「ジョンレジェンドは素晴らしい薬味だと。」ラ・ラ・ランド ?さんの映画レビュー(感想・評価)
ジョンレジェンドは素晴らしい薬味だと。
ララランドを見たあとすぐ感じるのは、エマとゴズリングの2人を主軸に描かれていることではないだろうか。
そう言えば、他の人が深く関わっていない、と。
しかし、その次に頭に引っかかるのは、ジョンレジェンド演じるキースの歌が「この作中ではイケてないジャズ」であることは重々わかっていても、カッコいい!キース歌上手い!という純粋な感動だ。
ジョンレジェンドは本職を演じるキャスティングであるが、本当にサイコーの薬味として作品の印象付けをサポートしていると感じた。
すぐYouTubeでジョンレジェンドの本作の挿入歌を検索した人は少なくないはず。(私もその1人)
ミュージカル映画特有の始まりの入り方。個人的にああいう入り方はとても好みで、思わず見入ってしまった。ここももちろん好みにはよるとおもうが。期待感を上げにあげられてのスタートで始まる。
エマが恋人とのご飯を抜け出してゴズリングと初めて「研究」のために映画の約束をした映画館で、映画上映のライトを浴びながらゴズリングを探すシーンの、圧倒的なエマの美しさ。そして背面からのエマを撮るショット。ここから2人の関係性が深くなる予兆を感じさせるエマのひとり立ちに、伏線を感じたのは私だけだろうか。
ラストはきっと評価が別れる部分だろう。
ゴズリング演じるセブが経営者となった「セブズ」に来店したエマに気付いて思い出の曲を演奏し終わった後、エマに笑いかけるセブ。痺れる。切なすぎる。切ない中に、2人のいまの幸せが成り立っている、刹那ハッピーエンド。
作中の曲や、文字のフォント、色合い、ミュージカルとセリフの割合、何もかもが好みだった。
「セッション」と共に、音楽へのこだわりが強い監督性にも惹かれた。