「ワロタ」ブラインド 視線のエロス alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
ワロタ
GYAO!でR-15+とのことだったので、一応レビューを確認してから視聴したのですが、大失敗…
ちょっと官能的なシーンがあるからって何でもかんでもタイトルにエロスってつけんなみたいなレビューがあったので、エロシーンちょっとなのか~、じゃあ平気かなと軽い気持ちで見たら、開始15分くらいで超ド級のエロシーンがきてブッ飛びました。
普通のDVDなんかでR-15に指定されてる映画よりだいぶ濃厚エロ。むしろこれ16歳だからって堂々と見てたらちょっとヒいちゃうかも…
ただ、別にエロシーンが主流のAVみたいな映画というわけではなく、内容は割と真面目。なので尚更何でこんなエロシーンを随所にブチ込んだのかがわからず。これがなければちょっとクスッと笑えるシーンもあり、子供と一緒に見て、視覚障害について話し合ったりもできたのでは?というような内容です。
あらすじ:
主人公のイングリッドは元は教師だったが、病気により失明し、職を退き夫と共に家も引っ越す。家に引き籠ってばかりだったイングリッドが引越を決意したことに夫は「外出するようになるのでは」と期待するが、結局イングリッドは引き籠った生活のまま。
最初は生活のため、現実にあるだろう物や人をいかに緻密に想像できるかを試していたが、やがて夫が仕事でいない時には、こんな人がいたら?その人がこんなことをしていたら?などと妄想を膨らませるようになる。段々度を越した妄想をするようになったイングリッドは…?
ストーリーとしては、正直エロシーンは一切なくても良い話として通用すると思うんですけどね。何度でも言うけど、視覚障碍について知識が乏しい人にとっては、だいぶ考えさせられる内容です。
ドエロい妄想のパンチが効き過ぎてて大事な部分がちょっと印象に残りにくいですが、イングリッドの妄想はつまり、突き詰めれば自分の不安を映しているわけで、それは妄想の中の登場人物によく表れています。
「問題を抱えた人間と関わりたい人はいない」
「君は子供の成長を『見る』ことができない」
果てはベッドで寄り添いながら、夫が別の女性と連絡を取り合っていても自分にはわからない。
何をされても自分は気付けない。だからイングリッドは外に出るのが怖い。でも、そんな自分に夫が徐々に嫌気がさしてきているのもわかっている。でもどうしようもない。イングリッドの葛藤や失意を表すかのように、またイングリッドのストレス解消のために、妄想の中の登場人物たちはどんどん不幸に、惨めになっていく。夫ももはや半分、妄想の中の登場人物でしかない。
目が見えないということは、目の前の人物がおおよそ何を考えているのか当たりを付けることすら困難で、「逆にお前らだって私の考えてることなんて微塵もわかってないだろう!」と開き直るかのように、イングリッドの妄想は夫を巻き込んで激しくなっていく。
うーん、そう考えるとエロシーンはやはり必要だったのか…?(洗脳)
ともかく、ベースはかなりまともな話で考えさせられましたが、エロシーンが過激すぎる(というか特殊性癖)ので、家族やカップルでの視聴は気まずいかと思います。
エロシーンさえ無ければ、もう少し気安く見られるという意味でもうちょい評価高くしたかも。