「私たちはスマホ並み?」ENOLA odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
私たちはスマホ並み?
SFというより林一嘉の妄想に近い思いつきをベースにした、金城大学後藤ゼミ制作のほぼ自主製作実験映画。予算も無いのでしょう役者は素人同然だしセリフもチンピラ言葉の浴びせあいで耳障り。状況説明も無く話が進むので困惑、難解にすればカルトには受けるという発想か・・・。
名古屋をはじめ全国で原因不明の大量の突然死が発生、テロやウィルスかと大騒ぎになる。
潜水帽のようなヘルメットを被った一味が街を徘徊、どういう訳かハズキという女子大生に目を付け、大学を爆破、間一髪のところ義兄の平良教授(林一嘉)と連れ立って逃亡するが執拗に追ってくる。どうやら、ハズキには姿の見えない寄生獣もどきが宿っているらしい。一味に襲われたショックで寄生獣は不良少年健太に宿替え、健太は一味に追われるが車を素手で止める超能力を発揮、撃たれると今度は不良仲間のアズマに転移、アズマも一味に撃たれて死ぬ。
一味は大量死を調べている捜査官と言うが謎めいていて行動の意味が掴めない。
これまた、平良教授(林一嘉監督)は何でもお見通し、映画のラストで驚きの独白、「そもそも第5次人類の魂は宇宙から操られている、今回たまたま、その星のひとつで事故があったのでそれに連なる人々の魂が消滅、大量死となっただけ・・」。 私たちはスマホ並み?
謎の大量死と大風呂敷を広げた割には数人の間でもめるだけ、あえて謎めいた不可解な行動を見せて観客の興味を繋ぐ手法、さんざん引ぱった挙句、この落ちではペテンに等しい。
タイトルのENOLAは女性の人名だろうが映画を観ても判らない、大量死と原爆を繋げて爆弾投下のB-29、Enola Gayのことなのか、憶測だが以前流行ったテクノポップスのP-MODELの電子悲劇ENOLAの歌詞にインスパイアされているのかもしれない。
個人的にはこういう独りよがりの映画は苦手です。