ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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切ない夢と恋を楽しく彩るファンタジー
月並みですが…とてもよかったです。
ミュージカルも恋愛ドラマも好きではないのですが…。導入のダンスに心が踊って、そこからは映画に没頭!
ともに夢を追いかけて、傍が成功すると傍はそれに違和感を覚え…よくある夢を追う人たちの恋愛ストーリーなのですが…2人のエピソードを彩るミュージカル、映像が本当に素敵すぎて…
あとはラストのファンタジーにのめり込んで涙を流すだけです…普通に切ないけど…素敵で楽しいお話でした
ミュージカル映画が苦手な人も楽しめる
この監督はこれでこそ!
オープニングは最高!
観る者の立ち位置によって評価が変わる映画
この映画は,主人公の立場に入り込んで考えられるかどうかで評価が分かれると思う。話としてはそれほど珍しいとは思えないし,最後の部分を除けばそれほど大きなサプライズがあるわけでもない。だが,その最後のわずか 10 分ほどのところに,この映画の最大の価値があると思う。人によっては,全くつまらないと思う人もいるだろうし,その人が何故つまらないのかも大体察しがつく。つまらないという人は,おそらく完全に他人事として観ているのだと思う。そういう人は,おそらく,何故この映画がアカデミー賞の6冠に輝いたのかという理由なども分からないに違いない。
まず,CM などではミュージカル映画と言っているが,例えば,映画中で流れる曲は 12 曲ほどに過ぎず,レ・ミゼラブルなどが 20 曲以上流しているのと比べると,半分ほどである。普通のセリフで語られる場面がほとんどであり,要所要所に印象的な曲が聞かれるものの,本格的なミュージカルというのはためらわれる。監督はミュージカルをオマージュした映画といっているらしい。主演の二人の歌唱もプロの声楽家の発声には程遠く,音程感もやや怪しかったりして,最初のうちはかなり不安が先行した。
最初に度肝を抜かれたのは,冒頭のノーカットで延々と歌やダンスをカメラを移動させながら見せたシーンである。誰か一人でも NG を出してしまったら最初からやり直しとなるわけで,人物やカメラの動きまで計算され尽くした見事なものであった。また,夕刻のマジックアワーの町並みを見下ろす高台でのダンスは,刻々と色が変わっていく様子が本当に美しく,こういう時間は1日に数分しかないので,NG を出したら翌日以降に撮り直しになってしまうという難易度の高いものである。
脚本は,観た者に延々と余韻を引かせる良い仕事をしたと思うが,このストーリーはある意味で,アメリカンドリームの否定のようにも受け取られてしまうような気がする。二人ともそれぞれに夢があり,仮に両方を叶えるのであれば一緒に暮らせなくなるのは自明だったはずである。世の中には,そういうカップルも沢山いるに違いない。若い熱意で困難を克服すれば,例えば遠距離恋愛なども可能性はあるのだろうが,そこまで無理しなくても,とつい考えてしまうのは,人生の折り返し点をとうに過ぎてしまったからなのだろう。切ない結末によって,忘れがたい作品となったが,アカデミー賞の作品賞を逃してしまったのは,きっとそんな理由があるのではないかという気がした。
役者は見事だった。ピアニスト役のライアン・ゴズリングは,全く弾いたことがなかったらしいが,この作品のために猛特訓して,吹き替えなしで演じ切ったらしい。エマ・ストーンのオーディションのシーンでは,あまりの真剣さにこちらも固唾を飲んで見入ってしまい,彼女が泣きそうになる寸前のところで邪魔が入った時は,彼女と同じくらい腹が立った。
現在の商用音楽の売り上げは,ポップス系がほとんどを占め,ジャズやクラシックのファンは,仲間を見つけるのさえ困難な状況にある。自分から入り込まなければ真価に触れられないところがこの2つのジャンルの共通点で,いわば小乗仏教のように自己努力が要求される。これに比べればポップスは大乗仏教のようなもので,特に努力などをしなくても楽しむことができる音楽だと思う。ミリオンセラーが続出するポップスに比べると,クラシックやジャズは1万枚も売れれば大ヒット扱いである。こうした背景を考えれば,ジャズピアニストの主人公の苦悩は,非常に身近なものに感じられる。
音楽は,非常に良くできていたと思うし,登場する演奏家はどれも素晴らしい力量の持ち主であった。個人的にトランペット奏者に特に注意を向けて聴いていたが,どの場面で出てくる奏者も超一流の奏者達に違いないと確信できた。使用曲の中では,特にエマ・ストーンの歌う「オーディション」が非常に優れていたと思う。
演出は,本当に見事であった。特に,ラスト近くのあの 10 分間ほどの見せ方は,映画でなければできない技であった。恋愛の後遺症に見せる男女の違いも,見事に描き出していたのではないかと思う。若いのにこれほどの力量を見せ,アカデミー監督賞まで獲得したダミアン・チャゼル監督は,今後のプレッシャーが相当なものになると思うが,是非次回作以降でも優れた作品を見せて欲しいものである。
(映像5+脚本4+役者5+音楽5+演出5)×4= 96 点。
栄光の復興となるか?
俳優については簡単に。エマ・ストーンはアメスパでは可愛らしいという印象だったが、本作では大人の女性らしさが伺えて、アメスパのエマが好きだった私は少々がっかり(笑)一方、ライアン・ゴズリングは相変わらず、クールでカッコいいったらありゃしない。沈黙の演技でここまで魅せられる俳優がいるだろうか?『ドライヴ』のレビューでも書いたが、彼の作品を観終わると、彼になりきってクールに振舞っている見苦しい自分に気づくのである。
さて、この映画の素晴らしさは「ミュージカルのダンスシーン」「メッセージ力」この2つだと考えている。
ダンスシーンは、皆さんお気づきの通り長回しによる一発撮りなのだ。これによって、演者達の良い意味での緊張感、そして臨場感がヒシヒシと伝わってくる。たった3分もないシーンの撮影計画, 練習量は想像もつかない。
そして監督のメッセージ力が物凄い。それは、「ジャズ/ミュージカルの復刻」である。どちらも50年代に最盛期を迎えた(JazzではCount Basie, Miles Davisなど、ミュージカルでは『雨に唄えば』『バンド・ワゴン』『巴里のアメリカ人』などである。これらの映画の影響を露骨に受けていることは、本編を観れば明らかにわかる。)が、現在ではEDM, アメコミに取って代わられ、衰退の一途を辿っている。セブは"but, is dying"と言い、その危機感を観客に訴えるが、果たしてエレクトロやコミックに染まった現代人に対してどれだけ切に伝わっただろうか?これはセブだけではなく、チャゼル監督の意志でもあるのだ。チャゼル監督の前作『セッション』でも、主人公は死にゆくジャズに対して不安を抱いていた。
表向きには、楽しくも切ないラブストーリーだ。だがこれは、ジャズ・ミュージカルといった死にゆく過去の大衆文化の素晴らしさを伝えるとともに、チャゼル監督が現代人に向けて警鐘を鳴らした作品なのだ。
『セッション』『ララランド』これらは文化の移ろう現代、そして未来へ向けてのメッセージを込めた連作だ。果たして、ここからBack to the 50'sの流れを生み出すことができるか。
ラストが
何度でも観たい映画
音楽が素敵な軽くて見やすいミュージカル映画
感動しました。ぜひ映画館で
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