「安定のトム・ハンクス映画。」ブリッジ・オブ・スパイ TAZAさんの映画レビュー(感想・評価)
安定のトム・ハンクス映画。
トム・ハンクスにハズレ無し!ま、最初から最後までひたすらトム・ハンクスなので、他のキャラクターがあまり立ってないのはご愛敬かね〜。
冷戦時代の何とも言えない重苦しい雰囲気も実によく表現されてて魅せる。良い意味でスピルバーグらしさがあまり感じられないのはやはり脚本のコーエン兄弟の世界観が影響してるんだろうか。社会派ドラマでもあるんだけど、予想以上にサスペンス感があって2時間半近い長尺も最後まで見応え十分。飽きないよ。
しかし国家の後ろ盾が無いまま、未開の地・東ベルリンで断ることも出来たはずのスパイの交換交渉を1人でやり遂げるって一体どんな精神力なんだ…。こんな人本当にいたのかよ、ってぐらい。全体的にセリフやトーンも含めて人間社会の「闇」の描写が非常に上手いよなー。互いに手の内を探りながらの奥歯にものが詰まったような交渉シーンは見ていてホントに面白い。やっぱりメンツや建前で成り立ってんだよね、国って。
前半はアメリカでソ連のスパイを裁くと言う法廷モノ、後半は米ソが囚えたスパイ同士を交換すると言うサスペンスモノ。ラスト、家族がTVニュースでドノヴァンが何をしに数日ヨーロッパまで出張していたのか知るシーンが最高にカッコいい。その時の奥さんの何とも言えない表情が唸らせる。素晴らしい…。
コメントする