モヒカン故郷に帰るのレビュー・感想・評価
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デスメタルバンドのモヒカンが数年ぶりに結婚・妊娠報告に帰省。そして...
最高に笑った 最高に感動したい
ついでで見たら面白かった
笑えて優しい気持ちになる映画
喜びも悲しみも緩い笑い
タイトルと大まかなあらすじだけ木下恵介監督の往年の名作を彷彿させるが、話は完全オリジナル。
モヒカン頭のヘヴィメタバンドのボーカルが故郷の超ド田舎の小島に帰る。
カルチャー・ギャップは勿論の事、全編通してクスクス、クスクス、絶妙な間合いの緩~い笑い。
主人公が東京のバンド仲間に書いた手紙、“死”を強調してるバンドのくせに、それとは正反対の手紙の締め括りの言葉にメチャウケた。
沖田修一監督のこの感じ、いつもながらツボにハマる。
島民呆然唖然のヘヴィメタバンドをやって意気揚々と東京に戻るのではなく、妊娠した恋人を連れて結婚報告に来た筈が、父が末期癌だと分かって…。
暫く疎遠だった父の為に、父が死ぬまでにしたい事を実現させようとする。
ここで非常に気に入ったのが、ベタな難病&感動の家族物語にならず、ずっと緩~い笑いのまま。
息子が父憧れの人に扮したシーンはホロリとさせるものの、ピザの件や最後なんてドタバタ喜劇。
人生は喜劇。あざといお涙頂戴劇なんかより遥かにリアル。
その上で、不器用な息子と父、家族の関係をほのぼのと、しみじみと、描いてみせる。
表情も感情もモヒカン頭も変わらない、いい意味でいい加減な主人公。個性的な役をやってこそやはり光る松田龍平の個性。
父=柄本明、母=もたいまさこ、演技の巧さは勿論、その顔合わせだけでも笑いがこぼれる。しかも、息子に同じ名前を付けるほどの永ちゃん命の父、熱烈なカープ女子の母というおまけ付き。
ちょっとオツムが弱い今時の女の子の主人公の恋人を、前田敦子がナチュラル&キュートに。彼女もまた個性的な役を演じれば、まだまだ新たな魅力や一面を見れそう。
父が指揮する中学吹奏楽部の唯一の男子部員の何処にでも居そうなフツーの無個性もナイス。
大きな出来事も起きず、大笑いも無い。
つい忘れてしまいそうになるけど、ふとした時に思い出して、クスッとほっこりさせてくれる。
これぞ邦画です。
シュールな笑いがとてもよかった。
大好きな作品になりました。
俳優さんたちみんなはまり役!
特にここで申し上げておきたいのが、前田敦子。
私はあっちゃんの大ファンで、彼女の出演する映画はだいたい鑑賞しています。
前田敦子は本当に演技がうまい。
もう元AKBとかアイドルとかいうのはやめてほしい。
彼女をひとりの女優として認めてほしい。
あっちゃんの演技をちゃんと見てほしい。
そうすれば、彼女の良さがわかるから!!
元アイドルが、あんな汚いロールキャベツの食べ方をできますか??(モラトリアムたまこ)
元アイドルが、ラブホテルが舞台のr15の映画に出演しますか??(さよなら歌舞伎町)
元アイドルが、わざわざでき婚の妊婦の役をしますか?(モヒカン)
しないでしょー!
って、あれ?なんのはなしだっけ?笑
全然作品のレビューになってくてすみません
実家に帰りたくなる。そんな映画。
ありがとう。
空の上で感じたこと
アホだけど、好きなテイストのホームドラマ
父が矢沢永吉ファンだから、永吉と名付けられたモヒカンを主人公にしたホームドラマです。
モヒカン野郎が、適当で、困った子です。
「俺なりになんだかんだ考えて、みんなの言うとうりだと思う」(だったかな?)、という、無責任・ことなかれ・他力本願・かいしょなしを、猛然とアッピールする(二回も)やる気のないバンドマンです。
唯一の自己主張は、モヒカンを切るのは嫌!ってくらいの、ダメやろーです。
龍平スキーですが、この永ちゃんは愛せないわーという主人公です。
年下の恋人のヒモみたいな生活から、予期せぬ妊娠!よーわからんけどとりあえず結婚?だから7年振りに故郷に帰ったら、というお話。
まぁ、予定調和ではあります。
ラストの、柄本明おとうさんの死に方は、笑ったけど笑ってええのか?的な、とんがった感じでしたが、その他はまぁ予想通り。
でも、楽しめるというか、愛おしいなぁという気持ちがしました。
ゆかちゃんの姑・舅にすっとなじむ感じが、伸び伸びした感じがとても良かったですし、もたいさんのカープファンすぎるママも良かったし、なんか頼りない弟くんも良かったです。
ありきたりな難病家族モノではありますが、ディテールが好みなのでまぁ良かったですって感じです。
中学生の演奏する曲が、結構好きでした。あのぼんやりしたまったりしたなんかよくわからん演奏の味わいが。つぼでした。
親はいつか死ぬよね。わかってる。つか、うちの父がん患者だし。そして私もいつか死ぬよ。
シリアスと笑いの、相性の悪さが生んだ良作
AKB48には興味がなかったけど、
女優前田敦子が好きなので鑑賞。
彼女は「もらとりあむタマ子」で開花して
「さよなら歌舞伎町」「イニシエーション・ラブ」とよかった。
生っぽく艶がある演技と、
作品の空気を変える世界観に、女優力を感じます。
そういえば、前作に続いて松田兄弟と共演なんて、
これも面白いですね。
あとは、いつものように知識もなく。
タイトルが3流ぽいけど、
実力派俳優が固めているし、外さないだろうと...
