劇場公開日 2015年9月4日

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映画 みんな!エスパーだよ! : インタビュー

2015年8月31日更新
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染谷将太×真野恵里菜×池田エライザが恐れる安田顕のトラップとは?

「週刊ヤングマガジン」に連載されたコミックが原作のコメディドラマ「みんな!エスパーだよ!」。2013年に放送開始され、深夜枠としては異例の高視聴率を記録したことで話題となった。その理由は、低予算ならではの工夫を凝らした演出と、今日の日本映画界を支える若手俳優達×園子温監督のタッグが生み出したケミストリーの賜物。このほど物語をふりだしに戻し、スクリーンならではのスケールアップをした劇場版が完成した。そこで、ドラマ版から続投する染谷将太、真野恵里菜、そして劇場版からの参加となる池田エライザの3人に、この作品の魅力を語ってもらった。(取材・文/よしひろまさみち、写真/根田拓也)

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愛知・東三河に暮らすフツーの高校生・嘉郎はある夜、宇宙から降り注いだエネルギーを浴びたことで、突然テレパシー能力を持ってしまう。急に超能力を得た嘉郎は戸惑いながらも、そのパワーを楽しみ始めたところ、町の人々も一部、様々な超能力を身に着けたことが発覚。一方、超能力研究者の浅見教授は、東三河に超能力者が多数発生していることをつきとめ、嘉郎らに協力を求める……。と書くと、とてもマジメなサイキックサスペンスに聞こえるが、原作やドラマ版を知っている人ならご存じの通り、童貞、パンチラなど、中二病男子の妄想てんこ盛りの爆笑コメディだ。

「映画にするとどういう風になるんだろうと思っていたんですが、最初に脚本を読んだときに安心と信頼を感じました。脚本前の段階から園監督はいろいろなアイデアを出していらっしゃったんですが、それがうまく取り込まれていて、落ち着くところに落ち着いた感じがしたんです。でも、園監督の現場は、台本があってないようなものですから、現場では安心どころではなかったんですけど(笑)」

そう語るのは、主人公嘉郎を演じた園監督作品の常連、染谷。「現場で思いついたことをバンバン撮っていくのは、監督の現場の醍醐味ですね」と余裕の面持ち。また、ドラマから続投の紗英役・真野は「あまり台本を読んでいて笑うことはないんですが、この作品の脚本は読んでいて笑ってしまいました」と、映画版にリラックスして挑めたことを振り返る。「ドラマ版の方も笑えるんですけど、あのときはこの世界観や役作りに必死で、それどころでは(笑)。その点、今回は脚本段階ですごくリラックスして笑うことができたんですよね」

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オーディションを経て、映画版から参加した美由紀役の池田は、2人とはまったく逆の思いだったようだ。「必死すぎて、なにもかもが大変だったんですけど(笑)。まず、これが噂の“エスパー”か……、というのが第一印象でした。ドラマも拝見していたんですが、セリフがいちいちとんでもないんですよね。私は劇場版から参加の新参者ですし、このような大きい役は初めてだったので、最初はもちろん緊張しましたね。でも、現場の雰囲気が和やかで。おかげで適度な緊張で、自分の役に打ち込むことができたと思います」

特に池田は出演シーンも多いうえ、映画での大役は初めてということもあり「余裕を感じる暇がなかった」という。「現場では美由紀でいることに必死で、余裕がなかったんですよ。でも、映像を見せてもらうと、とにかくキレイに撮っていただいているのがわかるので、安心して身を預けることができました。でも、撮影中はどういうシーンになっているかまったくわからなかったので、完成版を見たときに“あの台本がこうなるんだ”と、すごく驚きましたね」。

それを聞いた真野は、「現場でエライザさんのファーストカットを見たときに“あ、美由紀だ!”って思って、鳥肌立ちましたよ(笑)」とべた褒め。エスパーの先輩からの言葉にはホッとした様子だ。

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さて、ハチャメチャな映画らしく、ハチャメチャな現場だったことを物語るエピソードがひとつ。それが「安田顕さんのトラップに気をつけろ、ですね」と染谷。同時に真野も「それ、私もそう思いました(笑)」と同調するほどだ。

「安田さんが撮影中にしかけてくることが、リハーサルと全然違うことが多くて。それがいちいちおもしろいので、どうしても笑ってしまうんですね。ドラマ版のときからずっとやられていることで、完敗しっぱなし(笑)。本番中に笑っちゃいけないのは重々承知の上なんですけど、この現場だけはごめんなさい! って感じです。他の俳優さんや現場でこんなことはないんですが、安田さんに笑かされて自分の職務をまっとうできないのが、エスパーらしさともいえるのかな(笑)」(染谷)

「紗英がのっとられているんじゃないか、と疑って顔を近づけるシーンなんですが、だいぶ引きの画なのでそこまで近づく必要ないのに、もうちょっとでキスしちゃうんじゃないかっていうくらいに顔を近づけてくるんですよ。それも捨てられた子犬のようなまなざしで(笑)。あれで笑わないのは無理」(真野)

実際にシーンを見るとわかることだが、安田らしい表情作りはドンピシャでハマる。「あれは狂気です」と染谷が苦笑するのも無理はない。

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ギャグマンガの実写化だけに、大人が制服を着て演技をしているのも違和感を覚えないが、やはり気になるのは「学生服の賞味期限」。もっとも若手の池田は「私はついこの間まで本物の学生服を着ていたので、まだまだイケますよ!」と宣言。では、2人は?

「う~ん……。まだイケるかな、とは思うんですよね。主観的な判断よりも、お客さん達の客観的な判断で許せるところまではやりますよ」(染谷)

「私もまだまだ。可愛い制服好きですし、需要あるうちはやらせてもらおうと思っています!」(真野)

これは続編も、このノリノリのキャストで期待ができそうだ。

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