「超絶にロマンチック」ラ・ラ・ランド はな1112さんの映画レビュー(感想・評価)
超絶にロマンチック
ここ数年で一番の映画。
文句なしで5点満点。
この映画の素晴らしいといえる一番の理由が「旧新の融合」だと思う。
不思議とこの映画を見えている最中「昔の映画」を見ている感覚に浸れた。夢を追いかける二人の男女に恋愛を絡めたど定番なストーリ、そこに「斬新なカメラワークと美しい映像の数々」。映像がロマンチックで男性の僕でも惚れ惚れする連続だった。この旧新を上手く融合させる事がクリエイティブの世界では非常に難しい。音楽も映画も一緒だと思う。主人公セブも「電子音をかき鳴らす現代音楽」よりも、「昔ながらの生音のかっこよさ」をこよなく愛す音楽家。デイミアン・チャゼルは、自分の映画でこの「旧新の融合」をやってのけた。この映画に「昔ながらのソウルミュージックを新しい形に発展させてきた」ジョンレジェンドが出演している事も興奮する。
そして、主人公のセブがめちゃくちゃカッコいい。そしていい奴。男性が好きになる「理想の男性像」がとことん表現されている。
1.ミーアが「ジャズが好きではない」と言ったら、すぐにクラブへ連れて行き「ジャズの何処が素晴らしい音楽なのか一生懸命説明し「ミーアの顔が興味なさそう」にしているところ。
→ 男性って「女性が興味ない事」に対して、一生懸命説明したがる生き物
2.ミーアが最後のオーディションが終わったあと「私が受かったらどうする?」と聞くシーン。
→ 男性はここで「フランスに俺も一緒に行くよ!フランスでもジャズはできる!」とは言わない。そういう生き物。
3.ミーアが違う男性と結婚済み。子供もいる。というシーン
→ 上記2の発言をしたくせに「男性はしっかり待っている」そういう生き物
4.最後、ミーアが結婚相手のたまたまセブのお店で再開してしまうシーン。
→ ここで男性は「結婚したんだ!おめでとう!良かった!」みたいな発言はしない。
「セブズへようこそ」と言い、演奏を行い、最後は笑顔を向けてさっと立ち去る。男はそういう生き物。
上記4点の気持ちは、女性には分からないと思う。男性だからこそ分かる気持ち。
この映画は「男性」が見るべき映画の様な気がする。
結論「ベタなストーリーで昔の映画の様な雰囲気でありながら、斬新な新しさを融合している、男性向けの映画」である。
最近、本当に優れた映画が減ったと思う。「スターウォーズの続編、ハリーポッターの続編」的な映画が凌駕・売り上げの中心になっている昨今、「オリジナル映画で結果を出している」デイミアン・チャゼルは気鋭の新人だ。この天才が作り出す映画をリアルタイムで鑑賞できている幸せを実感したい。(ムーンライトのバリー・ジェンキンスもまだ30代、世代交代の時代ですね)