お盆の弟のレビュー・感想・評価
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岡田浩暉!
2015年公開作品
監督は『キャッチボール屋』『無限ファンデーション』の大崎章
脚本は『こどもしょくどう』『喜劇 愛妻物語』『アンダードッグ 前編 後編』『雑魚どもよ、大志を抱け!』『笑いのカイブツ』の足立紳
粗筋
売れない映画監督の渡邉孝はデビュー作以来10年メガホンを取っていない
群馬の実家に戻り大腸癌を患い退院した一人暮らしの兄マサルと同居しますます料理が上手になる孝
無職状態の孝に三行半を突きつけ離婚届を渡した妻裕子だが父好きの娘とは度々会わせるという
地元の親友で家業を継いだ売れない脚本家の藤村と彼が結婚相談所で出会ったキミコの紹介で小川涼子という美女に会う
藤村は孝のことを思い嘘のプロフィールで紹介し孝は孝で渋々受け入れた
孝は兄マサルの結婚相手に良いと感じ二人の見合いを考えたが涼子は孝を好きになる
涼子はかつて乳癌を患い片方の乳房がなかった
なぜかモノクロ
あえてモノクロ
カラーの方が良かった気もしないではない
なんといっても岡田浩暉の役作りが良い
配役
群馬で兄と同居している売れない映画監督の渡邉孝に渋川清彦
タカシの兄で大腸癌を患い退院した独身の渡邉マサルに光石研
群馬で饅頭屋を継いでいる売れない脚本家の藤村に岡田浩暉
高校時代にソフトボールでキャッチャーとしてキミコとバッテリーを組んでいた小川涼子に河井青葉
タカシの妻で離婚を持ちかける別居中の渡邉裕子に渡辺真起子
映画プロデューサーのヤマオカに田中要次
涼子の妹の小川ハルコに柳田衣里佳
藤村が結婚相談所で出会った彼女のキミコに後藤ユウミ
二人の息子を連れて墓参りに訪れた未亡人に梶原阿貴
孝と裕子の幼い娘の渡邉ワコに川島夕空
フラフープを回すも昔のようにうまくいかない同級生のヨシオに三浦景虎
スーパーで孝に話しかけてくるヨシオの母に稲川実代子
若手映画監督のタケムラに伊藤毅
男の人生は曇り空の様なモノ
映画の企画を持ち込めど、どれもボツ、とうとう奥さんには愛想つかされ、離婚届けを突きつけられ、仕事も家庭も正に崖っぷち。。。
ガンの手術をした兄の身の回りの世話を名目に実家に転がり込んだ冴えない男がドン底から這い上がろうとモガく哀愁を描いた人間ドラマ。
監督の大崎章が出身の群馬を舞台に同郷の渋川清彦、岡田浩暉を迎え、私小説に近い世界観を全編モノクロで綴っている。
90年代以降でも敢えて白黒でこしらえる映画は、バイオレンスの『シンシティ』や、時代劇の『サムライフィクション』etc. 主にアクションもので、目にするパターンだが、現代の何気無い生活をモチーフにした人情噺で此の手法は珍しい。
しかし、最後まで違和感なく楽しめたのは、何事も不器用な主人公の時代遅れな生き方を象徴しているからであろう。
其の世界観は、兄の光石研や腐れ縁の友人・岡田浩暉にも当てはまり、裏目裏目に出る男の情けなさに涙を滲ませながら、何処か笑ってしまう。
対して、奥さんや、岡田が必死にアプローチするカノジョ、そして、主人公が身分を偽って親交を深める地元紙の編集者etc. 女性陣は男どもの醜さを冷めた眼で見つめ、悟っている立場に感じた。
男はいつまで経ってもガキのままで、女は呆れた母親のような距離感で接していく。
そんなギコチなさが主人公の憎めない苦笑いに集約されている。
兄弟もいなければ奥さんも居ない天涯孤独の私だが、職場で女性の上司から説教ばかり喰らって、八方塞がりの日々に、ふと目の前が真っ暗になることが多い。
それでも、まぁ何とかなるやろと根拠の無い前向きな思想で今日も歩もうとしている。
未練だらけにも拘わらず、ふと覗かせる主人公の微笑みに自分を重ねていると、曇った現実が少しは晴れた様な気がした。
では、最後に短歌を一首
『ボツの山 埋もれて愛も 立ち止まる 近くも遠くも ぎこちない夏』
by全竜
ほっこり
ダメ男と優しい女
初日舞台挨拶の回鑑賞
やっぱり良いモノクロ映像。
中年ダメ兄弟による「里街Diary」
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