黄金のアデーレ 名画の帰還のレビュー・感想・評価
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歴史の重みを感じる見応えのある作品。フィクションなのでより一層胸に...
歴史の重みを感じる見応えのある作品。フィクションなのでより一層胸に迫るものがある。
自分を取り戻す
可もなく不可もなしと言う感じだった。
クリムトの絵を取り返すと言うラインを横道反れずに進んで行く話で、結末が見えててドキドキしなかった。
見どころは黄金のアデーレの美しさとヘレン・ミレンの魅力溢れるチャーミングな演技。
しかし、一個人が、国家から自分の物を取り戻すと言うのは痛快ではあった。映画だと、妨害や法律や政治や歴史が立ちはだかって、想像を絶する苦労と五里霧中の道を歩んでいたと思う。
深い
なかなか見ごたえのある作品だった、ナチによる略奪などで奪われた財産、それを取り戻すという ある意味 痛快で、歴史を感じつつ、軍国主義、民族主義、民主主義、法によって国と対等に渡り合える現代社会 いろんな側面から考えさせられる作品、実はあまり期待していなかった、劇場で観ようとかとも思ったが DVD発売まで待ってみた、映画館で観ても良かったかな。
忘れられない映画の1つ
とっても面白い!!
重苦しい時代の背景に華やかさが垣間見られ、見るのを飽きさせない。
複雑な背景の中でサクセスストーリーとなった実話なので最後はとても爽快感を感じられました。過去と現在、戦争と芸術、弾圧と成功、いろいろな面で対照的な課題を上手くまとめた映画だと思います。
魅力的な演技、景観、ストーリー。
ナチ時代、全てを奪われアメリカへ亡命した女性が『黄金のアデーレ』の返却を求め、オーストリア相手に裁判を起こす。
1枚の絵画と共に人生を取り戻す奇跡を描く、ノンフィクション題材のドラマ。
ヘレン・ミレンの演技とチャーミングなおばあさんっぷりがとても可愛い。
ちょっと性格はキツイけど、回想シーンを見せられると必死にその苦しみに抗う表情にグっときます。
しかし、この映画の主役は何と言っても若手弁護士として主人公に協力する事になる弁護士ライアン・レイノルズ!
オーストリアへ一緒に赴き、他国裁判の厳しさと全く相手にしてくれないお役所団体を目の当たりにし、
心を揺さぶられ帰国前に1人で嗚咽を漏らして泣くシーンは観ている側も心臓を握られるよう。
帰国してから人が変わったように真剣に調査に乗り出します。
家族もいて子供も生まれるのに…泣ける!(笑)
作中に出てくるウィーンの景観の美しさにため息がこぼれます。
町並みもインテリアの調度品も本当にクラシカルで素敵!
俳優陣も何気に豪華で、ストーリーと演技は奥深く、非常に心に何かを残してくれる1本でした。
今まで見た中で一番好きな映画の1つになった。 映画館で観るかずっと...
今まで見た中で一番好きな映画の1つになった。
映画館で観るかずっと悩んで結局やめてしまったことを激しく後悔。
主人公のマリアがとても可愛らしいおばあちゃんで魅力的すぎる。
キャストを全く知らなかったから、ライアンレイノルズと、ダニエルブリュールが突然出てきてとてもびっくりした笑
デットプールの時との印象が違いすぎて少し焦った笑
ヒゲで全く印象が違いますね。
なんといってもオーストリアの美しい街並みが表現されていたのがもう素敵すぎて。家の内装とか調度品も素敵すぎる。
石畳を走る若かりし頃のマリアと夫がもう絵になって絵になって。
やっぱり学生のうちに一度はオーストリアにいきたい。クリムトがいた分離派会館とかにも行きたい。
英語とドイツ語が印象的に使われていた気がする。
字幕でも〈〉が付いているかついていないかで分かりやすくなってたけれど、
ドイツ語を勉強してて本当に良かったと思った。
オーストリア人だけれど祖国には嫌な思い出があるから、アメリカ人としてかたくなに英語を話すマリアに対して、ドイツ語で嫌味を言う人とか
頑張って英語を勉強しているマリアが電報を聞いて、だんだんとドイツ語に戻ってしまう姿とか
もうオーストリアに戻らないと決めていたマリアがランドルに巻き込まれて二回も国に戻り、結果絵を取り戻すことができた後
自分の家を訪れ、そこで自然とドイツ語が出る
泣いた
いやぁ本当に素敵だった
