「新境地か、見納めか…? ペン・アクション!」ザ・ガンマン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
新境地か、見納めか…? ペン・アクション!
何と言っても本作のポイントは、“ショーン・ペン・ミーツ・アクション”だろう。
アクションが絡む作品への出演はあるが、本作はアクションもアクション。バリバリバリのアクション。肉体改造し、身体を張った本格アクション初挑戦。
『96時間』でリーアム・ニーソンをアクション開花させたピエール・モレルが監督。
ペンはプロデュースと脚本も兼任する気の入れよう。
共演にハヴィエル・バルデム、マーク・ライランス、イドリス・エルバ…ペンも含みオスカー級!
キャストだけ見ればA級。しかし、それが絶対に作品的にもA級へとは結び付かない。平凡な中年アクションの域を出られなかった。
特殊部隊凄腕の暗殺者、ジム。かつて関わった極秘暗殺任務後、除隊。恋人にも別れを告げず…。8年後かつての仲間が標的にされる事件が続き、陰謀に巻き込まれる…。
話的には既視感あるアクションの設定だらけ。
コンゴの鉱山利権絡む社会派テーマで他のアクションとは違う作りを意識したのだろうが、結構社会派×アクションってあるし、何だか話を小難しくしている気がする。
バルデムが黒幕かと思ったら途中退場し、今は企業のトップに就いているかつての仲間が胡散臭いのはすぐ察し付く。
やたらと恋愛色を押し出している気もする。
初の本格アクションで色々詰め込み、気合い入れ過ぎたか…? リーアム・アクションのようにもっとシンプルで良かったかも…?
ペンのハード・アクションを見るには申し分ない。
銃撃戦、肉弾戦。敵とナイフを押し合う接近戦は手に汗握る。CGには頼らず、こだわったという生身のアクション。
ムキムキ体型に身体を造り、熱のこもった演技。
さすが2度のオスカーに輝く演技派、抜かりナシ。
迫真のアクションを魅せ、また挑戦するかと思いきや、結局これ一本…。
業界もファンも暗黙の了解だったのかな。一回限りのサプライズで、やはりシリアス・ドラマでのペンの熱演が見たい、と…。
でも、いずれはまた見たい。