劇場公開日 2017年2月24日

「冒頭のモブシーンだけで泣ける、物語の色彩の変遷が美しい忘れがたい傑作」ラ・ラ・ランド よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0冒頭のモブシーンだけで泣ける、物語の色彩の変遷が美しい忘れがたい傑作

2017年1月23日
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鑑賞方法:映画館

売れない女優ミアと場末のジャズピアニスト、セバスチャンの恋物語を描いたミュージカル。スクリーンに"シネマスコープ"のロゴが現れてからの冒頭のモブシーンだけで「今、私は史上かつてないほどに美しい映画を見ている」と直感しました。

遥か昔の古き良きハリウッド映画への壮大なオマージュでありながらあくまでも現代劇。ふんだんに使われるマジックアワーでのロケ撮影に、計算され尽くした色彩美とテクニカルな撮影テクを駆使したセット撮影。現代映画表現の可能性を飛躍的に押し拡げた映像の端々でさりげなくハリウッド映画の栄枯盛衰を総括しながら、すれ違っては引き寄せられる主人公達の揺れ動く心情をビビッドな色彩とエモーショナルなサウンド、リズミカルでメルヘンに満ちたダンスで表現。主人公2人の織りなすリリカルなドラマに何度も涙が溢れ、そしてついに訪れる驚天動地のクライマックス。これをスクリーンで鑑賞できたことは至上の悦びです。

よね