もう一回見たいけれど明日の13時までに返却しなくてはならないし、あと2本も借りてしまったし
オリンピックも見なくては
内容のあるいい映画。正統派という感じ。
主人公の女性は、ロサンゼルスで素敵なファッションに身を包んでブティック経営をしている洗練された女性。夫は先立ってしまったけれど、一見、幸せそうに見える。
でも実は、若い頃に両親を祖国に置いてアメリカへ逃げなければいけなかったユダヤ人。幸せな時間を過ごした幼少時代と、ナチス迫害時代、在米で順調そうな現在の三つの時間軸で構成されている。
それまで過去は過去、と割り切って過ごしてきた彼女が、ある日を境に絵画を取り返すため、同じ祖国出身の若い弁護士に相談し、オーストリアを相手に訴訟を起こす。初めは報酬目当てだったその弁護士も、女性と時間を過ごすにつれてオーストリアに対する想いが強くなっていく。
凛としたその女性の過去には、肖像画の被写体であり身近だった憧れの叔母の姿があって、その人の影響を受けているんじゃないかと思わせられて胸が詰まった。
この映画は絵画を取り返すまでの長い年月の間に、未だに残るユダヤ人に対する侮辱、お金目当てで近づこうとする輩などと遭遇して、大変な時間を過ごしたんだろうなと想像できた。
この映画に関してまったく予備知識がないまま観たけれど、彼女の回想シーンや裁判をするにあたっての気持ちの変化など、始終感情移入して話に引き込まれていた。見終わったあとは重厚感のある余韻が残った。重い雰囲気になりがちなストーリーなのに、クスッと笑えるジョークも混ざっているし、素晴らしい芸術品、主人公の上品なファッションや、出で立ちのお陰か、視覚的にも心地よい刺激を受けて、そこまで暗い感じはしなかった。久しぶりに内容のあるいい映画を観たなという充実感がある。また観たいと思えるし、正統派の映画、落ち着いた映画、実際にあった話の映画が観たい人にはお薦めしたい。
人間の尊厳とは何かということを考えさせられた
久々に感動の涙がこぼれた。想像していたより、ヒロインが魅力的だったし、サスペンスもあった。ヒロインのマリアは、信念の人で、ひたすら国家に対して絵画の返還を求めるような人かと思ったら、そうではなかった。立ち止まったり、悩んだり、そしてすべてが終わるまで長い年月がかかっていた。弁護士も最初はお金目当て。それが、ウィーンに行ったことによって変わってゆく。美術に詳しくない私でも見たことがあるあのクリムトの絵にそんなサイドストーリーがあったなんて… 以前観た「ミケランジェロ・プロジェクト」にも通じる話で、ナチスの犯した罪の深さを感じた。マリアがウィーンに戻りたくないのはなぜか? 映画が進むうちにその答えがわかってくる。ウィーンには幸せな思い出ばかりではない。アメリカへの脱出劇は緊迫感が伝わってきた。ナチスはユダヤ人の物を奪うことはできても、彼らの尊厳は奪うことはできなかったのだ。憎悪犯罪があちこちで起きている今だからこそ、考えなければいけないのではないかと思った。
アイデンティティと家族
ナチスによって不当に強奪された絵画を、
国家を相手に闘って奪回する痛快な話かと思った。
確かにその側面はあって、国家の利益のためには、
個人の権利を蔑ろにするオーストリアには憤りを禁じ得ない。
そして、首尾良く絵を取り戻し、
オーストリアの小役人に言い放ったヒロインの言葉に、
胸がすっと晴れた。
だが、それよりもそこに到るまでの、
ナチスによる迫害を受けたヒロインと
最初は金のために仕事を引き受けた弁護士、
それぞれのアイデンティティについての葛藤と、
家族に対する、そして家族からの想いが心に染みる。
映画館で観たかった
心を揺さぶられました
過去と向き合うこと/恥を知ること/ほんとうの誇りとは何か/一人一人の人生は特別だけれど、また同時に普遍的でもある/ヒロシマ/・・・・・
いろいろなことが頭の中を巡っています。これからますます「排斥」が世界を覆うであろう時代に、重要なメッセージを伝えている作品だと思いました。
それはそうと、ライアン・レイノルズって、私の弟にちょっと似てます。
想いを受け継ぐのに大事なこと
名画の所有権をめぐり、国家を相手に裁判を起こした女性の実話を基にしたお話。
事の顛末を全く知らなかったので興味深く、同年公開の「ミケランジェロ・プロジェクト」と対をなして、とても面白かったです。
