お盆の弟のレビュー・感想・評価
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【人間性は良いが、不器用な男女が夢を叶えようとする姿をホンワカと描いた作品。映画監督って大変だなあ・・。今作は、観ていて、気持ちが楽になる映画である。】
■売れない映画監督のタカシ(渋川清彦)は、現在妻(渡辺真起子)子と別居中。
大腸ガンで入院中の独身の兄・マサル(光石研)の看病を口実に実家へと戻り、新作映画のシナリオ作りに励んでいた。
そんなある日、悪友の藤村(岡田浩暉)がタカシに涼子(河井青葉)という女性を紹介。タカシは彼女とマサルを結婚させたいと思い、涼子と会い始める。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・今作は、派手さはないが足立紳の人間性肯定の立場で書いた脚本が良い。
・タカシはマサルの病を気遣い、料理を一生懸命に作りながら、一本だけ撮った映画を更にもう一本作りたいと日々、執筆。
・藤村も、そんなタカシが別居状態である事を、笑いながら彼を心配する。
・タカシの妻も、タカシと会うのを拒絶しているわけではなく、子供とは会わせているし子供もタカシになついている。
<涼子がタカシと結ばれるのかと思ったら、涼子は乳癌であった事を告白し、大腸癌のマサルと会いたいという。
彼女が言った言葉。
”タカシさんのお兄さんならきっと、良い人だと思うから・・。”
今作は、観ていて、気持ちが楽になる映画である。>
男の人生は曇り空の様なモノ
映画の企画を持ち込めど、どれもボツ、とうとう奥さんには愛想つかされ、離婚届けを突きつけられ、仕事も家庭も正に崖っぷち。。。
ガンの手術をした兄の身の回りの世話を名目に実家に転がり込んだ冴えない男がドン底から這い上がろうとモガく哀愁を描いた人間ドラマ。
監督の大崎章が出身の群馬を舞台に同郷の渋川清彦、岡田浩暉を迎え、私小説に近い世界観を全編モノクロで綴っている。
90年代以降でも敢えて白黒でこしらえる映画は、バイオレンスの『シンシティ』や、時代劇の『サムライフィクション』etc. 主にアクションもので、目にするパターンだが、現代の何気無い生活をモチーフにした人情噺で此の手法は珍しい。
しかし、最後まで違和感なく楽しめたのは、何事も不器用な主人公の時代遅れな生き方を象徴しているからであろう。
其の世界観は、兄の光石研や腐れ縁の友人・岡田浩暉にも当てはまり、裏目裏目に出る男の情けなさに涙を滲ませながら、何処か笑ってしまう。
対して、奥さんや、岡田が必死にアプローチするカノジョ、そして、主人公が身分を偽って親交を深める地元紙の編集者etc. 女性陣は男どもの醜さを冷めた眼で見つめ、悟っている立場に感じた。
男はいつまで経ってもガキのままで、女は呆れた母親のような距離感で接していく。
そんなギコチなさが主人公の憎めない苦笑いに集約されている。
兄弟もいなければ奥さんも居ない天涯孤独の私だが、職場で女性の上司から説教ばかり喰らって、八方塞がりの日々に、ふと目の前が真っ暗になることが多い。
それでも、まぁ何とかなるやろと根拠の無い前向きな思想で今日も歩もうとしている。
未練だらけにも拘わらず、ふと覗かせる主人公の微笑みに自分を重ねていると、曇った現実が少しは晴れた様な気がした。
では、最後に短歌を一首
『ボツの山 埋もれて愛も 立ち止まる 近くも遠くも ぎこちない夏』
by全竜
ほっこり
男
渋川さん演じる主人公はいい弟。でもダメな夫でもある。
(私は途中までいい人にしか見えなかったけど)
兄弟揃って、なんかうまくいかないのは…なんか切ない…
最後のお墓参りのシーン
ほんのすこし希望がみえてよかったです
ダメ男と優しい女
人間讃歌
中年ダメ兄弟とうたわれていたけど、言うほどダメじゃないですよね。女性たちについた嘘もたいした害はないし。誠実でやさしい人たち。いろんなことが、いまいち上手くいかなくて、からまわりしてしまっているもどかしさ、それでも、少しずつ現実と折りあいつけながら、でも大事なものは手放さずに、歩みを進めてく、つつましく、等身大な人たちの姿にほっこりする。
初日舞台挨拶の回鑑賞
やっぱり良いモノクロ映像。
中年ダメ兄弟による「里街Diary」
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