「jazzyな映画」ラ・ラ・ランド YK2さんの映画レビュー(感想・評価)
jazzyな映画
予定調和が過ぎるとおっしゃる向きもいるが、そもそもミュージカルという虚構を強調した構造をとっている時点でフィクション、大人のためのおとぎ話なので。
というかこの映画は殊更にミュージカルや古き善き映画に代表される「嘘だけど佳いもの」と、「逃れられない現実の苛酷さ」とを対比させている。
相変わらず意地悪な監督だ。
ラスト、お互いにとっての最善を選択したが故の後悔と憂い。
それを芸術に昇華させ、自分の店を持つという夢を叶えたセブのピアノから紡がれる「もう一つの夢」はこれ以上ないほどミュージカルの華やかさに満ちていて、観ているこちらは泣けて泣けてたまらなかった。
日が暮れ、夜になる前のトワイライトシーンの多用や、滅びゆくジャズのモチーフと相まって、ほろ苦さいっぱいの大人の為の映画でした。
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