「ゲームで遊んでいるかのような能動的ホラー」イット・フォローズ 真中合歓さんの映画レビュー(感想・評価)
ゲームで遊んでいるかのような能動的ホラー
これは名作!!ホラーで久しぶりの大当たりだった。
この時期に観ている人はひょっとすると岡田斗司夫さんの切り抜き等を見てそこで勧められていたからという人も多いのではないだろうか。自分はそうだった。
ホラーは怖さに振り切ればRECシリーズ、そうでないならエスターやミザリーのような人間の狂気系以外はさっぱりで、所謂シンプルにお化けがドーン!みたいなのは毛程も怖く無いタイプです。思春期に一人で呪怨シリーズを完走したせいでしょうか。。
さて本作の感想ですが、もうとにかく怖い(笑)。
『え、意外にも怖くないってレビューが有る!?』ってむしろそれにビビってるくらい自分は普通に怖かった。ゲームでも追いかけられるシチュエーションが一番怖い。何なんでしょうね。人間の本能でしょうか。それが怖いと言うよりも、”危険”が迫っているから怖いと言うべきか。
特に本作はアイデアが最高で、ピントの合わない背後から迫ってくる”ソレ”にずっと警戒しなくちゃいけないわけです。それは人の形をしていて、一見健常者と見分けが付かない。
更に”ソレ”は走ったりワープしたり喋ったりもしないんです。知能も高いのか低いのかよく分かりません。ただ、スタスタと歩いて迫ってくるのです。それでいて腕力はとんでもない。
終盤では結構物理的に抵抗出来たりしますが、まあこの辺はご愛嬌ということで、下手に突っ込んでいる方がアホでしょう。
あと登場人物たちのキャラもみんな立っていて良かった。ロシア系っぽい童貞くんが真実を知るまでただヤりたそうにしてるだけだったりとか(笑)、主役の女の子も最高の演技力でホラー界のスタンド・バイ・ミーでしたよ。アメリカ映画って10代の青春模様描くときほんと外さないんだよな~。日本人の僕たちからすると補正が入ってるだけなのかな~。
で、一体”ソレ”はなんだったのか?色々と考察がされていますが、監督の見解としては死の象徴らしいですね。でもそれなら殺される本人やその母親に擬態して登場するのはよく分からないし、その辺は演出だとしてもビックリ系のTheオバケな見た目からエッチなお姉さんまでちょっと幅広過ぎて『オバケさん楽しんじゃってる?』と変に冷めた。
まあ演出の勝利なので良し!