宇宙は行ける。
伝記映画になるから、その点は差し引いても、彼女のやったことには称賛したい。
なお、オーストラリア先住民が登場するが、英国が宗主国のオーストラリアは、今でも白人至上主義を取っている。アメリカのネイティブアメリカンに対する迫害と同様に。
カナダ、ニュージーランド、オーストラリアは英国が宗主国であることを忘れてはいけない。どの国も白人の単一民族国家としている。
主人公の旅も長いし、映画も長く感じました
よく女性一人で旅しようなんて思うな。実話というから驚く。アボリジニの人と一緒になった時はホッとしたけど、また一人に。カメラマンが時々援助してくれるから完全な単独ではないけど良く頑張ったなと思う。命懸けで横断する目的は私には理解不能。でもこんな映画なかなかないしラクダの事も少し勉強になった。この女性の目的達成の為に、野生のラクダが犠牲になるのは納得出来ない。
奇跡を起こそうとはしていない
映画でないと辿れない形での軌跡。冒険という点では共通しますが主演 ミア・ワシコウスカ の アリス・イン・ワンダーランドとの透明感の対比がとても魅力的です。邦題のタイトルとはメッセージが違う気もします。
かわったやっちゃなあ
中盤あたりまで、かわったやっちゃなあ、という思いしか沸き上がらず心ここにあらずといった感じで観ていたのだが、最後まで通しで見終えた感想は、悪くない。
変わり者の女の子という見方から抜け出せるか、そこがポイントになりそうな映画。ダメな人は結構いると思う。はっきりいって人嫌いの変わり者過ぎて理解に苦しむ。ほぼ世捨て人、女の子なのに。。
ただ、ちょっとづつ変ってくる。ガイドにアボリジニのおっさんが付くあたりから。
あと、わんこのくだり。子供のときに別れたわんこ(殺処分)への悔恨の念がこの人の中で大きかったのでしょうか。原作どうか知らんが、作中では印象的に描いている。
どうも、登山家とか冒険家とは違う人種に思う。達成することが動機ではなさそうな、なんか、哲学者とか悟りを求める求道者みたいな。そもそも凡人が答えを必要としない領域で自問自答している。だから、かわったやっちゃなあ、と思われるのは仕方ない。
何かを得、凄い事をやってのけたのだけど…
1977年、愛犬と4頭のラクダを連れて、約2700キロに及ぶオーストラリアの砂漠地帯を踏破した女性、ロビン・デヴィッドソンの回顧録を映画化。
人生を模索する若い女性の一人旅/自分探しの旅は、映画に打ってつけ。
辿り着いた先に見出だしたものは…
一人旅とは言っても、お供が。そのお供がやはり意表付く。
愛犬はまだしも、ラクダ! ユニークだが、旅の舞台である砂漠では心強い連れ。
その砂漠地帯やオーストラリアの殺伐とした地方の広大な映像。大自然の厳しさ、雄大な美しさを伝えるに充分。
旅に出会いや別れは付き物。
旅に出る前、ラクダの調教や譲ってくれた牧場主たち。
彼女の旅に興味を持ち、写真に収めたカメラマンの青年。
その一方…
旅の途中で、辛すぎる別れ。自らの手で、苦しむ欠けがえのない“相棒”を…。
このシーンは胸に迫った。
旅は過酷。旅と言うより、サバイバルと言ってもいい。
髪はボサボサ、肌は荒れ、身体中乾燥。
ミア・ワシコウスカが熱演。
ほぼ素っぴんノーメイクでいつもの白く透き通る魅力はかなぐり捨てながらも、それでもその美貌と魅力が映えているのはさすが。
体力的にも精神的にもキツい砂漠踏破の旅。
何故、こんな旅を…?
それでも旅を続ける。
旅の先には…
ミアの熱演や詩的な語り口や作風で、良質作である事に違いはない。
でも、自分好みで良かったかと問われたら…。
時折過去を交え、彼女の背景も描かれるが、旅に出るまでに至る経緯が今一つ弱く感じた。
過酷な旅と彼女の複雑な内面が一見リンクしているように見えて、ダラダラ淡々と盛り上がりに欠ける。
この作風は好き嫌い分かれる。
確かに凄い事をやってのけた。
彼女自身もこの旅の中で、何かを見つめ直し、何かを見つけ、何を大きく得ただろう。
しかし自分としては、この2時間弱の旅の中で、特別得るものは無かったかな…。
Why not? あれはホントに大変ですよ。
「何故旅をするのか?」
という質問は答えるのが難しい。
「何故旅をしないのか?」
という疑問になってしまう。
個人的な話なのですが、若い頃にオーストラリアをバスと電車で一周したことがあります。一回も空を飛ばずに地上で一周する事にこだわって。自分にとっては普通の事だし誰でもやれる事なのですが、何故かあまりやった事がある人に出会った事がありません。オーストラリア人の知り合いでも誰もやってない。そういえば日本一周した日本人にもあった事がないですし、きっと国を一周って外国人だからできる事なんでしょうね。
そして、本作。なんというか旅人に通じる物がガンガンありました。旅が長くなるとちょっとおかしくなる所も含めて。人目を避けたくなる気持ちとか、旅人の気持ちを久しぶりに思い出しました。
実際オーストラリアって広いんですよね。ああ見えて1つの大陸ですし。そして、アリス・スプリングから西海岸って本当に遠い!ちゃんと測った訳ではないですが、日本列島鹿児島から北海道まで行って、更に東京まで戻ってこれるぐらいの距離ではないでしょうか?コレが実話ってホント凄いわ~。
全体的に淡々としながらも旅をした事がある人にはとても響く作品でした。
好き
この雰囲気。実話ということで、淡々としていて、リアリティはあっても期待以上のものはないかもしれないという思いで観た。でも違う。心を掴んで離さない、そんな作品だった。観て良かった作品が増えました。
やりたいからやる
「将来のために」
「人生を変えたいから」
「勉強になるから」
人は何か大きなことをする前に、自分に対して色々な理由付けをしないと前に進めない時があります。
「やりたいからやる」という好奇心は、人がおろそかにしてしまいがちな本当の心の声。
自分の心の声に耳を傾けたら、迷うことなどなく前に進めるんですよね。
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