「タイトルの仰々しさのわりには重厚感はない。」人生の約束 星水松 愛菜さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの仰々しさのわりには重厚感はない。
一言で言うと"凡作"。豪華キャストでこの程度のものかと肩透かしを喰らいました。
とは言うものの、俳優さんの演技は悪くない。脚本と演出がよろしくない。
他のレビューでもある通り、亡き友の航平はそれなりに俳優さんを据えてやった方が良かったと思う。最後に顔を出して友情出演でこの人がやってたんだっていう演出があった方がね。
瞳(高橋ひかる)が父親を"あの人"と言って何故、良く思ってないのか、その辺りが描かれていない。ここを掘り下げてないから、祐馬(竹野内)が現れたときも、父性を求めてたというよりもハンサムな男性を見て異性を意識した感じになってしまって色恋テイストが濃くなって(それはそれで合ってるのかもしれないが)何かちょっと嫌悪感が出た。
最後、瞳が祐馬に抱き付くシーンはもうLOVE色が強くなってどうも…。
あと、四十町と西町がああも簡単に和解したのも説明不足。恐らく会合のシーンで武田(柄本明)が「繋がった事があるのか?」と聞かれ、「ない」と答えたのが西町の青年団に愛想つかされたんだろうと予測はできるが、それを武田がパイプ椅子にポツンと一人で座ってるシーンだけで表現するというのは、丁寧さに欠けると思う。
祭りのシーンは壮麗で祭り好きの人が観たら、「おぉ、いいねぇ、コレコレ」ってなるんだろうけど、私自身、全国でも有名な祭りのある地域に住んでるのだが、小さい頃から一切興味がなくて、このシーンでも「ふ〜ん、キレイなモンやね」って思う程度で興奮する事はなかった。
祐馬とテツ(江口)はもっとバチバチにやりあってから和解してほしかったかな。
江口洋介はチームリーダーとか何かしらの団体の長とかやらせたらホント上手いなと思う。西田敏行氏はその存在感、演技、言うに及ばずです。冒頭で重厚感がないと言ってしまいましたが、西田氏と柄本明氏のおかげで物語にいくらかは厚みはあります。
さて、新人の高橋さんですが、透明感があってキレイさと可愛さを兼ね備えた女優さんが出たなという印象です。演技も上手い方だと思う。ただ、この作品で12歳という年齢は少しムリがあるかなとも思ったが。
他、ドラマとか出てんのかな…チオビタのCMのイメージが強いけど。個人的には宮﨑あおいのようにドラマには出ずに映画とCMに絞ってやっていくのがええんじゃないかと。これからの活躍に期待します。