「これで良かったんだよ。そう思わないか?ミア。」ラ・ラ・ランド bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
これで良かったんだよ。そう思わないか?ミア。
クリスマスの夜。夫と2人で映画&ディナーに出かけるミア。交通渋滞に巻き込まれ、映画に間に合わなくなった2人は予定を変えてダウンタウンへ向かい、ディナーの後、たまたま見つけたジャズクラブへ足を踏み入れる。ステージ上にセバスチャンの姿を見つけ呆然とするミア。こみ上げる感情に涙を浮かべるミア。ステージ上からミアを見つけたセバスチャンは、おもむろに懐かしい2人の曲の演奏を始める。演奏が終わり、席を立つミア。距離を置いて見つめあい、ほほ笑みで別れを告げあう2人の未来に幸あれ。
このラスト、「男の失恋の悲哀」とは本質的に異なると思います。
「ミア」と「セバスチャン」。「願い=Wish」と「夢=Dream」で、2×2のMatrixを描いてみると。ミアの夢は「女優としての成功」で、願いは「セバスチャンが夢を叶えて自分の店を持つこと」。セバスチャンの夢は「ジャズを好きなだけ掛けられる自分の店を持つこと」で、願いは「ミアが夢を叶えて女優としての成功をつかむこと」。
ミアのAuditionが終わった翌朝、一晩をともに過ごしたであろう2人は、思い出の場所で別れを告げます。「女優業に没頭しろ。俺は俺の道を進む。2人の未来は成り行き」。ミアに告げるセブ。うなずくミア。
結局、2人の夢は実現し願いも叶う。Matrixは満願。
Seb'sの客席に涙を浮かべるミアに向かって、セブは語り掛けます。2人が出会いから恋に落ちて、その関係をずっと続けていたら。いや、続けるためにセブが行動したとしたら。「歩まなかった人生劇」の中で、ミアは女優として成功をつかむけど、セブはジョン・レジェンドの誘いを断り、バンドに参加しません。セブとミアを手をつないで誰かの店であるジャズ・クラブの席に手をつないで座っている。
ミアの夢とセブの願いはかなうけど、ミアの願いとセブの夢はかなわない。俺たちは、そんな未来を望んだか?あの時、俺たちは、自分自身の意思で選択した。だから、これで良かったんだと思わないか?
涙をぬぐい、笑顔でうなづくミア。
Lalalandとは、夢を叶えることの切なさを知っている人たちの街。
そんな映画。
やっぱり素敵なラストです。
男が昔のオンナに未練たらたらでピアノを聞かせる、じゃねーよ!
って事で。
良かった。
とっても。
GAGAのアカデミー受賞作品再上映シリーズを2回鑑賞しました。エマ・ストーンのAuditonが、やっぱり好き。このシーンだけでゴールデングローブを獲ったと、今でも思ってますw
あ。おまけ。
冒頭のハイウェイ。渋滞の中、ミアの前に止まっていたのはMazda6。ラスト、渋滞の場面でミア夫妻の目の前にいたのもMazda6。コレ、たまたまじゃ無いですよねw
誰かの何らかの実体験でしょうか?