劇場公開日 2017年1月27日

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「悪夢が現実となってしまった、今。」スノーデン お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0悪夢が現実となってしまった、今。

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画にはストーリーがありません。
代わりにあるのが、圧倒的な真実なのです。

911テロの2年前に公開された一本の映画を思い出します。
ウィル・スミス主演の映画「Enemy of the State」では、当時まだ知名度の薄かったNSAの悪行がテーマでした。
NSAによるプライバシーの侵害が、どれほど一般市民に実害があるかというテーマで、観衆が飽きそうな主題をスリラー仕立てにしあげた映画です。
NSAの悪党が言い放ちます。
「国民の優先順位なんて、事件ひとつでコロッと変わるさ。プライバシーの尊重より、国家の安全こそが第一へ、とな」。

911事件は、たしかに人間からプライバシーが奪われてしまうキッカケとなった最悪の事件でした。

20年前の映画人たちの警鐘が悪夢の現実となり、全世界の全人間のプライバシーをNSAが完全に把握してしまったという事実を、淡々と告発するのが、本作です。

高給と責任ある地位を投げ捨てて、良心のために内部告発の道を選んだエドワード・スノーデンという人間の前半生を、堪能してください。

自分は悪いことをしていないから無関係?
んなわけないです。同じセリフが、前作にも、本作にも、出てくるけどね。

お水汲み当番