「モヤモヤと美しさの共存」ラ・ラ・ランド ハル美さんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤと美しさの共存
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ララランド、正直途中まで観ていてすごくモヤモヤしてて、理由は、主人公たちは自分の「夢」を追うが故に、誰かが傷つくことを意に介さないし、社会を上手に渡れる選択肢を選ばないんです。いつも人の目を気にして社会をそれなりに生きているタイプの人間はたぶん彼らに感情移入できないんですよね…。
でも、途中セブのことを応援できるようになる瞬間があって、それはミアのために今までの「夢」を捨てる選択をした場面なんです…。その時、彼の「夢」は誰かを幸せにすることになっていて、今までの「夢」も叶わず、新しい「夢」もないミアはそんなセブを見て苦しむんですよね。
そんなミアを見てまたモヤモヤしていると、その彼女の胸中を歌った「愚かな夢追い人に乾杯を」を聴いて胸にストンと落ちるんです。『少しの狂気がスパイスになる、世界に新しい色を与える』彼らはこの世に必要なんだと分かった時、今までの彼らの不器用さが美しく見えてくるんです。
そしてそこからが怒涛のラスト。思い描いていた「夢」が叶ったミア。そんな彼女はかつてあったはずの今日に出会ってしまうんですけど、彼女はそのとき初めて「夢」を追うことをやめる選択肢を選んで話が終わるんです。
ララランド、本当にモヤモヤしておもしろくないとまで思いそうになったのに、最後にはなんだか良かった…という不思議な感覚になったため、所感を書かせていただきました。
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