「【”性を知って、死の存在に気付き、愛を知って、生の尊さに気付く・・。” 大人の扉を開けた少年少女の戸惑いを、ホラーテイストで描いた作品。不条理感、不穏感が尋常でない作品でもある。】」イット・フォローズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”性を知って、死の存在に気付き、愛を知って、生の尊さに気付く・・。” 大人の扉を開けた少年少女の戸惑いを、ホラーテイストで描いた作品。不条理感、不穏感が尋常でない作品でもある。】
ー 資料によると、今作は当時無名だったデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の第2作で、制作費200万ドルの低予算映画で、大掛かりな宣伝もなく封切られたが、ティーンエイジャーの間で評判になり、興行収入2000万ドルを超えるスマッシュヒットになったそうである。ー
◆感想&考察
・今作では、大人はほぼ出て来ない。ジェイ(マイカ・モンロー)、ジェイが処女を捧げたヒュー、そして”イット”に感染した彼女は、次々に”イット”に襲われる・・。
ー”イット”とは何であるのか・・。ー
・ジェイは”イット”に襲われつつも、男友達で、彼女を助けようとするチャラメの男グレッグと、性交渉を持つが・・。グレッグは・・。
ー ヒューは言っていた。””イット”は色んなものに姿を変えてゆっくりと追って来る。愛すべき人の姿になることもある・・。”ー
◇今作では”イット”の姿は、しっかりと描かれない。「It」シリーズのピエロのペニーワイズが徐々に姿を現すのとは、対照的だ。
・ジェイに長年好意を持っていた、内気なメガネ少年ポールは、ヤラとともに必死にジェイを守る。そして、ジェイと漸く性交渉を持ち、二人で手を繋いで歩いて行く。後ろから何かが近づいて来る道を・・。
<今作は、観る側に、様々な解釈をさせる映画である。
青少年に対するHIV撲滅キャンペーン映画だろう・・、とか。
(当時、良く巷間に流布されていた”大人”の解釈だそうである・・。)
私は、
1.キチンとした大人が一切出て来ない事。
2.少年少女が、性交渉を持つ事で””イットに感染”する事。
と言う点に注目すると、”イット”とは、大人になると徐々に近づいて来るものだという事が、朧気ながらに見えてくる。
あくまで、私見である。>
◆追記
・デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督、第3作の「アンダー・ザ・シルバーレイク」も、サブカル愛に溢れた怪作である。サブカル雑誌風の分厚いパンフレットも実に面白い・・。