時代に翻弄されながら強くしなやかに生きる主人公がとても魅力的でした。
先日、米大統領が初めて被爆地で黙祷を捧げるのをTVで見て、この作品のワンシーンを思い出していました。
その場に立って想いを致す事は、知識として理解するだけとはまったく違う。
あとに生きる者が少しでも想いを受け継ぐのに大事なこと、印象的でした。
その想いに真っすぐに、人生を変えていった男の話でもありました。
ヘレン・ミレンがキュート!なんとも魅力的でした。
相棒の弁護士を演じたライアン・レイノルズ、すっかり大人の顔になっていてとても良かった、ケイティ・ホームズ演じる妻とのさり気なくて温かい暮らしぶりも良かったです。
おかえりなさい。
久し振りに「こういう映画を観たかった!」と、生意気な事を思ってしまう位、最初から最後まで最高な映画でした。
(ラストシーン)追憶の日々が甦り、諦めていた両親や姉や旦那様・叔父様、愛おしい人達との再会、そしてずっと待ち焦がれていた(叔母様)との再会シーンには、感動で胸いっぱいです。
こういう(主人公にしか見えていない、想像の世界)場面を映像として実現出来るのも、映画ならではですよね。
俳優さん達の演技も、物語・音楽・美術・映像・何もかも、全てが素晴らしいです。
感動しました。
一枚の絵画を通じて語り継ぐナチスの歴史
ナチスと美術品の歴史を描いた映画では「ミケランジェロ・プロジェクト」が記憶に新しい。「黄金のアデーレ 名画の帰還」は、オーストリア国家の手に渡った叔母の絵画を、ひとりの老婦人が返還しようと奮闘する物語だ。もちろん老婦人には弁護士が付き、力を貸してくれるオーストリア人の存在も出てくるが、言わば個人対国家という図式。大きな挑戦の物語ということになる。
もちろん、ユダヤである老婦人にもナチスに追われた過去があり、当時の記憶が回想シーンとして度々登場する。絵画を返還する現代のストーリーと、ナチスから逃れるためアメリカへ逃亡する過去のストーリーが行き来しながらドラマは展開する。実話だというから興味深い。
フラッシュバックの入り方はやや乱暴に思える。現代のストーリーと過去のストーリーがうまく呼応し合わない状態で闇雲に時代が行き来し、その都度映画のタッチが変わるので少々落ち着かない。ナチスにまつわるサスペンスフルなストーリーには緊張感が走るし、絵画の返還をめぐる物語にも興味は惹かれる。しかしその同時進行の展開があまり器用ではなかった。過去のストーリーは寧ろ、ナチスからアメリカへ逃亡するエピソードを語るのではなく、なぜ老婦人がアデーレの絵画に固執し、これだけの労力をかけてでも取り戻したいのかを紐解くエピソードを語るべきだったのではないかと思う。老婦人のドラマティックな過去は語られるが、そこから老婦人のパーソナルな心情や心の動きなどは見えにくく、よって現代の物語と響き合わない。ただただナチスの悲劇性だけが目に残る回想で終わってるのでは勿体ない。
そして絵画の返還に至るまでの経緯の描かれ方にも不満が残る。力の弱い個人がいかにして国家を相手に勝利できたのか、が見所になるかと思いきや、映画はその主題を実に淡泊に語っていく。映画を見ていると(実際にはそうであったはずがないが)あれよあれよと最高裁まで行き、案外簡単に絵画を取り戻せたように見えてしまう。長い月日と労力と経費が掛かった一大事のように感じられないのが難点だ。ただその分、若き弁護士のこの無謀ともいえる挑戦におけるジレンマや葛藤、そして自身のルーツへの対峙といった部分は丁寧に描かれている印象だ。
ヘレン・ミレンとライアン・レイノルズという、共通点がとても見つかりそうもない二人の相性が以外と悪くなく、特に前半部分など、ロマコメかと思うようなケミストリー。辛辣で複雑で気位が高いがとてもチャーミングな老婦人を演じるヘレン・ミレンの凛々しい佇まいにも見惚れるし、ミレンが役柄に投じるスパイスとユーモアが絶妙のバランスで眩しいほどにかっこいい。そしてその魅力が作品の欠点を覆い隠してしまうほど。
そしてまた、このように一枚の絵画を通じて、ナチスの惨さと歴史の重さを語り継ぐ映画が生まれたことについては素晴らしいと思う。歴史を風化させまいとする熱意には何の異論もない。
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