「最近聞かないアメリカン・ドリームという言葉を思い出した…」ラ・ラ・ランド 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
最近聞かないアメリカン・ドリームという言葉を思い出した…
残念ながら、アカデミー賞の作品賞は取れなかったけど、楽しく観た。巻頭から、高速道路での歌と群舞、のれた。いろいろな人種の男女が極彩色の衣装を身につけて、歌い踊る姿にうっとり。最近のミュージカルは「スウィニー・トッド」とか「シカゴ」みたいに殺人が絡む話だったので、暗い気持ちになったけど、この作品は違う。明るい気持ちになれた。ミュージカルは大好きで、アステアは観ていないが、ジーン・ケリーなら少しは観ている。往年の名作のオマージュははっきりとわからなかったが、なんとなくあのシーンの真似かなというところはあった。驚くのは、この作品が映画オリジナルだということだ。普通は、ブロードウェイの舞台の映画化が圧倒的に多いので、監督の才気を感じた。主演男優賞は取れなかったけど、ライアンはピアノを一から学んでがんばっていた。引きの撮影も大丈夫だった。主演女優賞を取ったエマは、舞台「キャバレー」仕込みの歌とダンスで光っていた。あの大きな目と顔をクチャクチャにしながら夢に向かって進む女の子を熱演していた。若いっていいなぁ。夢があるっていいなぁ。しかもそれを支えてくれる相手がいて! 夢なんてとうの昔にあきらめた私には本当に羨ましかった。時に脇道に外れたり、落ち込んだりしながらも、相手の励ましで乗り越えてゆく姿が、すごくステキだなと思った。結末は、意見が分かれるところかもしれないけど、あれが現実的なのかな? 一瞬夢も見させてくれたしね。
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