「歌はあんまり関係ない感じ」天使にショパンの歌声を 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
歌はあんまり関係ない感じ
邦題とジャケットから内容を察するに、ピアノ+歌がテーマの音楽映画だと思って借りたら
想像とはちょっと、いやかなり違った作品だった。邦題詐欺感すごい。
カトリックの信仰が最も根強いケベックでの音楽教育の在り方と、
州政が教育に介入する事の影響がありありと描かれている。
修道院だけでなく公立学校の教育や教師にもこの頃変化があったのだなと。
どことなく歴史の勉強をさせられているような、そんな映画。
修道女に対するイメージが何だか低下したのがかなしいところ。
はいシスター、いいえシスター、ありがとうシスターだけ言えと軍隊のように指示したり、
わざわざ吃音の女生徒に正しい発音で喋れと皆の前で恥をかかせたり。特にあのシーンは必要だったのかと。
ケベックの自然の景観の美しさはため息がこぼれるほど。カナダ東部の冬の厳しい寒さも見てとれる。
情緒的な風景が協会音楽にのって静かに流れてゆく、落ち着きのある映像が心地よい。
修道院の生徒たちが列になってテーブルに座りビスケットをつまみながら
お喋りをしている夜のシーンが最高にピースフルで可愛かった。
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