劇場は邦画の聖地、大好きな「テアトル新宿」。
平日18時の回で、8割埋まっていたのは意外でしたが(笑)
作品は、なかなか良作でしたよ。
思わぬ拾い物です。
親父の死を受け入れていくシリアスな家族のお話だけど、
少しだけコメディなのがこの映画の魅力。
そして泣かせようという意図も、インチキなセリフも、
媚びた田舎表現も排除されている。
等身大で共感できる時間の作り方だから、
その家族と共に生きている島の人たちのような、
不思議な気分。
そこにほっこりする瀬戸内海、
広島下蒲刈島のやさしい風景や、
あたたかな島人たちの日常が入ってきて、
すっかり癒されます。
しかし淡々と流れるのではなく、
しっかり置かれているいくつかの印象的なシーンが、
この映画を深いものにしていました。
沖田監督は南 極料理人も良かった。
確信犯的に計算しつくした演出と脚本に、
才能を感じますね。前作も観てみよう。
キャラの設定がいいですね。
デスメタルのボーカルでヒモ生活の主人公に、
できちゃった婚する能天気なオンナノコ、
広島生まれで永ちゃん命の親父さん...。
色をつけるのは、クールで正直な松田龍平くんに
おちゃめな前田敦子さん、
そこにいぶし銀な柄本明さんともたいまさこさん。
おのおのの力量が息吹を注いで、
ベタな設定も見事に愛おしいキャラに。
榎本さんは本当にすごいですね。
元気からガン末期患者の移り変わりは、壮絶です。
前田さんともたいさんの嫁姑の関係は、本当に素敵。
こんな家族、憧れます。
「YAZAWAは広島の義務教育です」といって、
中学吹奏楽部に「I LOVE YOU OK!」を
いやいや演奏させてる親父さんに、
僕はひとり劇場で大笑いしてしまいました。
高校時代の僕の先輩が矢沢永吉の大ファンだったのですが、
その奇妙な行動に影で面白がってたものです。
いつもロゴ入りバスタオルを持っていて、
白いテープの巻かれたマイクスタンドがある部屋は
ポスターをだらけで、
白い上下のスーツを着て、車には特大ディカール。
親父さんのディテールも、
そんなファンを再現した監督の遊びが満載です。
永ちゃんファンも、きっと楽しめますね。
「親って死ぬんだな、わかってたつもりだけど..」
誰もが知ってるそんな切ない気持ちが、
胸に響いてくる。
父と息子の不器用な親子愛が、
この映画のホントのテーマ。
けど笑いという相性の悪い装置で、
不思議な空気に包まれている2時間。
悲清々しいという観後感の、
今までにない面白い体験でした。
臨終
モヒカン親父を看取る。
タイトルからして木下恵介の「カルメン故郷に帰る」だなと思ったけど、
内容は監督の完全オリジナルらしい。いつもの感じでだらっと笑わせ、
微笑ましい感動を与えたりする沖田監督らしい仕上がり。特に大事が
起こるというでもなく(父親が末期ガンと判明するが)コメディぶりは
変わらない。のほほんとした風情にナンでYAZAWA?と思うほど
違和感が漂う父親の極趣味。息子にも永吉と名付け東京に出したこと
から自身の夢を息子に見ていたんだろうなと(デスメタルだけどね^^;)
頑固オヤジならではのこだわりの数々。演じる柄本が上手すぎるので
終始彼の場面では笑いっぱなしなんだけど、正直YAZAWA好きに
は見えないのでシャウトしている場面ではやや痛々しくも感じられた。
松田も相変らず飄々と役をこなしていて恋人役前田も地でやってる風。
母も弟もまったく自然体でムリがなくオール広島ロケが楽しめる作品。
エンドロールの楽曲は必聴。最後まで堪能しましょう。
(モヒカンヘアって髪を下ろすと普通なのよ。龍平もけっこう可愛い)
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