「2010年代で最も成功したホラー映画」イット・フォローズ ホンダケイさんの映画レビュー(感想・評価)
2010年代で最も成功したホラー映画
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1億円強の製作費ながら全世界24億円の興行収入を記録、2010年代で最も成功したホラー映画の1本。セックスを介してうつる都市伝説のような呪いの恐怖を描く。公開当初は、テーマは10代の少年少女に蔓延する性感染症、と言われ、タランティーノが「最高のホラー」としつつも修正点を挙げてくるなど、評価が思いも寄らない方向に向かったため、監督がSNSでの意見表明に追われる事態を招いた(曰く、愛と生と死がテーマ)。
廃墟が目立つ寂れた街並みは、トランプ前大統領の票田といわれたデトロイト。登場人物は皆白人であり、町の境界線という意味のセリフ「8マイル通り」とは、映画「8Mile」でエミネムが暮らす貧困地区を指すなど、織り込まれた社会的な背景も作品の陰影に役立っている。
そもそも最初の感染者ヒューが由来をどうやって知ったのか、そのヒューを探し当てる過程や、赤いパーカの少年など、割り切れない謎も含め魅力に溢れた作品です。
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