「最新鋭のAIが作った感じ」ラ・ラ・ランド 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
最新鋭のAIが作った感じ
見ごたえがあった作品でした。すばらしい作品でした。
ただ個人的には好きではありません。
ハリウッドの名作映画の感動のシーンや設定をカクテル配合して、再構築して、最新の技術と最新の演出方法で作った、計算され尽くした見事な作品という感じがして、AIが作ったような作品だなあと感じたからです。
普通に見ている分には十分面白いのですが、見た後に、なんだかさみしくなってしまって、どうしてだろうなとずっと考えていたのですが、監督の個人の人生体験が反映されておらず、この映画で何を訴えたいのかが、伝わってこなかったからだと考えました(私が受け取れなかっただけなのかもしれませんが)。
挫折や死ぬほど後悔をして、平気な顔をしてるけれども、内心は10年くらい立ち直れないままゾンビのまま、どうにか毎日をやりすごしていて、「死ぬほど後悔してるからこそ、伝えたい思い」というのが人にはあると思うのですが、そこが希薄だったかなと感じて、点数を低くしています。
ただ、映画をたくさんみて、この映画が、過去のハリウッド映画を無茶苦茶リスペクトして作られた、映画好きにはたまらないクスグリがたくさん含まれている作品なので、それを見つけながら、「おっ!そう来たか」と楽しむと、この作品、何度も見ても楽しいし、病みつきになるかも…。
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