「映画館で見たかった・・・」アイズ flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で見たかった・・・
鈴木光司の原作が好きなので映画も見たいと思っていた。でもいつの間にかひっそりと始まってひっそりと終わったので、見に行けずじまいでDVDでようやく鑑賞。
や、良かったよ。監督もキャストもほぼ無名の人ばかりの映画なので危惧していたのだけど、すごく良かった。
主演の女の子、よほど才能があるのか監督の演技指導が的確なのか、能面のような無表情なシーンも泣き叫ぶシーンも上手かった、と思う。
たまにアイドルとは思えないほど不細工に見えるシーンもあるのだけど、そこが逆に普通の女子高生らしくてリアル。
また、序盤は比較的原作によく似た展開にして原作と同じモチーフを使いつつ、徐々に原作から話を遠ざけていく手法も冴えてる。
クライマックスの種明かしでは、原作を知っていても予想外の展開で驚くし、いくつかの違和感を感じたシーンが伏線になっていたことに気づいて舌を巻いた。
不覚にもこのクライマックスでは涙ぐんでしまったし。
原作も涙ぐんでしまった切ない話だが、原作を読んでいても、というより読んでいればなお意外性を感じる上手い映画化だと思った。
年に何本も撮って「粗製濫造」する某監督の仕事を減らしてでも、無名監督にもこんなチャンスを与えてやってほしいな。
そんなにどぎついホラーではないので、ホラーが苦手な人でも何とか見れると思うし、やっぱ映画館で見たかったな~、これは。
それにしても、宣伝費をかけなさすぎでしょ、この映画。もうちょっとかけてやってよ。
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