「ピュアなふたりに、憧れと共感」ラ・ラ・ランド 美咲さんの映画レビュー(感想・評価)
ピュアなふたりに、憧れと共感
ミュージカルと、映画と、脚本が、すべて一本で繋がっていて秀逸!今まで観たミュージカル映画は、脚本とミュージカルの表現が、点と点のままに映画でまとめてあるような形だったので、それはそれですが、なんというか、2時間が喉越しなめらかにツルンと飲み込めてしまったかんじ。<たった2時間>に感じる、心地よさです。
ストーリーに関しては、友達から事前に「大学で経営でもなく法でもなく、語学や芸術を学び、就活をしたりしなかったり、働いたとしても銀行や保険屋には絶対に就職しなかったような、私たちのような人間は観るべき」と聴いていたので、まぁたしかに言ってること分かるな……が観終わっての感想。(笑)
序盤は、本当は出逢ったときからお互い恋に落ちていたのに、少しずつ形になっていく二人の関係が、胸をくすぐってキュン。タップダンスのリズムと鼓動の高鳴り、プラネタリウムで空に上がっていく、そして光るスターになる、幸せな二人だけの世界。
中盤は、それぞれの夢と現実のギャップにも共感しつつ、二人の関係性にも共感。恋人だけど、ライバル。自分と同じ志があったから恋に落ちて、恋人だから助け合って高め合えて、だから成功して欲しいけど、本当は自分だって成功したい。夢を追いかけてる姿に恋したけど、それだけじゃ飯は食えない。恋って夢だし、夢は恋なんだなぁという気持ちが、決してチープにならず、ロマンチックに描かれています。
終盤は、切ない。恋も夢も、現実では永遠に続かないということ。夢が仕事になったとき、恋が終わってしまう。あるいは、夢の成功を手に入れたから、恋が犠牲になってしまったのかも。だけど、過去が幸せな思い出になって回想されるとき、恋って現実では終わりがあるけど、夢の中では永遠なんだって思いました。
ジ・エンドだったけど、本当はこれでハッピーエンドなのかもな〜と考えちゃったりしたりしたりしました。
ああ、、、セブかっこいい。もう一度観たい!